3月15日付米
『タイム』誌(
『ロイター通信』配信):「中国が領有権争いのある南シナ海で新たな施設建設に着手」
「●3月初めに撮影された衛星写真の解析の結果、中国が西沙諸島のツリー島及びその周辺で、新たな施設建設を開始したことが判明。
●西沙諸島はベトナムと台湾も領有権を主張しているが、南シナ海のほとんどを中国主権範囲だと主張する中国にとって、同諸島の実効支配は必要不可欠との判断から、中国はここ数年で、同諸島内のウッディ島に地対空ミサイル発射装置や戦闘機を配備済み。
●中国国防部は、同諸島内での新たな建設活動について“不承知”と明言。
●同部はまた、西沙諸島は1974年に、勝手に占拠していた南ベトナムを追い出して以降、中国の主権が及ぶ海域として管理していると主張。
●このニュースは、レックス・ティラーソン新国務長官が、初の東アジア訪問を行う直前に飛び込んできたものだが、同氏は今年1月、中国に南シナ海の人工島へのアクセスを認めないと強調していたこともあり、中国首脳との会談で火花を散らす可能性大。
●一方、中国外交部の王毅(ワン・イー)部長は先週、南シナ海に関する行動規範ドラフトができたとし、同海域での緊張は“目に見えて沈静化”したと発言。」
一方、同日付シンガポール
『トゥデイ・オンライン』ニュース:「台湾、米国のアジア太平
洋地域戦略が不透明な中、中国軍の脅威が増大していると公表」
「●台湾国防部は3月15日、翌日に台湾政府宛に提出する“4年に1度の国防計画レビュー2017年版”をリリース。
●それによると、台湾近海における中国軍の戦闘機や戦艦の出没が頻繁となってきており、台湾にとって脅威が深刻化と言及。
●また、米新政権のアジア太平洋地域の戦略が不透明である一方、日本が海外での武力警護に柔軟性を高めていること等から、南シナ海における“武力衝突の危機”が高まっているとも説明。
●一方、
『ロイター通信』によると、日本は5月に、第二次大戦以降最大級の戦艦を、南シナ海を経由して3ヵ月の航海に派遣する計画だとの報道。
●更に国防部文書は、台湾が潜水艦・戦闘機・戦艦を開発・建造し、また、中国からのサイバー攻撃に対抗する防御策を強化すべきだとも強調。」
また、3月14日付ロシア
『スプートニク・インターナショナル』オンラインニュース:「中
国、南シナ海に戦艦を派遣する日本に警告」
「●中国外交部の華春瑩(ホァ・チュンイン)報道官は3月14日、中国が日本政府に対して、日本が最大級の戦艦を南シナ海に派遣する目的について、3月15日までに回答するよう要求している旨発表。
●同報道官は、日本が“通常の”通航を行うならば文句をつける意向はないが、もし別の目的であるなら、断固として反対するとも付言。
●日本の自衛隊報道官は3月13日、海上自衛隊が今年5月、ヘリコプター搭載護衛艦“いずも”(注後記)をインド洋での日米印合同演習に参加させるために派遣すると発表。
●なお、日本の計画によると、“いずも”は8月に帰港する前に、スリランカ、フィリピン、シンガポール、インドネシアに寄港する予定。」
更に、3月15日付英
『Yahooニュース英国版』(
『ロイター通信』配信):「李首相、中国は
南シナ海を平穏に保つことを希望すると表明」
「●中国の李克強(リー・コーチアン)首相は3月15日、全国人民代表大会(国会に相当)閉幕後の記者会見で、南シナ海で領有権問題を抱えるASEANとの行動規範を可及的速やかに策定し、同海域の安定を図っていく意向だと発言。
●同首相は、2010年に交渉開始の行動規範について、“大いなる進捗”を遂げたと言及。
●なおまた、南シナ海問題は関係当事国内での対話で解決する意向であるので、域外国には何らの干渉も望まないとも改めて強調。」
(注)護衛艦“いずも”:自衛隊史上最大の艦艇で、基準排水量は1万9,500トン・全長248メーターで、第二次大戦中の日本海軍の正規空母と同等の大きさ。
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トランプ政権のジェームズ・マティス新国防長官は、安倍晋三首相との会談において、中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名釣魚島)について、日本の領土であることを確認し、日米安保条約に基づいて防衛協力することを再確認する旨発言した。これに対してすぐさま中国政府は、釣魚島は古来、中国固有の領土であり、米国は歴史的事実に反するような発言は慎むべきだと猛反発している。
2月4日付米
『ワシントン・ポスト』紙(
『AP通信』配信):「中国、マティス氏の東シナ海上の諸島に関わる発言を非難」
「●中国外交部の陸慷(リゥ・カン)報道官は2月4日、ドナルド・トランプ政権のジェームズ・マティス国防長官が、中国が領有権を主張する尖閣諸島(中国名釣魚島)について、日米安保条約に基づき米国が防衛協力するとの発言に対して、米国がまたしても東アジア地域の安定を危うくしようとしているとして強硬に非難。
●同報道官は、1960年締結の日米安保条約は、当時の冷戦に伴い制定されたもので、中国の領有権に何ら影響を及ぼすものでなく、従って、米国はこれ以上問題を複雑化するような行動を取るべきではないと強調。
●これに先立つ2月3日、同報道官は、同長官が訪韓時に、終末高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)を予定どおり年内に配備するとする発言に対しても、朝鮮半島の緊張を悪戯に高めるものとして非難。
●なお、トランプ政権は、東シナ海のみならず、南シナ海においても、中国が一方的に領有権を主張しているとして、中国の行動に深刻な懸念を表明。」
同日付英
『Yahooニュース英国版』(
『AFP通信』配信):「中国、マティス氏の尖閣諸島に日米安保条約が適用されるとの発言に反発」
「●マティス国防長官は2月4日、日韓訪問の最終日の記者会見で、尖閣諸島は日本の領土であり、日米安保条約第5条(米国が、日本及びその領有地への如何なる侵略に対しても防衛協力するとの約束)が適用されると発言。
●なお同長官は、訪問先の韓国でも、北朝鮮の如何なる挑発行動に対しても、同盟国として引き続き米国が防衛協力する旨発言。」
2月5日付ロシア
『RT(ロシア・トゥデイ)テレビニュース』:「中国、米国が東シナ海を“不安定”にさせようとしていると非難」
「●中国政府は、釣魚島が14世紀から中国の領土であり、その後1895年に日本によって奪われたが、第二次大戦終了によってその領有権は放棄されたので、本来の中国領土に戻ったものであると主張。
●そして、米国は悪戯に東シナ海での緊張を高めるような発言・行動は厳に慎むべきであると強く非難。
●なお、トランプ大統領は、“一つの中国”原則から為替問題まで、あくまで中国と敵対しようとしているとも非難。」
2月4日付中国
『新華社通信』:「トランプ氏が日本の為替操作を非難したものの、米国防長官は日本との同盟強化を約束」
「●日本のいくつかのメディアは、当初トランプ大統領が発言していた、日本の為替操作問題と米軍駐留費用の負担増について、マティス長官の日米同盟強化の発言によって、これらの問題が軽減されると期待する旨報道。
●マティス長官の釣魚島に関わる発言について、中国外交部は2月4日、同島は古来、中国の領土であり、改竄の許されない歴史的事実であること、従って、米国は問題を複雑化するような無責任な発言・行動は厳に慎むべきだと強調。」
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