月面開発に向けた宇宙飛行士による活動が2028年にスタートすることを目標に、月面での生活と活動を維持するための新テクノロジーの開発が進められている。フランスは、この分野においてアメリカや中国、ソ連などの企業に負けないように、「Tech The Moon」と呼ばれる、月に特化したイノベーションを進める企業を支援するプロジェクトを立ち上げた。
仏科学誌
『フチュラ・シエンス』は、2035年には人間が月面で自律して生活し、仕事をするようになることが予測されている中、フランスとヨーロッパは、投資を体系化し調整していく政策を採用し、新宇宙空間のリーダーとしての地位を確立しなければならないと伝えている。
それを可能にするための立ち上げられた「Tech The Moon」プロジェクトは、将来の月面経済を支える企業を育てていくことを目的としている。...
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仏科学誌
『フチュラ・シエンス』は、2035年には人間が月面で自律して生活し、仕事をするようになることが予測されている中、フランスとヨーロッパは、投資を体系化し調整していく政策を採用し、新宇宙空間のリーダーとしての地位を確立しなければならないと伝えている。
それを可能にするための立ち上げられた「Tech The Moon」プロジェクトは、将来の月面経済を支える企業を育てていくことを目的としている。月資源、インフラ、生命維持の3つの観点から、毎年いくつかのプロジェクトを選び、12ヶ月間の支援を行っていく。初年度として、5社のスタートアップ企業が選出された。
電磁放射の可視化とアンテナ性能の測定を扱うAnyfields社、部品や機器をその場で分析する技術を開発しているMetis社、宇宙環境下での植物の栽培を研究しているOrius Technologies社、移動可能な膨張式の月面居住施設を開発しているSpartan Space社、そして、再使用可能な月周回衛星を手掛けているThe Exploration Company社である。
フランスのメディアでは、この5社の中でも特に食糧問題を扱うOrius Technologies社と、住居を開発しているSpartan Space社に注目が集まっている。仏ニュースサイト『20ミニュッツ』によると、Orius Technologies社は、将来、宇宙飛行士たちが月で自律した生活ができるように、限られたスペースで最大限の品種を生産するための最良の方法を模索している。同社のオリバー社長は「私たちは、植物を生産するための精密技術を設計し、例えば、トマトと根菜の全く異なるニーズに応えようとしている。できるだけメンテナンスを必要としない自律型の技術を目指している。」と話している。今後は、宇宙飛行士にとって最良の栄養バランスを保てる植物を選択していくと同時に、可能な限り小さな生息環境で育てることができる技術開発に取り組んでいく。
Spartan Space社は、宇宙飛行士たちが月面で暮らすことが出来る住居を開発している。月面着陸後、自動的に、風船のように膨んで拡がっていきながら高さ7メートルの居住空間をつくりあげる技術を開発してきた。自律型月着陸機に搭載されることで、宇宙飛行士たちよりも一足先に月面に着陸し、居住空間を用意しておくことが出来るようになる。この住居のモデルが現在開催中のドバイ国際博覧会で展示されている。
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