警察予算削減を指示していたワシントンD.C.のミュリエル・バウザー市長は、米国の首都で殺人事件が増加していることを理由に、警察官増員のために1100万ドル(約12億円)の追加予算を要求していることを発表した。
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『ナショナルレビュー』によると、バウザー市長は28日、2021年度に20人、2022年度に150人の警官を雇用するために、1100万ドルの承認を市議会に求めたことを明らかにした。市議会は昨年、ジョージ・フロイドのデモや「警察予算の打ち切り」という声を受けて、警察予算を1,500万ドル(約16億円)削減することを決議していた。
バウザー市長は、「現在、私は警察庁に対して、公共の安全を保つために残業を行うよう指示しています。...
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『ナショナルレビュー』によると、バウザー市長は28日、2021年度に20人、2022年度に150人の警官を雇用するために、1100万ドルの承認を市議会に求めたことを明らかにした。市議会は昨年、ジョージ・フロイドのデモや「警察予算の打ち切り」という声を受けて、警察予算を1,500万ドル(約16億円)削減することを決議していた。
バウザー市長は、「現在、私は警察庁に対して、公共の安全を保つために残業を行うよう指示しています。しかし、それが完全な解決策ではなく、また長期的に見ても正しい解決策ではないことは承知しています。また、すべての警察官が健康で、休みを取れていて、適切な判断ができる状態であることが必要です。地域社会のすべてのニーズに応えるためには、体制の整った警察が必要です」と述べた。
市長室によると、昨年の予算削減により、警視庁は42名の警官しか雇用できず、「今年は警察学校で採用イベントを開催できなかった」という。市長は、「DC全域の住民、特に銃による暴力の影響を最も受けている地域に住む住民が、強力で持続的な警察の存在を求め続けているため、警察に残業を要請している 」と述べた。
ワシントン州では、2020年に過去16年間で最も多い198件の殺人事件が発生し、今年はこれまでにすでに111件と、昨年に匹敵する勢いで殺人事件が発生している。同市ではここ数週間、6歳の少女が銃で撃たれて死亡する事件や、野球の試合中に起こった銃撃事件で場内の観客たちが外に非難するなど、注目を集める銃乱射事件がいくつも発生している。
米『ワシントンタイムズ』によると、今回の発表の1ヵ月前に、ワシントンD.C.警察の署長が、「今年は採用プロセスを停止せざるを得なかった」ため、減少率が採用率を上回る状態が続くとの見通しを示していた。
警察署長は、ワシントンD.C.議会の司法・公安委員会で、昨年の予算削減により、最終的には警察官が200人以上減少することになると述べた。また、同署が再び雇用を開始できるのはおそらく2022年4月以降になるだろうと述べた。来年には20年以来、最小の警察官数になるという。
英『デイリー・メール』は、米国で警察組織の廃止を訴えている都市の少なくとも20人の市長は、年間数百万ドルの税金を使って民間警備会社に自分たちの警備を依頼していると報じている。
2月、サンフランシスコのブリード市長は、警察予算から1億2000万ドル(約130億円)を削減する計画を発表した。一方で、2020年の市長の警備のためには260万ドル(約3億円)が費やされており、この予算は今年も増えそうだという。
『デイリー・メール』は、市長が警察予算の削減を訴えながら、自分の身を守るために何億円も費やすという現象は、民主党の市長がいる都市でのみ見られる現象だと伝えている。シカゴでは、2020年に340万ドル(約3億7千万円)を警備に使用し、ボルチモアでは市長他2名のために360万ドル(約3億9千万円)が使用された。ボイス・オブ・サンディエゴによると、サンディエゴ市長は最新の警察予算で、430万ドル(約4億7千万円)の残業代の削減と、新しい警察監督機関のために100万ドル(約1億1千万円)を計上した。一方で市長の警護のために12人のフルタイムの警察官の費用260万ドル(約2億8千万円)の予算を計上したという。
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