2月24日付豪
『Yahooニュース』(BBCニュース):「人が死の間際に走馬灯を見るのは本当かも知れない」:
科学者が研究で偶然得たデータから、人が死ぬときに実際に走馬灯を見ている可能性が指摘されている。
22日に発表された学術誌「Frontiers in Aging Neuroscience」に掲載された論文によると、ある科学チームは、てんかんを発症した87歳の患者の脳波を図った。...
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2月24日付豪
『Yahooニュース』(BBCニュース):「人が死の間際に走馬灯を見るのは本当かも知れない」:
科学者が研究で偶然得たデータから、人が死ぬときに実際に走馬灯を見ている可能性が指摘されている。
22日に発表された学術誌「Frontiers in Aging Neuroscience」に掲載された論文によると、ある科学チームは、てんかんを発症した87歳の患者の脳波を図った。だが計測中に患者は心臓発作を発症、その後、死の直前に予期せぬ脳波が計測された。夢を見るときや記憶を辿る時と同じ脳波が見られたという。このような脳の活動がみられることから、死の直前に一般的にいわれる「人生の走馬灯」現象がおきていた可能性が指摘されるという。
論文著者の一人で当時カナダのバンクーバーにいたアジマル・ゼマール博士は、チームが臨死脳の記録を摂ったのは「まさに偶然で予定されたものではなかった」という。そして、「楽しい記憶を思い出しているかは定かではないが、哲学的分野に踏み込むとすれば、脳がフラッシュバックを起こさせるとしたら恐らく良いことを回想させるのではないか」と予測する。
ルイビル大学のゼマール神経外科医は、心臓から脳への血流が停止する30秒前の脳波は、人が集中している時や夢をみている時、または記憶を辿る時など、高次認知力を必要とするタスクを行う時と同じ脳波を示していたとする。それは通常の死亡時間とされる心停止の30秒後まで継続していた。「これは恐らく、死の直前に脳で再現される、これまでの人生の記憶を辿る時間なのかもしれない」とする。
この調査からは、人生が正確にはいつ終わるのかという疑問が浮上するだろう。心停止なのか、脳機能の停止なのか、この一つの研究から広範な結論を導けるものではないとゼマール博士は警告する。患者がてんかんを患い、出血や脳浮腫も見られたため別の影響があったとの見方もできる。
2013年の健康なラットの実験でも同様の事例が報告されている。米国の調査報告によると、今回の患者同様に心停止の30秒後まで高度な脳波が観測されていたという。人の脳波の事例が今回発表されることで、臨死体験というスピリチュアルな領域に科学のメスを入れられたことで、今後の調査の進展に期待がかかる。
2月23日付カナダ『CTVニュース』:「脳CTスキャン調査、瀕死の人が人生の走馬灯を見ている可能性」:
心臓発作により病院で亡くなった87歳の患者の脳波調査から、脳の記憶想起域における予期せぬ活動がみられた。脳が死ぬ前に人生の重要なライフイベントをリプレイしている可能性があるという。
カナダ、中国、米国、エストニアの科学者からなる国際チームによる、心臓発作後の脳波や臨死体験についての論文が今月22日、神経科学に関する学術誌『Frontiers in Aging Neuroscience』に掲載された。
死後にも脳活動があることは推測されていたが、臨死状態を調査した研究はこれまで存在しなかった。患者は転倒による外傷性硬膜下血腫を発症し病院に運ばれた。通常の治療の後、医師が脳波検査(EEG)を行っている間に死亡。
心停止の前後、30秒を1ブロックとし900秒間脳波を計測したところ脳波の変化がみられたという。これは脳への血流が停止した後にも脳が活動していたことを示す。EEGを計測中に「脳の振動パターン」がアルファ波、ガンマ波、デルタ波、シータ波、ベータ波へと変化したという。この動きは死の直前直後を挟み、一般的にいう「人生の走馬灯をみている」状態だったとみられる。健康な被験者の脳においては、アルファ波とガンマ波の交差が、夢や瞑想、情報処理や記憶回想などの認知プロセスに関連しているとされる。
今回のデータは一人の患者の事例であり、疾患による脳への損傷や、発作を抑える薬の影響の可能性も考慮されなければならない。しかしながら、臓器提供にも関わるであろう「人の生死がどの時点を指すのか」をという重要な問題を浮き彫りにした。倫理的に患者のデータ収集を事前予定することは不可能なため、この研究で得られたデータは貴重なものといえる。
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