ドイツ、ジェンダー・フリー(男女平等)の観点からカナダに続いて国歌内の歌詞を変更か【米・ロシア・ドイツメディア】(2018/03/05)
ドイツの中道左派で第2党の社会民主党(SPD)の党員投票の結果、中道右派で最大政党のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立政権が継続されることが決定された。戦後最長となる6ヵ月の政治空白が漸く埋められることになり、4期目が期待されるアンゲル・メルケル首相としても大安堵であろう。そこで、女性首脳の政権が更に4年続くことから、ドイツ家族省高官が、国歌の中の歌詞もジェンダー・フリーの観点から変更すべきだと提案した。
3月4日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「父の国との歌詞はなくなる? 男女平等委員会委員長がドイツ国歌の歌詞変更を提案」
ドイツ家族省傘下の男女平等委員会のクリスティン・ローズ=モーリング委員長が3月4日、ジェンダー・フリーの観点から、ドイツ国歌にある“父の国”等の歌詞を変更したいと提案した。
ドイツの週刊『ビルド・アム・ソンタグ』紙(1956年創刊のドイツ最大の日曜紙)は3月4日、同委員長が、“父の国”を“祖国”に、“兄弟のように親愛な”を“勇敢な”と変更するよう求めたと報じた。...
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3月4日付米
『ABCニュース』(
『AP通信』配信):「父の国との歌詞はなくなる? 男女平等委員会委員長がドイツ国歌の歌詞変更を提案」
ドイツ家族省傘下の男女平等委員会のクリスティン・ローズ=モーリング委員長が3月4日、ジェンダー・フリーの観点から、ドイツ国歌にある“父の国”等の歌詞を変更したいと提案した。
ドイツの週刊『ビルド・アム・ソンタグ』紙(1956年創刊のドイツ最大の日曜紙)は3月4日、同委員長が、“父の国”を“祖国”に、“兄弟のように親愛な”を“勇敢な”と変更するよう求めたと報じた。
なお、近年ではオーストリアとカナダが、同様の理由から、それぞれ国歌の一部歌詞を変更している。
3月5日付ロシア『RT(ロシア・トゥデイ)ニュース』:「ドイツ国歌が間もなくジェンダー・フリーの歌詞に変更」
ドイツのアンゲラ・メルケル首相率いるCDUが、SPDとの連立政権を継続して担うことが確定したことから、このタイミングで、ローズ=モーリング男女平等委員会委員長が歌詞変更の提案を持ち出したものとみられる。
しかし、ラインラント=プファルツ州(ドイツ西南部、州都マインツ)のCDU代表のジュリア・クロックナー氏は、歌詞変更より女性にとってもっと重要な課題があるとツイートした。
また、右翼政党、ドイツのための選択肢(AdF)のゴーツ・フロミング氏は、“無遠慮で教養のない提案”だと切り捨てた。
なお、1922年に採用されたドイツ国歌は、第二次大戦後に1番の歌詞が全て削除されている。何故なら、そこにあった“ドイツは何よりも勝る”との歌詞が、ナチス・ドイツによる他国侵略のために利用されたと非難されたからである。
3月4日付ドイツ『DW(ドイツ通信)』:「ドイツ国歌はジェンダー・フリーの歌詞となる?」
ローズ=モーリング男女平等委員会委員長は、SPD所属の政治家であるが、ジェンダー・フリーの観点から、国歌の歌詞の変更と同様、新たに改編される内務省の方針にも沿うものとなると表明した。
第1党のCDU・CSUと連立を組むことになったSPDが、同委員長が所属する家族省の大臣職を得ることになり、また、“祖国”に大いに関心のあるCSUが内務省の大臣職を取ることから、同委員長の提案には追い風となるとみられる。
ただ、これに異議を申し立てる人の多くが、国歌の2番の歌詞の中に、ドイツの忠誠、ドイツワイン、ドイツの歌と共に、ドイツの女性が称賛されているとして、これ以上の歌詞の変更は不要と主張している。
なお、ジェンダー・フリーの観点から、オーストリアでは2012年に、また、カナダでも今年2月初め、それぞれ国歌の歌詞の一部が変更されている。
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独VWに続いて今度はダイムラーが排ガス不正疑惑(2)【米・英・フランス・ドイツ・中国メディア】(2017/07/20)
7月13日付Globali「独フォルクスワーゲン(VW)に続いて今度はダイムラーが排ガス不正疑惑」の中で、“ドイツのダイムラー(メルセデス・ベンツ他の自動車メーカー)にディーゼル・エンジン排ガス不正疑惑が持ち上がった。不正疑惑対象は100万台で、VWのリコール対象問題車1,100万台より少ないとは言え、VWに匹敵する信用失墜問題に発展する可能性がある”と報じた。ダイムラーは、VWやタカタが犯した、当局調査への不協力や隠蔽などによって法外な罰金を科せられる愚は犯していないと思われるものの、自ら問題申告はせず、当局による不正疑惑の調査・指摘まで何らアクションを取らなかったことから、危機管理対応が不十分だったと言えなくもない。その結果、予想以上の風評被害払拭のため、疑惑対象車の3倍にも上る全車をリコール(回収・無償修理)するとの自主対策を決断せざるを得なくなっている。
7月18日付米
『CNNニュース』:「ダイムラー、300万台のメルセデス・ベンツのディーゼル車をリコール」
ダイムラーは7月18日、欧州で販売したメルセデス・ベンツのディーゼル車300万台以上を自主的にリコールすると発表した。同措置の費用は、2億2,000万ユーロ(2億5,500万ドル、約286億円)に上るとみられる。
同社のディーター・ツェッチェ社長は、ディーゼル・エンジンへの不信感が高まってしまったことから、顧客に安心してもらうため、ディーゼル・エンジン搭載全車をリコールすることにしたと表明した。...
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7月18日付米
『CNNニュース』:「ダイムラー、300万台のメルセデス・ベンツのディーゼル車をリコール」
ダイムラーは7月18日、欧州で販売したメルセデス・ベンツのディーゼル車300万台以上を自主的にリコールすると発表した。同措置の費用は、2億2,000万ユーロ(2億5,500万ドル、約286億円)に上るとみられる。
同社のディーター・ツェッチェ社長は、ディーゼル・エンジンへの不信感が高まってしまったことから、顧客に安心してもらうため、ディーゼル・エンジン搭載全車をリコールすることにしたと表明した。
ドイツの『ジュートドイチャー・ツァイトンク(南ドイツ新聞)』が先週(7月12日)、ドイツ当局が、ダイムラーが欧州及び米国で販売した100万台以上のディーゼル・エンジン車に、排ガス不正回路が搭載されている疑いで捜査していると報じていた。
なお、同様の問題については2015年、VWが販売した1,100万台のディーゼル車に排ガス不正回路が搭載されていたことが発覚している。
7月19日付英『ザ・ガーディアン』紙(『AP通信』配信):「ディーゼル車排ガス不正疑惑で、メルセデス・ベンツ300万台がリコール」
ダイムラーの発表により、直近6年間で英国に輸出されたほとんど全てのメルセデス・ベンツのディーゼル車がリコールされることになる。対象となるのは英国内で何台となるか明らかにされていないが、同社発表では、ドイツ内が100万台、欧州全域で200万台になるという。
なお、2015年に発覚した、VW製ディーゼル車リコール対象1,100万台のうち、英国の対象車は120万台程であった。
7月18日付フランス『フランス24』オンラインニュース(『AFP通信』配信):「ダイムラー、欧州で販売した300万台のディーゼル車をリコールすると発表」
ダイムラーは、メルセデス・ベンツのディーゼル車は最新技術を結集した排ガス削減エンジンを搭載しており、欧州の厳しい規制にも十分適合しているが、(先週の報道によって)世論に不安感が増幅していることから、顧客に安心してもらうため、自主的にリコールすることを決定したと表明している。
なお、同社広報担当は、当局の捜査の進捗についてはコメントを控えたが、当局調査に全面的に協力しているとのみ語った。
同日付ドイツ『DW(ドイツ通信)』:「ダイムラー、欧州で販売のディーゼル車300万台をリコールする計画」
ダイムラーのツェッチェ社長は、同社のディーゼル・エンジンの排ガス減少技術は、欧州の厳しい規制に十分適うものであるが、報道によって毀損された信頼性を取り戻すため、自主的に全販売対象300万台をリコールすることに決めたと語った。
VWの不正疑惑が発覚した2015年9月、ツェッチェ社長は、ダイムラーには同様の問題が起こる可能性はないとしていたが、ドイツの交通省は先週、同社のディーゼル車に排ガス不正の疑いがあるので調査すると発表している。
7月19日付中国『新華社通信』:「ダイムラー、欧州で販売されたディーゼル車300万台をリコール」
ダイムラーは、対象車のリコールを翌週からすぐに開始するとしているが、全車をリコールするには長い期間を要するものとみられる。
なお、同社は同時に、新型ディーゼル・エンジン搭載の新車製造ラインを、可及的速やかに新設すると発表している。
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