【Globali】
リオオリンピック、半分終わったところで(2016/08/16)
リオデジャネイロ・オリンピックは半分ほどが終わったところであるが、日本人選手の活躍で日本は盛り上がっているようである。開催前には現職大統領の職務停止、大会施設の建設遅延、テロや犯罪のセキュリティ問題等が懸念され、開催に漕ぎ着けるのかどうかさえ心配されたが、テレビで見る限りでは競技は大きな混乱もなく行われているようである。しかしテレビで見えないところではどうなっているのか、米メディアの報道を紹介する。
8月13日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「リオ、第1週を通じ山積する問題と格闘中」という見出しで、リオオリンピックが半分を終了し引き続き多くの問題を抱えており、これまで開催された地域外で開催することの課題を浮き彫りにし、近い将来未開催地域で再び開催するのは遠のいたようだと報じた。これまで選手や競技は難局を上手く乗り切り、ブラジル人は歓迎と友好を示し、テレビは世界へ向けてリオやその周辺の美しい景色を最高のレベルで放映している。...
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8月13日付
『USニューズ&ワールドレポート』(AP通信引用)は、「リオ、第1週を通じ山積する問題と格闘中」という見出しで、リオオリンピックが半分を終了し引き続き多くの問題を抱えており、これまで開催された地域外で開催することの課題を浮き彫りにし、近い将来未開催地域で再び開催するのは遠のいたようだと報じた。これまで選手や競技は難局を上手く乗り切り、ブラジル人は歓迎と友好を示し、テレビは世界へ向けてリオやその周辺の美しい景色を最高のレベルで放映している。しかし、概してオリンピック関係者の言によると、南米最初のリオオリンピックは組織上の問題が多すぎて、楽しさより失望のほうが勝っているという。
7年前にリオ開催を決めたときは、ブラジル経済は好調で政治的にも世界の中で輝いており南米開催の時が来たことを確信させたが、現在のブラジルは、景気は低迷、大統領は弾劾に直面し、多くの政財界人が汚職疑惑で身動きできない状況にあるため、予算削減と資金不足で大会の規模縮小を余儀なくされた。ブラジル人は親切でありそれは良い点であるが、悪い点は7年もあったのに用意が出来ていなかった点であり、過去最悪だった土壇場で準備が終わったアテネと、組織委員会が無能であったアトランタの二つを合わせたようだとオリンピックの歴史に詳しい人はいう。これに対しブラジル人は「我々はオリンピックの組織に問題があることはわかっていた。大会は始まったので後は最善を尽くすしかない。われわれはわれわれの組織運営能力を過信したことはない。」という。
これまでに上がった問題を列挙すると、目立つ空席、プールの水に異常発生、爆発物発見、会場に流れ弾が飛来、選手役員が強盗、窃盗に会ったこと、メディアのバスへの投石、会場内の売店が少ないこと、等々である。今後開催の三大会、2018年冬季の平昌、2020年夏季の東京、2022年冬季の北京は何れも状況は安定しているようだ。アフリカが最後の未開催地域で、2028年か2032年に南アフリカの可能性がある。国際オリンピック委員会(IOC)のスポークスマンは取材に対し、「我々はリオオリンピックを振り返って、オリンピック運動のために良かったと評価するだろう。オリンピックを世界に広めることが最終目的であり、オリンピックを欧米の小さなクラブにしないことが重要である」と語ったと報じている。
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エジプト、IMFに120億ドルの支援要請(2016/08/04)
7月30日エジプトの支援要請を受け国際通貨基金(IMF)の代表団が首都カイロに到着した。2011年アラブの春によるムバラク政権の崩壊後の混乱で外国投資と観光は激減し、同国の外貨準備は大幅に減少している。外貨準備の減少は企業活動に悪影響を与えており、輸入原材料の確保に苦労する状況にある。このため現在のシシ政権はIMFへの緊急支援を要請することとなった。IMFは支援の条件として国内の財政改革を要求して来るとみられ、それが実行出来るかが焦点となる。エジプトはかつてナセル、サダト大統領の下アラブの盟主としてリーダーシップを発揮した時期もあった。今や政治面ではめっきり影が薄くなっているようだが、経済面の低迷も深刻なようである。
7月30日付
『USニューズアンドワールドレポート』(AP通信引用)は、「IMF代表団、支援協議のためエジプトに到着」という見出しで、IMF代表団がエジプトの支援要請を受けて、同国の財務省、中央銀行との協議のためカイロ空港に到着したと報じた。IMFは詳細についてコメントしていないが、エジプト政府はIMFから120億ドルの借款を受けることを認めた。ムバラク政権崩壊前の2011年には360億ドルあった外貨準備は6月末で175億ドルまで減少している。...
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7月30日付
『USニューズアンドワールドレポート』(AP通信引用)は、「IMF代表団、支援協議のためエジプトに到着」という見出しで、IMF代表団がエジプトの支援要請を受けて、同国の財務省、中央銀行との協議のためカイロ空港に到着したと報じた。IMFは詳細についてコメントしていないが、エジプト政府はIMFから120億ドルの借款を受けることを認めた。ムバラク政権崩壊前の2011年には360億ドルあった外貨準備は6月末で175億ドルまで減少している。現地通貨エジプトポンドの公式為替レートは1ドル8.78エジプトポンドであるが、闇レートでは、12~13ポンドに切り下がっている。エジプトでは民衆の不満を抑えるため、主要食糧品のパンなどに補助金を出しているほか、消費税の引き上げも延ばして来ている。シシ政権はIMFの支援を得るためにはこれらの財政改革に手を付けなければならないと報じている。
8月2日付
『ニューヨークタイムズ』は、「暗いエジプトに国際的影響力の衰えをみる」という見出しで、エジプトのシシ大統領が5月にテレビを通じての演説で、「衰退の悪循環に歯止めをかけ、国としての尊厳を持ち、世界からも尊敬される国となるためには、法と秩序、強固な制度が必要だ」と国民に呼びかけたが、これはエジプト国民の大多数も同じ思いだと報じている。ムバラク政権崩壊後の5年間の混乱の後、エジプトには暗い雰囲気が漂っている。伝統的に政治、文化の面でアラブ世界のリーダーであり、人口でも約四分の一を占めるエジプトは内向き志向で政治的にも脇役となっている。
ナセル、サダト時代はアラブ世界のリーダーシップを発揮したが、今は国内問題に圧倒されている。イラク、シリア、イエメン、イスラミックステートへの対応でも建設的な役割を果たしていない。その間隙を埋めているのはイランとサウジアラビアである。エジプトの元外相の一人は、エジプトの将来はサウジとの緊密な関係にある。中東でトルコ、イラン、イスラエルなどの非アラブ諸国が主導権を握るのをけん制するためには両国の緊密な関係が重要であると言う。
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