フランス、新型コロナウイルスの影響で平均寿命が0.5年ほど減少か(2021/01/20)
フランス国立統計経済研究所(INSEE)は15日、2020年は2019年よりも5万4000人多い死亡者数を記録したと発表した。新型コロナウイルスが影響していると見られる超過死亡によって、フランス人の平均寿命も6ヵ月ほど減少している。
フランス国立人口学研究所(INED)の研究ディレクターであるローラン・トゥルモン氏は、統計結果について
『LCI』のインタビューで次のように述べている。「フランスでの明白な死亡率の上昇は、紛れもなくコロナウイルスが原因だ。INSEEによると、フランスでは前年は61万3243人だったのに対し、2020年は66万7000人が死亡した(5万3757人増)。この増加分のうち、6,000人は人口の高齢化による予測されたものである。...
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フランス国立人口学研究所(INED)の研究ディレクターであるローラン・トゥルモン氏は、統計結果について
『LCI』のインタビューで次のように述べている。「フランスでの明白な死亡率の上昇は、紛れもなくコロナウイルスが原因だ。INSEEによると、フランスでは前年は61万3243人だったのに対し、2020年は66万7000人が死亡した(5万3757人増)。この増加分のうち、6,000人は人口の高齢化による予測されたものである。平均寿命の低下の原因となる残りの4万7000人の増加は、ほとんどがコロナウイルスによるものである。」
『レゼコー』によると、フランスで確認された2020年の死亡者数は、平時に記録された過去最高の数字になるという。そして死亡者数の増加は、フランス人の寿命にも影響を与えている。男性の出生時平均寿命は79.2歳と半年分減少しており、2014年の水準に戻っている。女性は平均寿命が85.2歳と5ヵ月弱減少した。これは1960年代以降では最大の平均寿命の低下になる。特に冬のインフルエンザの流行がひどかった2015年の2倍以上の低下となっている。
フランスでは昨年3回ほど、1日の死亡者数が2000人を超えた。これは、新型コロナウイルスが最も流行した3月、4月、11月の時期にあたる。また、2020年の死亡率の上昇は、65歳以上の人々の間でのみ確認されていることも、新型コロナウイルスが死亡増の主な原因であることを示している。他の年齢層では、死亡者数の大幅な増加は見られず、25歳から49歳までの人の死亡者数は、2019年に比べて1%減少しており、25歳以下では6%まで減少している。この減少は、2回のロックダウンとテレワークの導入により外出が減り、交通事故などが減少したためだと見られている。
INSEEは、超過死亡者についてヨーロッパ全体で見てみると、2016-2019年の平均と比較して、2020年3月と4月のパンデミックの第一波における全死因による死亡者数の超過は、フランス(28%)よりもスペイン(70%)、イタリア(47%)、イギリス、ベルギー(43%)の方が高いと指摘している。
『RTL』によると、米国ではさらに数字が高くなっており、平均寿命が2~3年低下している。最も顕著な例は、スイスのティチーノ州であり、新型コロナウイルスの第一波の影響で男性の平均寿命が6年低下した。イタリアのロンバルディア地方でも同じ現象が起こった。
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フランス、ブラックフライデーを12月に延期することにアマゾンも同意(2020/11/20)
新型コロナウィルスの第2波で生活必需品以外の実店舗は営業禁止となっているフランス。中小の小売店が経営危機に陥る中、小売業界、特にカルフールやルクレールなどの大手が、閉店中の実店舗に配慮し、11月27日のブラックフライデーを1週間後の12月4日に延期することで合意した。アマゾンも、実店舗が12月1日までに再開できることを条件に延期することに合意した。
『フランスアンフォ』によると、新型コロナウィルスの第2波で生活必需品以外の実店舗が営業禁止となったフランスでは、閉店を余儀なくされた店主たちが怒りの声を上げ、最終的に政府を動かすことが出来たと報じている。
小売店やショッピングセンターの4つの連盟(CDF、FFAC、FNCV、CNCC)は、店主たちが「週末の閉店をもうこれ以上耐える余裕がなく」フランス小売業の危機を招いているとして27日付の営業再開を求めていた。...
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『フランスアンフォ』によると、新型コロナウィルスの第2波で生活必需品以外の実店舗が営業禁止となったフランスでは、閉店を余儀なくされた店主たちが怒りの声を上げ、最終的に政府を動かすことが出来たと報じている。
小売店やショッピングセンターの4つの連盟(CDF、FFAC、FNCV、CNCC)は、店主たちが「週末の閉店をもうこれ以上耐える余裕がなく」フランス小売業の危機を招いているとして27日付の営業再開を求めていた。営業再開が無理な場合、ブラックフライデーセールを、実際の店舗の再開日に延期するか、今年は完全にキャンセルすることも訴えていた。
今週初めには、フランス商業評議会(CDCF)がマクロン大統領宛に11月27日の「ブラックフライデー」にあわせて商店が再開できるよう嘆願書を送った。CDCFのコベルレ議長は、大規模セール期間中の閉店は、営業活動停止によって既に大打撃を受けている何百人もの店主や特定の業界の人々の確実な死であり、「営業再開を選ぶか死をもたらす」かのどちらかだと訴えた。この訴えに対してイル=ド=フランス地域圏知事や議員たちも支持を表明し、オンラインショッピングに対して不利な立場に立たされている実店舗の現状を大統領に訴えた。
こうした圧力を受けて、政府は大規模小売業者やアマゾンなどのECサイトとの交渉を開始し、ついにブラックフライデーセールの1週間の延期、12月4日の実施が決定した。
フランスのオンラインニュースサイト『LCI』によると、アマゾンフランスのフレデリック・デュバル代表は19日、ニュース番組のインタビューで、「アマゾンは12月4日に、フランス全土のすべてのフランス人にサービスを提供し、私たちを通して販売する数千の零細企業や中小企業全体を支援する。」と語った。アマゾンフランスの売上高の半分近くは実際に、アマゾンのプラットフォームを使用している独立した生産者や小売業者による販売から来ている。
『LCI』はアマゾンフランスの決断について、アマゾンフランスは長年にわたり、フランスのブランドや小売業者との取引が定着している、市場に根付いた地元企業としての立場をとってきたと報じている。そのため、アマゾンだけが11月27日にブラックフライデーセールを行った場合、フランス世論の中で、フランス市場に配慮を示さない、巨大なアメリカ企業としてのイメージを強めることになりかねない。このことを懸念して延期を受け入れたのではないかと指摘している。
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