欧州主要メディア制作会社、ロシアとの取引停止
ロシアとウクライナの紛争は5日目に入ったが勢いが留まるところを知らない。各国がロシアへの制裁を科す中、メディア業界も他業界に習いロシアとの距離を置き始めている。
3月1日付米
『MSNニュース』:「欧州主要メディア配給のBBC、ITV、フリーマントル、All3Mediaがロシアとの取引停止」:
激化するウクライナ情勢を考慮し、主要な欧州配給会社であるBBCスタジオ、All3Media, ITVスタジオ、フリーマントルがロシアとの取引停止を決めた。
All3Mediaはロシア放送会社とのビジネス交渉を停止。ITVスタジオはロシアへの新規販売を停止し、フリーマントルも同様のコメントを出している。...
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3月1日付米
『MSNニュース』:「欧州主要メディア配給のBBC、ITV、フリーマントル、All3Mediaがロシアとの取引停止」:
激化するウクライナ情勢を考慮し、主要な欧州配給会社であるBBCスタジオ、All3Media, ITVスタジオ、フリーマントルがロシアとの取引停止を決めた。
All3Mediaはロシア放送会社とのビジネス交渉を停止。ITVスタジオはロシアへの新規販売を停止し、フリーマントルも同様のコメントを出している。ITVスタジオは、PACT(英プロダクション連盟)の要請とは別に独自判断での決定だとし、今月4日に開かれるロンドン映写イベントにもロシアは不参加とした。
影響力をもつ映画プロダクション連盟のPACTは今月1日、所属する700以上のTV制作会社にむけ、ロシア側との全ての共同、取引を停止するよう通達した。この直前には、例年4月にフランス・カンヌで開催されるテレビ番組国際見本市を運営するRX Franceがロシアの参加を停止することを決めた。
一方、各種映画祭でもロシア映画の上映が中止されており、米ディスニーやソニー、パラマウントでも映画配給や制作が停止される事態となっている。
同日付英『Guardian』:「ウクライナ侵攻を受け、BBCがロシアとの全コンテンツのライセンスを停止」:
英国放送協会(BBC)がロシアの顧客へのTVコンテンツライセンスを停止。ライバル放送局のITVもロシアへ新たな番組を販売することを停止する。
欧米諸国の制裁強化がされるなか、TV業界も他業界に習いロシアとの距離を置き始めている。BBCは「本日の幹部会合で全コンテンツのライセンス停止が決定した。ITVもロシア側クライアントとの提携を停止することを決めており、「現時点でロシアとのビジネスを継続するのは不適切との判断から新規販売を停止」したとしている。BBCはロシアに対し、販売済であるにもかかわらず、ダンスリアリティ番組『ダンシング・ウィズ・ザ・スターズ』 等の未放送分のエピソードをロシア国営TVで放送しないよう求めている。
イギリス最大の独立系メディア制作企業連盟「PACT」は、「PACTはウクライナへの敵対行為の停止、および法の順守とウクライナ国民の権利を守った上で外交的手段による紛争解決を求める」とし、加盟プロダクションに対しロシアとの取引や提携を停止するよう求めている。TVシリーズ「シャーロック」を制作する「ハーツウッドフィルムズ」 や「ワールドプロダクションズ」等の制作会社も賛同しているという。
米ハリウッドの企業でも、ワーナーブラザーズやソニーピクチャーズ、ウォルトディズニー等がロシアでの映画公開を停止している。
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イギリス、新型コロナウイルスによる医療従事者の欠勤が1カ月で倍増
新型コロナウイルスを理由に隔離された医療従事者の欠勤は、11月末の1万2千人弱に対し、12月末は2万4千人強を記録し、一カ月で倍増した。
仏誌
『レゼコー』の電子版によると、NHSイングランドは31日、11月末の1万2千人弱に対し、12月26日時点で2万4千人以上の欠勤が記録されていると発表した。欠勤者は、新型コロナウイルスに感染または接触者となったため、隔離状態に置かれている。一方、新型コロナウイルスに関連する入院患者数が12月29日に1万1千人を超え、3月以来の高水準となっており、英国の医療制度におけるスタッフ不足が懸念されている。...
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仏誌
『レゼコー』の電子版によると、NHSイングランドは31日、11月末の1万2千人弱に対し、12月26日時点で2万4千人以上の欠勤が記録されていると発表した。欠勤者は、新型コロナウイルスに感染または接触者となったため、隔離状態に置かれている。一方、新型コロナウイルスに関連する入院患者数が12月29日に1万1千人を超え、3月以来の高水準となっており、英国の医療制度におけるスタッフ不足が懸念されている。
国家統計局の最新推計によると、英国での感染者数は12月23日の週に230万人と記録的な数に達している。イングランドでは25人に1人、ロンドンでは15人に1人の割合が感染していることに相当する。
『MSNニュース』によると、医療団体NHS コンフェデレーションの責任者であるマシュー・テイラー氏は、オミクロン株が医療サービスに圧力をかけていると述べ、「今後数週間」はこうした状態が続くと警告している。テイラー氏は、医療サービスは冬が最も忙しい時期で、1月中旬に需要のピークが来るが、パンデミックによる影響で蓄積されてきた「2年間延期されてきた治療」が更なる圧力を加えていると指摘している。「さらに、新型コロナウイルスが加わり、この2週間で入院患者数が2倍になっただけでなくNHSの職員もコロナに感染している。これらの要素をすべて合わせると、ここ数日、多くの病院が、通常診療やサービスを縮小せざるをえない状況に陥っている」と語った。
しかし、医療サービスが直面している課題にもかかわらず、サジド・ジャヴィド保健大臣は、さらなる規制は「絶対的な最後の手段」でなければならず、英国は2022年にウイルスと「共存」することを考えなければならないと述べている。テイラー氏は、人命と医療サービスを守ることと、企業活動や人々の社会活動を認めることとは「難しいバランス」であると述べている。
またテイラー氏は、オミクロン株は症状が軽いとされているものの、その本当の影響は高齢者に届くまで分からないと指摘している。「多くの点で、この第3波はこれまでの波よりも深刻ではない。オミクロンは症状が軽いようだ。しかし、これまでのところ、この感染症にかかった人のほとんどが若い人たちであることを忘れてはならない。高齢者やより弱い立場の人々に影響が出始めたら、本当の意味で正しい姿が見えてくるはずだ。」と述べている。
NHSプロバイダーズ最高責任者のクリス・ホプソン氏は、医療制度が「潜在的な緊急事態」に直面していると警告しており、「患者に治療を施さないままにするか、一時的に医療サービスを補強するかという選択を迫られる可能性がある」と述べた。ホプソン氏は一連のツイートで、職員の「山のような仕事量」を警告し、すべての医療サービスが「キャパを超えて対応している」状態であると述べている。
オミクロン株の爆発的な感染拡大は、イギリスの医療サービスだけでなく、交通機関や消防など多くの分野に混乱を招いている。
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