セッションズ米司法長官とローゼンスタイン米司法副長官が民主党のクリントン元大統領候補の電子メール問題について5月3日の聴聞会での証言予定の内容について、コミー米前FBI長官から事前に聞こうとしたが拒否され、命令に従わなかったので職務を果たせないと判断し解任決定のきっかけとなったとしている。一般的に言うと上司へ議会証言の内容を事前に見せることは問題ないと考えられている。
あるトランプ米大統領の元顧問によれば、駐米ロシア大使とトランプ米大統領候補陣営の顧問が面会していた件のFBIの捜査で、コミー米前FBI長官が免責を出さなかったことにトランプ米大統領が怒っていたと述べ、またクリントン元候補の電子メール問題でのコミー米前FBI長官の証言内容を見て自分の敵だとトランプ米大統領は感じたとしている。...
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セッションズ米司法長官とローゼンスタイン米司法副長官が民主党のクリントン元大統領候補の電子メール問題について5月3日の聴聞会での証言予定の内容について、コミー米前FBI長官から事前に聞こうとしたが拒否され、命令に従わなかったので職務を果たせないと判断し解任決定のきっかけとなったとしている。一般的に言うと上司へ議会証言の内容を事前に見せることは問題ないと考えられている。
あるトランプ米大統領の元顧問によれば、駐米ロシア大使とトランプ米大統領候補陣営の顧問が面会していた件のFBIの捜査で、コミー米前FBI長官が免責を出さなかったことにトランプ米大統領が怒っていたと述べ、またクリントン元候補の電子メール問題でのコミー米前FBI長官の証言内容を見て自分の敵だとトランプ米大統領は感じたとしている。コミー米前FBI長官は自身の解任について何も発表していない。ある司法省の元高官はクリントン候補の電子メール問題の調査中にFBI長官を解雇するのは意味がないと述べた。
コミー米前FBI長官解任後初となるNBCテレビとのインタビューで、トランプ米大統領は3回自分自身がFBIの捜査中ではないかとコミー米前FBI長官に聞き、いずれも捜査中ではない回答を受けたと述べ、またコミー米前FBI長官はスタンドプレーをしてFBIが混乱するので解任した、トランプ米政権とロシアの関係に関する捜査は見せかけのものでコミー米前FBI長官の後任者も捜査に反対していると述べた。司法省高官の助言に基づきコミー米前FBI長官を解任したとの当初の説明と異なる理由で解任したようだ。米FBI長官が米大統領と捜査中の事件について話すことは米司法省の規則で一般的に禁じられているため、注目に値する。
米上院諜報委員会の聴聞会で、コミー米前FBI長官の後任のマカビーFBI長官代理はトランプ米政権とロシアの関係に関する捜査は非常に重要な調査であると述べ、コミー米前FBI長官は多くのスタッフと良好な関係を保っていたとし、スタッフの信頼を失っていたというトランプ米政権の主張に疑問を呈した。ロシア問題の捜査の状況についてトランプ米政権に報告せず、この捜査を妨害する試みは米上院の委員会に通知すると誓った。トランプ米大統領が捜査の対象でないとコミー米前FBI長官が話したことがあるかとの質問には進行中の調査についてはコメントできないと回答した。
またマカビーFBI長官代理自身はトランプ米政権の誰ともロシア問題の調査の話はしていないと証言した。コミー米前FBI長官が調査拡大のため予算の増額を求めていたとの報道に関し米民主党は米司法省にその内容を要求した米司法省の担当者は全くの虚偽と拒否した。当局者によればトランプ米大統領のコミー米前FBI長官に対する不満は何ヶ月も続いていたと述べ、トランプ米政権がFBIに対し、操作中のロシア問題について疑惑を晴らすようなリークを行うよう圧力をかけているとしている。
米上院情報委員会は、2016年の米大統領選挙でロシアの干渉を調査しており委員長は5月10日にフリン元米国家安全保障担当顧問に対しロシア問題での召喚状を出したと発表した。
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11月25日付「世界がみるヘーゲル国防長官の辞任」の中で触れたように、オバマ大統領と同長官の間に不協和音があった模様で、同大統領としては、シリア問題などで異論を唱えてきたヘーゲル長官を事実上更迭することで、ホワイトハウスを軸とする、“中央集権”と“側近政治”を強化し、求心力の低下に歯止めを掛けようとしている。その一環で、ヘーゲル長官の辞任を発表した11月24日、同大統領は18名の“大統領自由勲章”(注後記)受章者をホワイトハウスに招待し、同章を授与したと米メディアが報じた。
(注)大統領自由勲章:アメリカ合衆国の勲章で、受賞対象者は、同国の国益や安全、または世界平和の推進、文化活動、その他の公的・個人的活動に対して、特別の賞賛に値する努力や貢献を行った個人。通常は、7月4日の独立記念日前後に授章式が行われる。
11月24日付
『ニューヨーク・デイリィ・ニュース』紙は、「スティービー・ワンダー、メリル・ストリーブ、トム・ブロコー(編注:NBCテレビジャーナリスト)他受賞者、オバマ大統領から勲章を授与される」との見出しで、「オバマ大統領は11月24日、“大統領自由勲章”受章者18名をホワイトハウスに招待し、同章を授与した。スティービー・ワンダーに授与する際は、自分が初めて買ったレコードが彼の作品であり、ミシェル大統領夫人は、自分以上の大ファンであると説明。メリル・ストリーブに対しては、自分は彼女をこよなく愛しており、それは彼女の夫もミシェル夫人も、良く知っていることとジョークを飛ばした。また、故ロバート・F・ケネディ上院議員の未亡人であるエセル・ケネディへ授与する際は、今夏に彼女からALSのアイス・バケツ・チャレンジ(編注:8月末報道の「米国における筋萎縮性側索硬化症(ALS)啓発キャンペーン」の一環)を指名されたとき、ハワイで育った自分は、アイス・バケツは被りたくないので代わりに小切手を切ったが、おそらく彼女の依頼を断った初めてのことだ、と言って笑いを誘った。なお、同章は義兄である故ジョン・F・ケネディ大統領が50年ほど前に復活させ、対象者を拡大したものである。」と報じた。
これまでの主な同章受賞者は、政治家ではジョン・F・ケネディ元大統領(死後受賞)、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官、アラン・グリーンスパン元連邦準備制度理事会議長、マーガレット・サッチャー元英国首相、トニー・ブレア元英国首相、アンゲラ・メルケル独首相、など。文化・芸能・スポーツ関連では、モハメド・アリ元ボクサー、チャールトン・ヘストン元俳優、ボブ・ディラン元ミュージシャン、など。実業界では、ウォルト・ディズニー、ウォーレン・バフェットなどである。
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