イスラエルのメディア
『ARUTZ SHEVA』と仏誌
『レゼコー』によると、イスラエルでは7日から、政府が「感染につながる危険性が高い」と判断した場所でのみグリーンパス提示義務が適用されるという。結婚式、パーティー、クラブなど、大勢の人が集まる場所に限られる。
これまでパスの提示が必要とされていた、ホテル、レストラン、ジム、映画館など、ほとんどの娯楽施設で提示義務が廃止され、ワクチン未接種者も自由に入場することが出来るようになった。また飲食店などでは、屋外の席に限り1.5メートル以上テーブルを離すことも義務づけられなくなった。ただし、座席を固定せずに食事をするようなイベントではグリーンパスの提示義務が残る。また、高齢者施設を訪問する場合は、引き続き抗原検査が陰性であることを証明する必要がある。
こうした変更は、全ての場所で提示義務を徹底させることが困難であることと、グリーンパスの提示がオミクロン株の蔓延を防ぐのに有効ではないことが見えてきたためだという。
海外渡航に関しても、7日より、ワクチン未接種者や感染からの回復が確認されていない人でも、出国前のPCR検査の義務付けが不要となった。
オンラインニュースサイト『タイムズ・オブ・イスラエル』によると、イスラエル保健省の最高行政責任者であるナアマン・アッシュ氏は、イスラエル陸軍ラジオの番組で、「オミクロン株は、ワクチン接種者でも感染するため、グリーンパスはほとんどの場所で有効性を失っている。リスクの高い場所のみに使用を限定することにした。これはウイルスと共存していくことの一環である。」と語っている。
ドバイの衛星放送局『アルアラビヤ』によると、政府に助言する専門家パネルのメンバーである疫学者ナダヴ・ダヴィドヴィッチ氏も、ワクチン接種を受けた人々が依然として再感染していることから、グリーンパスの利用縮小は理にかなっていると述べている。同氏は、あらゆる場所で「グリーンパスの提示を継続することは、誤った保証を生み出す可能性がある。グリーンパスは、劇場のような閉鎖空間での感染を減らすものではない。主に病院や高齢者介護施設、食事や歌、踊りをするイベントなど、感染リスクの高い場所でのみ、使用する必要がある。」と述べている。ただし、2021年6月にイスラエルが行ったように、グリーンパスを完全に廃止し、感染者が再び急増したときにだけ復活させるのは「間違い」であるとも述べている。
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