3月21日付イスラエル
『i24ニュース』(ロイター通信):「エジプトが補助金対象外のパン価格固定」:
エジプトは世界最大の小麦輸入国の一つで、主な取引先はロシアやウクライナとなっている。そのエジプトで今月21日、ロシアによるウクライナ侵攻の影響による安価な黒海地域の小麦供給不足への対策として、補助金対象外のパンの価格を固定することが発表された。
モスタファ・マドゥーリー首相は、小売りパンの価格を1ポンド(約453g)あたり約0.8ドルと定めるとした。...
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3月21日付イスラエル
『i24ニュース』(ロイター通信):「エジプトが補助金対象外のパン価格固定」:
エジプトは世界最大の小麦輸入国の一つで、主な取引先はロシアやウクライナとなっている。そのエジプトで今月21日、ロシアによるウクライナ侵攻の影響による安価な黒海地域の小麦供給不足への対策として、補助金対象外のパンの価格を固定することが発表された。
モスタファ・マドゥーリー首相は、小売りパンの価格を1ポンド(約453g)あたり約0.8ドルと定めるとした。パンの価格が固定されるのは3か月で、違反者には5400ドル~27.5万ドルの罰金が科せられる。
エジプト国内の食料価格はウクライナ侵攻以前から上昇していたが、主力となる黒海地域の小麦輸入が絶たれ、さらに高騰している。侵攻以降の3週間で、補助金対象外のパンの価格は、約25%上昇、カイロ商工会議所のハマド・アティアによると、小麦価格も15%上昇したという。
エジプトの人口の30%以上は民間セクターのパンを求めており、その他は、補助金対象パンを1斤あたり0.01ドル未満で購入している。エジプトは、ロシアやウクライナからの最大の小麦輸入国で、2021年の小麦粉輸入の約80%をこの地域が占めている。国際食糧政策研究所によると、輸入小麦価格の上昇は、通常の2倍となるとみられている。
同日付英国『ガーディアン』:「ウクライナ侵攻による小麦供給減で、エジプトがパン価格固定」:
エジプトは、ロシアによるウクライナ侵攻以来、小麦価格が急騰しており、補助金対象外のパンの価格を固定する。戦争により、黒海地域の安価な小麦供給ができなくなったことで主に影響を受けているのは、中東や北アフリカ地域となっている。
エジプトが最大の輸入国で、穀物の60%を海外からの輸入に頼っており、昨年はロシアとウクライナからの輸入が8割を占めている。小麦供給への懸念から価格は既に上昇しており、ベーカリーによっては、25%増のところもある。
エジプト、バングラデシュ、インドネシア等の国では、かつて、食糧価格急騰により政治不安に陥るケースがみられ、2007~2008年には、干ばつやエネルギー価格高騰により、世界40カ国以上で暴動が起きている。先週、国連食糧農業機関は、ウクライナ危機による主要穀物の供給が途絶えることで、極度の飢えの危険があると警告している。
ウクライナだけで、世界の小麦の12%を賄っており、また、ひまわり油の最大生産国である。戦闘が長引けば、農家が春の植え付けと夏の刈り取りが出来なくなると懸念されている。
小麦への懸念に加え、ひまわり油などの主な食糧の価格上昇への懸念も広がっている。窒素肥料に使われる尿素は、主成分となるエネルギー価格高騰で、昨年3倍以上に急騰した。
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