日中韓三ヶ国外相会議開催(2016/08/26)
8月24日日中韓三ヶ国外相会議が2015年3月以来約1年半ぶりに開催された。8月に中国の公船が尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返したことから予定通り開催されるか心配されたが、何とか開催に漕ぎ着けた。中国の王毅外相は2013年の就任以来初来日である。24日午前北朝鮮が潜水艦ミサイルの発射実験を行ったため、3各国は対北朝鮮問題で連携強化することで一致した。また今年日本で開催予定の三ヶ国首脳会議の開催へ協力することを確認した。海外メディアの報道ぶりを紹介する。
8月24日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「日中韓、北朝鮮ミサイル非難で一致」という見出しで、中日韓の外相が水曜日北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を激しく抗議することで、三国間では珍しい合意形成が出来たと報じた。三ヶ国は領土問題や戦争中の歴史問題を含め多くの争いを抱えており、三ヶ国外相会議は日中間の領土問題による2年間の中断後昨年再開されたばかりである。日中間は東シナ海の島と海底ガス開発で引き続き緊張関係にあり、また韓国が米国のミサイル防衛システム配備を承認したため、中国側が安全保障への脅威であると反対しており、中韓間にも綻びが生じている。...
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8月24日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「日中韓、北朝鮮ミサイル非難で一致」という見出しで、中日韓の外相が水曜日北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を激しく抗議することで、三国間では珍しい合意形成が出来たと報じた。三ヶ国は領土問題や戦争中の歴史問題を含め多くの争いを抱えており、三ヶ国外相会議は日中間の領土問題による2年間の中断後昨年再開されたばかりである。日中間は東シナ海の島と海底ガス開発で引き続き緊張関係にあり、また韓国が米国のミサイル防衛システム配備を承認したため、中国側が安全保障への脅威であると反対しており、中韓間にも綻びが生じている。今回の会議では、明らかに災害予防、環境など対立が少ない問題に焦点があてられた模様であると報じている。
8月24日付
『ブルームバーグポリティクス』は、「来月G20時の習安倍首脳会議へのドアは半開きと中国語る」という見出しで、中国の王毅外相は水曜日日本が要請している日中首脳会議は検討中であり、両国が開催に向け雰囲気作りをしなければならないと日中韓三ヶ国外相会議の後開催された日中外相会議後に記者団に語ったと報じた。王毅外相は、現在日中間には困難な課題とチャンスが並存しており、あたかも潮流に逆らう船のようで前進も後退もあり得るとも語ったと報じている。
8月25日付中国の
『チャイナデイリー』は、「王毅外相:中国は日本がG20首脳会議で建設的な役割を担うことを歓迎する」という見出しで、王毅外相が、三ヶ国外相会議後安倍首相と会談した際に語ったと報じた。王毅外相はまた、三ヶ国がそれぞれ二国間で障害に直面している時期に三ヶ国協調を基調とすることに合意出来たこと、協力は政治、経済、貿易、文化の四分野で行われるべきだとの提案を行ったことを語った。王毅外相は滞日中に二階自民党幹事長、河野元衆院議長、福田元首相とも会談し、二階幹事長に対しては、日中関係は前進も後退もあり得ると語ったと報じている。
8月25日付韓国の英文版
『朝鮮日報』は、「韓中日三ヶ国首脳会議東京で開催へ」という見出しで、韓中日三ヶ国は首脳会議を今年中に東京で開催することに合意したと報じた。朴大統領、習主席にとって共に就任以来初めての訪日になる。三ヶ国はまた北朝鮮の潜水艦ミサイル実験を非難したこと、韓中間でミサイル防衛システム配備についての応酬があったことも報じている。
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フィリピン大統領の国連脱退発言(2016/08/23)
6月末にフィリピンの大統領に就任したドゥテルテ氏は、就任後6ヶ月以内に麻薬犯罪者を一掃すると公約し、強権を発動して取り締まりを進めている。ドゥテルテ大統領就任後2ヶ月弱の間に712名の麻薬犯罪容疑者が警察により殺害さており、また警察以外の「自警団」による殺害が千名に上ると言われている。これに対して国連の人権高等弁務官事務所が批判する報告を発表したため、8月21日ドゥテルテ大統領は内政干渉と反発し、国連脱退も辞さないと発言した。この発言は国連への怒りが思わず口を付いて出た不用意な発言のようであるが、一国の大統領の発言としては如何なものかと思われる。ドゥテルテ大統領は「東洋のドナルド・トランプ」とも言われており、短絡的な発言が多いことを含め性格や考え方が似ているようであるが、この大統領の行動を見ていると、トランプ候補が米国の大統領になったときにどうなるかの良い参考になるようである。
8月22日付
『USニューズ&ワールドレポート』は、「ドゥテルテ大統領の麻薬取締で1,800人の死者」という見出しで、フィリピン国家警察長官は月曜日7週間前に新大統領就任以来、警察及び“自警団”が容疑者を約1,800人殺害したと発表したと報じた。長官はこのうち712人は警察によるものであるが、1,067人は麻薬組織内の「自警団」によるものとしてこれを非難した。一方大統領はダバオ市長時代から「自警団」による殺害を容認する発言を繰り返しており、国連のこれら超法規的殺害を非難する報告に対して、国連脱退を警告したと報じた。...
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8月22日付
『USニューズ&ワールドレポート』は、「ドゥテルテ大統領の麻薬取締で1,800人の死者」という見出しで、フィリピン国家警察長官は月曜日7週間前に新大統領就任以来、警察及び“自警団”が容疑者を約1,800人殺害したと発表したと報じた。長官はこのうち712人は警察によるものであるが、1,067人は麻薬組織内の「自警団」によるものとしてこれを非難した。一方大統領はダバオ市長時代から「自警団」による殺害を容認する発言を繰り返しており、国連のこれら超法規的殺害を非難する報告に対して、国連脱退を警告したと報じた。
8月22日付フィリピンの
『マニラブレティン』は、「ドゥテルテ大統領、国連脱退を警告;外交専門家は反対」という見出しで、ドゥテルテ大統領は、多数の容疑者を殺害したとして同国の麻薬取締に対する批判を国連が続けるなら、脱退も辞さないと発言したが、外交専門家はこの大統領発言は間違いなくフィリピンの利益にならず、益々フィリピンを国際社会から孤立させると発言したと報じた。大統領は国連の報告が一国の大統領に全く敬意を払っておらず、報告発表前に大統領と会ってもいないことに反発している。また、国連の報告は容疑者殺害を一方的に非難しているが、それ以上の罪のないフィリピン国民が麻薬の犠牲になって殺されている事実に触れておらず、国民を守ることが大統領の役目であると主張する。大統領は、中国やアフリカ諸国と一緒に新しい国際機関を作ってもいいとも発言した。
これに対してフィリピンの大学の政治学の教授は、大統領の発言は深く考えずに突然出てきたものであり、ドゥテルテ政権に対する海外の批判を増幅するだけである。但し、大統領が西側諸国と仲良くするだけでなく、干渉を排して独立国として独自の外交を考えていることも評価してやる必要があると言う。フィリピンの元国連大使を勤めた外交官は、今回の発言をまともに考える必要はない。大統領が国連の報告に一一反応する必要はないと言う。
フィリピンの国会議員は、今回の発言は大統領の性格から出た不用意なもので真剣に捉えるべきではない。大統領は国連や外交関係の発言はもう少し慎重にやるべきだと言うと報じている。
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