日産、運転手も涼しくなる冷却ペイントを開発中(2024/08/07)
気候変動対策に取り組む日産自動車は、帽子等で既に使われているクール素材を自動車の塗装に使って車の温度を下げエコに繋げようとしている。
8月6日付
『Yahooファイナンス』(AP通信):「日産、ドライバーも涼しくなる冷却ペイントを開発中」:
日産自動車は、遮るものがなく空間を確保できる羽田空港での車両塗装実験を重ねた。特殊ペイントが加工された車両は通常の車に見えるが、触れるとかなり冷たく感じるという。
冷却ペイントは車体のルーフの温度を摂氏12度下げる効果があり、車内の温度も5度下がるという。冷却素材は建物などに既に使用されているもの。...
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8月6日付
『Yahooファイナンス』(AP通信):「日産、ドライバーも涼しくなる冷却ペイントを開発中」:
日産自動車は、遮るものがなく空間を確保できる羽田空港での車両塗装実験を重ねた。特殊ペイントが加工された車両は通常の車に見えるが、触れるとかなり冷たく感じるという。
冷却ペイントは車体のルーフの温度を摂氏12度下げる効果があり、車内の温度も5度下がるという。冷却素材は建物などに既に使用されているもの。冷却された車では、冷房の使用を減らすことができ、エンジンや電気自動車のバッテリーなどの料金も抑えることができる。
トヨタ自動車も室内の温度を下げる塗装の実験を行っているが、主に太陽光線を屈折させる色に注力している。日産の冷却ペイントは、太陽光をより反射し、光線を遮断する電磁波を発生させる。これには中国の熱遮断フィルム・繊維・塗装製造「ラディクール」の素材が使用されている。同社は様々な日系企業と提携しており、冷感素材の帽子や日傘を開発している。ラディクール社と提携している日系自動車会社は日産のみとなっている。
同日付米『QUARTZ』:「日産が自動車の冷却を保つ新しい塗装を使用」:
地球はますます温暖化しており、車というその暑さを吸収する金属の箱にすわるのが大好きな我々人間にはとても過酷なことである。
社内が熱くなれば、エアコンをつけ続けることになる。だが、日産が温度を下げるハイテクな塗装という涼しさを保つ新たな方策を打ち出した。
ラディクールという冷却素材企業と提携したこの塗装ペイントは、自然に存在しない合成素材で出来ている。これらの素材は赤外線の吸収を抑え反射し、太陽光が車体に届く前に放射させるような機能をもつ。日産は、車体の外部の温度を華氏22度(摂氏12度)、車内を華氏9度(摂氏5度)下げることができると主張する。
現在はこの塗装のコストが主にネックとなっているようだ。日産によると、現在の試作品では標準の車より多い6回の塗装を施しているという。同様の効果のある更に薄いコーティングを考案中だという。実際のコスト面では、明確にされていないが、この塗装は、普通車というより、トラックや救急車などでの利用向けとなっている。
温暖化する世界で、エネルギーを無駄にするエアコンに頼らず、車内の冷温を保つことは、ドライバーーにとって大きなメリットとなる。わずかでも幸運があれば専門の運搬業者に限らず使用できるだろう。更に幸運ならば、白以外の色も入手できるかもしれない。
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人間の脳保存と記憶再生技術(2018/04/05)
人間の脳を冷凍保存し、その脳のデータを取り出して記憶を再生する夢の技術は、参加者である人の死が前提となる事業であったため、今回は専門家の協力を得られなかったという。だが数十年先には、科学技術の進歩により、脳の保存と記憶の再生が可能となるかもしれない。
4月4日付英国
『BBC』は「脳のバックアップ会社“Nectome” がMITとの関係を絶たれる」との見出しで以下のように報道している。
先月、人間の脳の記憶をコンピュータに保存する事業計画を発表していた会社がマサチューセッツ工科大学(MIT)との関係を絶たれた事が分かった。同社はその過程で被験者は100%死亡する前提だとしていたため、多くの脳科学者から批判を受けていた。MITの教授はNectome社への連邦助成金を利用し、マウスの脳を使い共同研究をする予定だったという。...
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4月4日付英国
『BBC』は「脳のバックアップ会社“Nectome” がMITとの関係を絶たれる」との見出しで以下のように報道している。
先月、人間の脳の記憶をコンピュータに保存する事業計画を発表していた会社がマサチューセッツ工科大学(MIT)との関係を絶たれた事が分かった。同社はその過程で被験者は100%死亡する前提だとしていたため、多くの脳科学者から批判を受けていた。MITの教授はNectome社への連邦助成金を利用し、マウスの脳を使い共同研究をする予定だったという。Nectome 社は「MITの支援に感謝しその決断を尊重します」とコメントしている。
元々はMITの学内誌で、このNectomeの研究とMITの関係が注目されのだが、その後専門家からは成功の見込みがなく、更には保存過程で死が確実な為、自殺目的で脳の寄付をするケースも想定されるとして批判が殺到。同社は近い時期に医師のもとに安楽死を予定している人の脳で実証を行うとしていたという。コネクトーム(神経経路)の研究が進めば、いずれ、人の記憶を再生できるようになるとしていた。だが今回、「臨床での脳の保存は人類の可能性にとり非常に利益があると考えられるが、現段階で医療や脳科学の専門家の指導なくして研究を進めては十分な責任を果たしているとは言えない。」としている。
このように懐疑論がありながらも、同社は米国国立精神衛生研究所から96万ドルの補助を受け、シリコンバレーの「Y Combinator」社(Dropbox、Airbnb、Redditにも出資)からの出資も受けている。
同日付米国『QUARTZ』は「MITが脳を冷凍しアップロードする会社を敬遠」との見出しで以下のように報道している。
MITが小規模バイオテクノロジー企業「Nectome」社と決裂。同社は死んだ人の脳を冷凍保存しその記憶を永久保存する事業を計画していた。
先月中旬、「MITテクノロジーレビュー」誌により、MITの協力で、同社のデータ保存システムに脳の記憶を保存し、記憶を永遠なものにする計画が明るみに出た。だが、今月2日、MITが今後研究で協力しない旨の声明を発表。「Nectome」社は、「人が死を迎える前に脳を保存出来る状態がベストだ。そこで参加者は安楽死を自らの意思で選択する必要がある。参加者には、末期病患者や同社に出資している「Y Combinator」のクリエータなど、富裕層で健康体な人もいる。」としていた。
しかしながら、このようなテクノロジーへの需要があるのは否定できない。1967年癌で死亡したカリフォルニアバークレー大学心理学教授James Hiram Bedfordはこのような実験に参加した最初の一人だった。彼の献体は未来の技術で凍結され再生されることを願いアリゾナのアルコル・ライフ・エクステンション財団で保管されている。また、デトロイトの人体冷凍保存研究所等も過去数十年、同様のミッションを果たしてきた。しかし未だに再生された献体はないという。MITは、科学の進歩により「Nectome」社の脳保存実現が待たれるが、数十年先になるだろうとしている。
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