GAVIアライアンスの呼びかけで、スイスとGAVIは互いにワクチン製造会社　モデルナ社からの入手計画を交換することに同意した。すなわち、コバックスはこれまで低所得国でのコビッド19ワクチン接種率を上昇させるのに苦労してきたが、今年の最後の四半期(10月―12月)の期間、モデルナ社のRNAメッセンジャータイプであるモデルナワクチンを自由に使用できることとなる。...

GAVIアライアンスの呼びかけで、スイスとGAVIは互いにワクチン製造会社　モデルナ社からの入手計画を交換することに同意した。すなわち、コバックスはこれまで低所得国でのコビッド19ワクチン接種率を上昇させるのに苦労してきたが、今年の最後の四半期(10月―12月)の期間、モデルナ社のRNAメッセンジャータイプであるモデルナワクチンを自由に使用できることとなる。

一方、スイスはその替わりに来年に入ってからモデルナワクチンを入手することになる。　GAVIアライアンスのバークレイ長官はスイスの今回の決定を歓迎し、コバックスを優先する高所得国の取り組みに関する模範となると語った。

これまで高所得国によりワクチン製造会社への注文が殺到したことや、コバックス向けの供給源に予定されていたインドで生産されていたアストラゼニカ社製ワクチンがインドの輸出規制により長い期間、使えなかったことが原因してコバックスによる低所得国へのワクチン供給は予定より大きな遅れを生じた。

なお、GAVIアライアンス、世界保健機関（WHO）やユニセフはワクチン供給のため、寄付を高所得国に呼び掛けているが、この方法では受領国の計画が立てにくいなどの欠点がある。これに比べてスイスの採用した方法は直接、発注した容量のワクチンを低所得国に先に回すのでGAVIアライアンス側もワクチン分配の管理が容易となるメリットがある。

日本としても感染が完全に治まった暁には、発注済みワクチンの入手順序をスイスのように貧困国に譲れるような立場になりたいものである。