欧州委員会のステラ・キリアキデス保健衛生担当委員とフランスのオリビエ・ヴェラン保健相は、27カ国が合わせて1万床以上の病院ベッドをウクライナ人のために確保したと発表した。
仏
『BFMTV』によると、EU諸国の保健相は2日にオンライン会議に参加し、「ウクライナからポーランドを通過する傷病者をそれぞれの国で受け入れるために欧州の連携を強化する」必要性について議論した。ウクライナにいる患者にとって現在進行中の戦争がもたらす危険性に加え、ウクライナのヴィクトル・リアシュコ保健相はこの会議で「30の医療施設が爆撃され、7つの病院が地図から消えた」と報告した。医師も何人か亡くなっているという。
フランスもウクライナの患者を受け入れる。ヴェラン保健相は「ポーランドから、特に小児がんの子どもたちを受け取り、移送できるように動いている。1日から2日以内に、ポーランドから最初の子供たちがフランスに到着するはずだ」と述べた。
この受け入れのためにどれだけの場所が解放されるかと問われ、フランスとヨーロッパは「ウクライナからの病人や負傷者が行き場がないことがないようにする。必要なだけ受け入れ、必要なだけ場所を解放する」と答えた。
仏『フランスアンフォ』によると、キリアキデス保健衛生委員は記者会見で、「加盟国の病院に1万床以上のベッドを確保し、治療を待つ患者を移送するようにしている。小児科患者、未熟児の新生児とその母親、がん患者、火傷患者、集中治療室患者のためのベッドが含まれる」と述べた。戦争から逃れたウクライナ人の欧州の病院への移送を管理するため、EUとウクライナの国境に患者の健康状態をチェックする診療所が設置される。
キリアキデス保健衛生委員によると、すでに「今週、ポーランドからイタリアに最初の小児科患者が移送された」。今後さらに移送が増えると予想されている。危機が始まって以来、イタリアでは、ロンバルディア州で少なくとも24人、ピエモンテ州で13人など、数十人の病気のウクライナの子どもたちを受け入れたと地元当局が発表している。
自国の病院へのウクライナ人の受け入れは、欧州圏以外にも広がっている。カナダのフランス語メディア『TVAヌヴェル』によると、トロントのシックキッズ病院は、16日までにウクライナから5人弱のがん患者の子どもたちを受け入れる。
シックキッズ病院は声明で「シックキッズはウクライナの小児科病院と長年にわたり協力関係にあり、ウクライナの子どもたちの緊急な医療ニーズに応えることができる」と述べており、同小児病院は、カナダの子どもたちのニーズに応えることを優先しつつも、「海外の弱い立場の子どもたちにも、その能力があればケアを提供する道義的責任がある」と伝えた。同病院は、「子供たちとその家族のプライバシーを尊重するため、現時点では正確な患者数やその他の詳細を知らせすることはできない」と述べている。
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