【Globali】
パウエル元米国務長官、両大統領候補に辛辣な批評(2016/09/20)
パウエル元米国務長官と言えば黒人で、陸軍大将、制服組トップの統合参謀本部議長、国務長官を勤め、オバマ大統領が出てくる前黒人が大統領になるとしたらこの人かと思わせた人である。同氏は共和党員ながらオバマ大統領に投票したそうであり、そこには人種としての立場が党を超えるものという意識が強いことが示されている。そのパウエル氏の個人メールがロシア系と思われるハッカーによりネット上に流出し、同氏が両大統領候補に辛辣な批評をしていることが明らかになった。トランプ候補はオバマ大統領が黒人であるが故に大統領に厳しい見方をしていると考えてか、特に同候補に対して厳しい批評を行っており、「国の恥」とまで言い切っている。なおパウエル氏に対しては、国務長官時代クリントン候補と同様に私的メールサーバーを公的メールに使用していた疑惑も出てきている。
9月14日付
『NBCニューズ』は、「コーリン・パウエル氏、流出メールでトランプ候補を“国の恥”と酷評、クリントン候補を“欲張り”と」という見出しで、コーリン・パウエル元国務長官がネット上に流出した私的メールで、トランプ候補を「国の恥」と激しく非難し、2012年のリビア・ベンガジの米大使館襲撃事件への数回に亘る調査を「魔女狩り」と批判したと報じた。パウエル氏は「NBCニューズ」に対しメールが本物であることを認めた。...
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9月14日付
『NBCニューズ』は、「コーリン・パウエル氏、流出メールでトランプ候補を“国の恥”と酷評、クリントン候補を“欲張り”と」という見出しで、コーリン・パウエル元国務長官がネット上に流出した私的メールで、トランプ候補を「国の恥」と激しく非難し、2012年のリビア・ベンガジの米大使館襲撃事件への数回に亘る調査を「魔女狩り」と批判したと報じた。パウエル氏は「NBCニューズ」に対しメールが本物であることを認めた。メールの内容は最初
『Buzzfeed News』というネットのニュースサイトで報じられたが、同サイトはこのメールを、連邦政府の役人が「NBCニューズ」に語ったところによると、ロシアの諜報機関と関係するサイトから取得したとしている。
パウエル氏は6月17日付メールでトランプ氏を「国の恥」「国際社会の嫌われ者」と呼び、「同候補は自壊しており、民主党は攻撃不要」と書いている。また8月21日付メールでは、トランプ候補は、オバマ大統領を出生地が米国ではないとして貶める所謂バーサー(birther)運動という人種差別に拍車を掛けていると酷評し、「バーサ―運動は人種差別であると99%の人は考えている」と書いている。「トランプは黒人はまぬけだと思っている。オバマの出生証明書を探し出したり、学業成績証明書を要求してどうやってハーバード大学に入ったか(例えばアファーマティブ・アクション-差別撤廃の黒人特別枠)を確認して彼を大統領の座から追い出そうという試みは決して成功しない」とも書いている。パウエル氏の批評はトランプに止まらない。12月17日付メールでは、「ベンガジ」を馬鹿な魔女狩りだと評し、2015年のメールでは当時国務長官のクリントン候補を含め当時のワシントンの政府高官にもベンガジ事件の責任はあるが、この事件の一番の間違いは殺された勇気ある大使が自分の命を過信し過ぎたことにあると語っている。また直接名前には言及していないが、クリントン候補について「制御出来ない野心を持ち、欲張りで、世の中の変化に合わせた変革を実現できそうもない」と表現し、併せて夫の派手な女癖の噂についても言及していると報じている。
9月15日付
『NBCニューズ』は、「ドナルド・トランプ、コーリン・パウエルの「国の恥」発言を無視」という見出しで、トランプ候補は水曜日遅くツイッター上で元国務長官の信用性を否定し、ネットに流出したメール上で同候補を「国の恥」と呼んだことを無視したと報じた。
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