年末のホリデーシーズンを前に、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が確認されたことで、各国の渡航制限対応が相次いでおり、旅行業界はキャンセルや旅程変更に追われるなど影響が出始めている。
11月29日付
『ロイター通信』は「アマゾン幹部:オミクロン株のホリデー消費への影響はまだ分からない」との見出しで以下のように報道している。
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が確認されたが、ホリデーシーズンの消費への影響について、記録的なブラックフライデーを迎えたというアマゾンは、消費者は予定どおりのプラン敢行をすると予想している。
日曜のTVインタービューで、アマゾンのデーブ・クラーク海外カスタマー担当副社長は、「変異株の現状もまだ分かっていない状況だがワクチン開発に期待している。...
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11月29日付
『ロイター通信』は「アマゾン幹部:オミクロン株のホリデー消費への影響はまだ分からない」との見出しで以下のように報道している。
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が確認されたが、ホリデーシーズンの消費への影響について、記録的なブラックフライデーを迎えたというアマゾンは、消費者は予定どおりのプラン敢行をすると予想している。
日曜のTVインタービューで、アマゾンのデーブ・クラーク海外カスタマー担当副社長は、「変異株の現状もまだ分かっていない状況だがワクチン開発に期待している。消費者は状況をしっかり見極め今年のホリデーシーズンにかけては生活を前進していけると思う。」とコメント。「長期間のロックダウン制限を経て、消費者は仲間との繋がりを取り戻し始めている。以前のように気持ちは外向きになっておりこれは消費にも表れている。」とする。
米国をはじめ各国がオミクロン株の出現に応じ、南アフリカ共和国からの渡航禁止措置を設けている。オランダでは先週、南アフリカ共和国からの帰国便に搭乗した13人の感染が確認され、ここ数日で英国、デンマーク、オーストラリアでも感染者が確認された。米国では感染の報告はないが、専門家は変異株がすでに上陸しているとみている。
またクラーク氏は、これまでは人手不足を背景に従業員の雇用に成功してきたが、雇用は今後の課題だとする。
パンデミックは人々が人生設計や環境を熟考し生活や仕事の仕方を見直すきっかけとなり、雇用が難しくなった」とする。現在の消費トレンドは、人々が集まり始めたことを反映しアパレル、インテリア用品が売れている一方、リモートワーク用のオフィス用品需要が終わり、電化製品の売れ行きは横ばい傾向となっている。
11月28日付トルコ『Daily SABAH』は「株価下落や原油高、オミクロン株により世界経済に新たなリスク」との見出しで以下のように報道している。
オミクロン変異株の感染者が各国で次々と確認され、日曜にはオーストラリアでも感染者が確認された。どうにか感染拡大を防ごうと、各国は渡航制限による対策に追われ、株価の暴落や原油価格の下落が起きている。
金融マーケットは航空株を中心に急落し、世界的な経済回復への懸念が出始めている。原油価格は1バレル当たり約10ドル下落した。日曜、中東株は急落し、サウジアラビアの株価指数は2年ぶりに1日で最大の下げ幅となった。
11月28日付英国『Guardian』は「新型コロナ対策の中、旅行業者はプラン変更に追われる」との見出しで以下のように報道している。
オミクロン株の封じ込めに動いたスペインに続き、スイスも渡航制限を決めた。英国の旅行業者はスイスのスキーツアー旅程の変更に追われているという。
スイスでは土曜の夜から入国後10日間の隔離措置を義務化。イスラエルも月曜から2週間外国からの入国者を制限する等、世界的に変異株の感染拡大を抑える対策が行われている。旅行業者は今週にも検査対応をすることとなり、旅行業界には大きな打撃となると予想されている。
オミクロン株の感染拡大を懸念し、既に旅行を見直す動きは出ている。英国最大の旅行代理店では、ブラックフライデーセールにも関わらず、隔離措置が発表された土曜のツアー契約は、先週と同じペースにとどまったという。代理店側も消費者信頼感の下げは予測していた。スイスのスキーリゾート旅行の予約者には、渡航先を別の国にするか来年へ延期するかを相談。また旅行会社や航空会社では変更手数料なし等の対応をしているが、パンデミックで最も打撃を受けた業界だけに、政府に支援を求める声も聞かれる。
英国の新規渡航制限のタイミングは、年末の書き入れ時を迎えた旅行業界にとり痛手となっている。スペインは土曜、英国からの入国者は、陰性証明または感染履歴だけでなく、ワクチン証明の提示を義務化。英国からの主要な渡航先のスペインでも厳しい渡航制限が敷かれているのは二重苦となる。一方でアイルランドへの渡航はPCR検査や隔離措置が解除されている。
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