インド政府は6月29日、インドの主権や安全を脅かしているとして、人気のTikTokやWeChatを含む中国企業などが提供する59のアプリを禁止すると発表した。フランスメディアは、その中でも特にTiktokはユーザーの個人データの管理に対し、定期的に非難を受けており、多くの専門家がTikTokアプリに対し警告していると報道している。
『BFMTV』は、次のように報じている。「若者に非常に人気のある中国のアプリTikTokは、個人データに対し欲張りすぎるとたびたび非難を受けている。 米国では、FBI当局者は中国政府がユーザーへのスパイ行為のために使用していると懸念している。そうした不安を持つのは米国だけではない。TikTokの海外市場としては最大であるインドは、国の主権や国民のプライバシーが侵害されているとして、TikTokを含む58のアプリを禁止した。アメリカの上院議員の中では、政府のデバイスでのダウンロードが禁止されることを望む議員も出て来ている。」
「私たちはTikTokを本当に恐れる必要はあるのだろうか。すべてのプラットフォームと同様に、TikTokはユーザーから特定の個人データを収集している。この慣行は、ヨーロッパではEU一般データ保護規則(GDPR)によって規制されている。 しかし、この分野でのTikTokの悪習に対する疑惑は消えない。」
新テクノロジーを扱う仏『GNT』のニュースは、ユーザーの同意なしに、TikTokアプリがクリップボードの内容を読み取っていることを報じている。しかし、他にも52のアプリが同じようにクリップボードの内容を読み取っていると指摘している。その中には、Weibo、ロシアトゥデイ、ロイター、ABCニュース、ニューヨークタイムズ、など各国のアプリも含まれている。
しかし『BFMTV』によると、TikTokアプリを調べたところ予想を超える多くのデータが密かに収集されていることが判明し、7月1日には、アノニマス・グループのアカウントでその調査結果がツイートされ、「TikTokを今すぐ削除」するよう促している。
調査を行った人は、Instagram、Facebook、Reddit、Twitterのアプリも調査したところ、こうしたアプリはTikTokほどの個人データを収集しておらず、また、TikTokとは違い、保持されているデータを隠そうとしていない、とコメントしている。何よりも収集している情報量は、コップ一杯の水の量のデータと海のようなデータ量ほどの違いがあると指摘している。
TikTokは、ユーザーのスマートフォンに関するモデル、画面サイズ、ストレージなどの情報から始まり、そこにインストールされているアプリ、及びパソコンやタブレットなどのネットワークで接続されている他のデバイスからも情報を収集しているということが判明した。
例えば、Macを使用している時にスマホ上でTikTokが起動されている場合、TikTokアプリは、機密メモからパスワードまで、コンピューターにコピーされたすべてのものを読み取ることができるということだ。TikTok側は、これは「スパム検知」機能のためにあったもので、新バージョンではそれは削除されると約束した。
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