新型コロナウィルス(COVID-19)感染問題は、感染力が増したデルタ株ウィルス(インドで発見された変異株)の蔓延で、医療体制が不十分なインド・インドネシア・タイのみならず、ワクチン接種率が高い米国・英国等でも深刻度を増している。そこで世界の投資家らは、新たな変異株の蔓延で経済再生活動に悪影響が出ると予測して、安全通貨である円・米ドル買いに走っている。
7月20日付
『ロイター通信』:「デルタ株蔓延でリスクの低い円・米ドル買い」
再び猛威を振るっているCOVID-19の変異株の蔓延で、世界的な経済再生活動に支障を来す恐れが出てきた。
かかるリスクを敏感に感じ取った投資家らによって、安全通貨とされる円・米ドル(通称グリーンバック)への資産転換が行われ、7月20日の同通貨は数ヵ月振りの高値を記録した。
特に、投資家の間では、オーストラリアドル(通称オージー)や英国ポンド(同スターリング)をリスク通貨とみて、円・米ドルへ資産変更している。...
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7月20日付
『ロイター通信』:「デルタ株蔓延でリスクの低い円・米ドル買い」
再び猛威を振るっているCOVID-19の変異株の蔓延で、世界的な経済再生活動に支障を来す恐れが出てきた。
かかるリスクを敏感に感じ取った投資家らによって、安全通貨とされる円・米ドル(通称グリーンバック)への資産転換が行われ、7月20日の同通貨は数ヵ月振りの高値を記録した。
特に、投資家の間では、オーストラリアドル(通称オージー)や英国ポンド(同スターリング)をリスク通貨とみて、円・米ドルへ資産変更している。
円の場合、7月19日の対オージーが80.05円と2月初め以来の高値を付け、7月20日朝も80.40円となっている。
そして、スターリングに対しても3ヵ月振りの高値となる149.35円を付けている。
また、米ドルも、対オージーが8ヵ月振りの高値である0.73225米ドルを付け、スターリングに対しても、2月初め以来の高値となる1.3655米ドルを付けている。
一方、円・米ドル間取引では、円買いの勢いの方が強く、7月19日の対グリーンバックが109.07円と5月下旬以来の高値となっていて、7月20日も109.55円で取引されている。
世界で再び猛威を振るい始めたデルタ株ウィルスは、米国でも蔓延し始めていて、特にワクチン接種率が低い州で深刻となっている。
一方、英国のボリス・ジョンソン首相(57歳)は、“自由復活の日”と称して、7月19日よりイングランド・カントリーにおける都市封鎖措置解除を決定しているが、同首相自身が、保健・社会介護省のサジド・ジャビド大臣(51歳)が陽性との結果を受けて、濃厚接触者として自主隔離に追い込まれている。
また、オーストラリアにおいては、全人口2,500万人のおよそ半数が都市封鎖措置の中での生活を余儀なくされている。
ナショナル・オーストラリア銀行(1858年設立)のタパス・ストリックランド経済アナリストは、“ワクチン接種が進んだ先進国での変異株ウィルスの蔓延が進行している”とし、“従って、景気回復が遅れるかも知れないが、変異株ウィルス感染を抑え込めるまで都市封鎖解除措置はもっと長くすべきだということを市場が示している”とコメントしている。
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