北朝鮮/金委員長の野望;それは中国推進の“一帯一路経済圏構想”に参画して海外投資を呼び込むこと【米メディア】(2019/01/12)
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長は今週、4度目の訪中をして、習近平(シー・チンピン)国家主席と、来るべき2度目の米朝首脳会談に臨む上での作戦会議を開いた。ただ、公式な話題とされていないものの、金委員長にとって重要な議題として提案された案件として、北朝鮮の経済開発を後押しするため、是が非でも中国が推す“一帯一路経済圏構想(OBOR)”への参画を認めてもらい、中国他海外からの投資を北朝鮮に呼び込むことがあると報じられている。
1月11日付
『CNBCニュース』:「北朝鮮の金委員長の最大の目標は、OBORに基づく中国からのインフラ投資」
北朝鮮の金正恩委員長の3日間の訪中の際、習近平国家主席との間で、経済協力、核問題、及び来る2度目の米朝首脳会談に関わる協議がなされたとみられる。
しかし、公式には議題とされていないが、金委員長が最大の関心事として話題に上げたと考えられるのが、習国家主席が主導するOBORについて、北朝鮮も加えて欲しいという提案である。...
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1月11日付
『CNBCニュース』:「北朝鮮の金委員長の最大の目標は、OBORに基づく中国からのインフラ投資」
北朝鮮の金正恩委員長の3日間の訪中の際、習近平国家主席との間で、経済協力、核問題、及び来る2度目の米朝首脳会談に関わる協議がなされたとみられる。
しかし、公式には議題とされていないが、金委員長が最大の関心事として話題に上げたと考えられるのが、習国家主席が主導するOBORについて、北朝鮮も加えて欲しいという提案である。
すなわち、核技術開発は成し遂げたとする金委員長にとって、もう一つの重要課題である経済開発を遂げるためには、是非ともOBORに基づく、中国からのインフラ投資が必要だからである。
特に、国連からの経済制裁のため、北朝鮮は心の底から海外からの投資に飢えていると考えられる。
北朝鮮海外交易部(省に相当)の情報として先月報じた、韓国『NKニュース』記事によると、北朝鮮は770万ドル(約8億3,500万円)以上のインフラ支援を望んでいるという。
政治コンサルタントのコントロール・リスク社アジア太平洋部門デイン・チャモロス代表社員は1月11日、『CNBCニュース』のインタビューに答えて、北朝鮮は2017年に開催された中国主催のOBOR関係国総会に招待されたこともあり、同構想への参画によって、鉄道・港湾他インフラ建設促進を強く望んでいるはずであるとコメントした。
しかし、米国務省元職員の日系外交官ミンタロー・オーバ氏(オバマ大統領時代の朝鮮半島問題専門家)は、中国としては、北朝鮮のインフラ開発によるメリットより、それによってもたらされる問題の方が大きいと考えていると思われるため、この話をすぐさま進めることにはなるまいと述べた。
特に、トランプ政権は中国のOBORに難色を示していて、アジアにおける中国の影響力増大阻止のため、様々な圧力・政策をぶち上げてきているので、ここで中国が北朝鮮に資金を投入することによって、またしても米国の逆鱗に触れると恐れているとみられるからである。
ただ、チャモロス氏は、北朝鮮が中国の提案に従って、朝鮮半島の非核化に邁進すれば、中国としてもインフラ開発の手を差し伸べてくることは十分考えられるとする。
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北朝鮮;金正恩委員長の偶像化の一環で大肖像画を平壌空港に掲示【米メディア】(2018/11/07)
北朝鮮は、トランプ大統領との歴史的首脳会談を契機に、国際社会でのプレゼンスを高めるべく、米国の他、中国やロシアとの連携強化など様々な行動に出ている。そしてこの程、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の願いが忖度されたのか、祖父であり北朝鮮建国の父である金日成(キム・イルソン)国家主席、父である金正日(キム・ジョンイル)総書記と同様、実物より遥かに大きい肖像画を平壌(ピョンヤン)国際空港に掲示して、同委員長の偶像化を進めていることが判明した。
11月6日付
『ニューヨーク・ポスト』紙:「金正恩氏の大肖像画が正式にお目見え」
北朝鮮の小柄な独裁者、金正恩労働党委員長の肖像画が初めて公に掲示された。ただ、実物より遥かに大きい7フィート(約2.1メーター)の身長の像となっている。
地元のテレビ局が、今週初めにキューバのミゲル・ディアス=カネル国家評議会議長が訪朝した際、平壌空港に掲示されていた映像を流したもの。
英『NKニュース(北朝鮮関連専門のニュースサイト)』の評論家であるオリバー・ホットマン氏が『BBCニュース』に語ったところによると、北朝鮮がいよいよ金正恩氏の偶像化を内外に示す政策の表れだという。...
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11月6日付
『ニューヨーク・ポスト』紙:「金正恩氏の大肖像画が正式にお目見え」
北朝鮮の小柄な独裁者、金正恩労働党委員長の肖像画が初めて公に掲示された。ただ、実物より遥かに大きい7フィート(約2.1メーター)の身長の像となっている。
地元のテレビ局が、今週初めにキューバのミゲル・ディアス=カネル国家評議会議長が訪朝した際、平壌空港に掲示されていた映像を流したもの。
英『NKニュース(北朝鮮関連専門のニュースサイト)』の評論家であるオリバー・ホットマン氏が『BBCニュース』に語ったところによると、北朝鮮がいよいよ金正恩氏の偶像化を内外に示す政策の表れだという。
また、同氏は、金氏が2011年に就任以来、核武装と経済発展を両輪とする政策を進めてきたが、ドナルド・トランプ大統領との歴史的会談を成し遂げるなど、2018年に大きな進展があったことから、同氏が習近平(シー・チンピン)国家主席やトランプ大統領と同等に渡り合えることを強調する意味でも、かかる肖像画の作成・掲示が為されたとする。
ただ、現実的には、国際制裁の停止も、海外投資の促進も、更には、数年内の南北朝鮮の統一も、米国による核兵器放棄が最優先との主張の前に、何ら進展が望めない状況である。
北朝鮮問題専門家で、金氏に関する著書も多く出版しているジャーナリスト、重村智計氏(元毎日新聞記者)は英『テレグラフ』紙のインタビューに答えて、北朝鮮の首脳にとって最も重要なことは成果を示すことだが、残念ながら金氏はまだ十分な成果を示せていない。
ただ、間もなく金氏が訪ロや訪韓する際には、北朝鮮メディアがつきっきりで同氏の動きを大々的に流し、同氏の偉大さをアピールすることになろうとコメントした。
更に重村氏は、金氏は心から、祖父の金日成国家主席、父の金正日総書記と同等に扱われることを望んでおり、今回の肖像画の作成・掲示も、同氏の支持者へ強くアピールする手段だと考えられると付言した。
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