イギリス南東部でトレーラーから39人の遺体が見つかった事件で、犠牲者の多くはベトナム人である可能性が高いことが分かったという。 犠牲者の多くは貧困地域出身とみられ、人身売買に関する報告書によると、ハノイの南方にあるゲアン省などのからヨーロッパに渡る人身売買件数が多いという。
10月27日付米国
『USA Today』は「トレーラーで39遺体発見、ベトナム人行方不明者らの家族がDNAサンプル提供」との見出しで以下のように報道している。
中央ベトナム警察は日曜、先週イギリス南東部の工業団地内でトレーラー後部から発見された39遺体の家族とみられる人々からDNAサンプルを採取した。VNExpress (オンラインベトナムニュース) によると、ゲアン省警察は、親族の髪の毛や爪などを採取。...
全部読む
10月27日付米国
『USA Today』は「トレーラーで39遺体発見、ベトナム人行方不明者らの家族がDNAサンプル提供」との見出しで以下のように報道している。
中央ベトナム警察は日曜、先週イギリス南東部の工業団地内でトレーラー後部から発見された39遺体の家族とみられる人々からDNAサンプルを採取した。VNExpress (オンラインベトナムニュース) によると、ゲアン省警察は、親族の髪の毛や爪などを採取。ベトナム当局は最大24人の行方不明者の報告を受けているという。
同省イェンターン地区では、13人の行方不明者、同地区のタン村では、行方不明者の一人ボゴックナムさんの母と兄弟が知らせを待っている。ドタン村でも行方不明者の報告が3名いる。
イギリス警察は、見つかった遺体の身元は不明で、遺体に関する情報が殆どないとする。一方で、事情聴取をしていた3人を保釈。38歳の男女、イギリス北部ワリントンの、46歳の北アイルランドの男が殺人や遺体の輸送容疑で聴取されていた。当局は犠牲者の身元判明に繋がる携帯電話など、500以上の証拠を調べている。
同日付ベトナム『Tuoi Tre News』は「ベトナム警察がトレーラーの犠牲者の家族徒みられる人からDNAサンプル採取」との見出しで以下のように報道している。
ロンドンから東へ32キロのグレイズのトレーラーから遺体が発見された。北ベトナムの貧しい農作地域では、より良い生活を求めてヨーロッパへ渡り、イギリスへ向かうトレーラーに乗っていたとみられる親族を失った悲しみに暮れている。ベトナムで広く使用されているFacebookでは[#RIP39]が急上昇ワードとなっている。
最初フランスに行き着き、その後イギリスに向かったとみられる20歳の息子Nguyen Dinh Luongが含まれていた可能性のあるNguyen Dinh Giaさんは、「公安省の警察が我々の血液や髪からDNAサンプルを採取にきた。
家族は何も持たず、子ども達は苦しい生活だったが、まともに成長してくれ、息子には行くなとアドバイスしていたという。
ベトナム政府はコメントを出していない。首相は事件の捜査を要請している。事件発覚当初、イギリス警察は犠牲者は中国人だとしたが、その後ベトナムコミュニティの支援を仰いだ。各国大使館によると、中国とベトナム当局はイギリス警察と緊密に連携しているという。
殆どの犠牲者が公的な身分証明者を持っていないため、友人や親族からの写真に加え指紋、歯型、DNAにより身元判明を検討している。週末には、犠牲者の出身地とみられるキリスト教徒が大半を占める北ベトナムの教会でキャンドルを灯すミサが行われた。
イギリス政府の昨年度の報告によると、2009年~2016年イギリス国内で起きたベトナム人の人身密売件数の70%が、大麻製造やネイルサロンでの労働、労働搾取であった。
多くの犠牲者は、最貧地区のゲアン省やハティン省出身者とみられる。パシフィックリンクス財団(米系反人身売買団体)の3月の報告書によると、ゲアン省はヨーロッパに渡る人身売買の犠牲者が多く出ているという。
ハティン省は、ベトナムの最悪の環境事件となった、2016年台湾のフォルモサ・プラスチックスの製鉄所の廃液による海洋汚染により、魚や観光業へ大打撃があった地域。
閉じる
国連薬物犯罪事務所(UNODC)が25日に公表した報告書によると、殺人事件の犠牲者となった女性の半数以上がパートナーや家族に殺害されており、見方によっては、女性にとって最も危険な場所は自分の家という実態が明らかになった。
『CNN』『AFP通信』『USA Today』などが報じたUNODCの報告書は、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」の11月25日に公開されたが、親しい関係にあるカップル内の暴力であるジェンダー・バイオレンスや、男性がジェンダーに基づいて犯すヘイトクライムであるフェミサイドに関連した殺人事件の統計をまとめている。
これによると、昨年、世界で故意による殺人の犠牲者となった女性の数は8万7,000人と推定され、その内の58%に相当する約5万人は、パートナーや家族によって殺害された。...
全部読む
『CNN』『AFP通信』『USA Today』などが報じたUNODCの報告書は、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」の11月25日に公開されたが、親しい関係にあるカップル内の暴力であるジェンダー・バイオレンスや、男性がジェンダーに基づいて犯すヘイトクライムであるフェミサイドに関連した殺人事件の統計をまとめている。
これによると、昨年、世界で故意による殺人の犠牲者となった女性の数は8万7,000人と推定され、その内の58%に相当する約5万人は、パートナーや家族によって殺害された。現在または以前のパートナーに殺された女性は、犠牲者全体の34%に当たる約3万人で、家族に殺害される女性は毎日137人に上るという。
殺人の被害者の約80%は男性で、見知らぬ他人が加害者であるものが大半を占めるが、女性はパートナーや家族などの顔見知りの手によって殺される場合が多く、殺人事件の場所という点では、自宅が最も危険ということになった。
地域別に昨年の状況を見ると、パートナーや家族によって殺害された女性の人数が最も多かったのはアジアの2万人で、次いでアフリカの1万9,000人、南北アメリカの8,000人、欧州の3,000人、オセアニアの300人となっている。
しかし、女性が殺害される確率は、アフリカや南北アメリカの方が高い。女性人口10万人当たりの殺人事件の犠牲者数は、世界全体で1.3人だが、アフリカ3.1人、南北アメリカ1.6人、オセアニア1.3人、アジア0.9人で、欧州が最も低く0.7人だった。
女性に対する暴力やジェンダーに基づく殺人事件に対処するため、世界各国は刑事司法制度の改善などの様々な措置を講じてきたが、殺人事件の被害者となる女性の数は2012年と比較して増加している。当時パートナーや家族に殺害された女性は4万8,000人で、犠牲者全体の47%を占めていた。報告書は、各国の警察、刑事司法制度、保健・社会サービスなどの連携や、問題防止への男性の関与といった一連の対策を新たに求めている。
閉じる