4月4日・5日のG7内務大臣会合主要テーマ
今年8月にフランス・ビアリッツで開催されるG7首脳会議(サミット)を前に、複数の関係閣僚会議が4月4日からスタートしている。まず4日から5日にかけては、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダのG7(主要7カ国)の内務大臣による会合がフランス・パリで開かれる。2017年のイスキア(イタリア)と2018年のトロント(カナダ)の後、内務大臣が「G7」形式で会合するのは今回3回目となるが、今年は何について話し合われるのか、フランスの各メディアが取り上げている。
『20ミニュット』によると、今回話し合われるテーマは、テロの脅威、外国人ISIS戦闘員とその家族の扱い、「テロ目的と暴力的な過激主義」のためのインターネット使用に対する戦い、移民の密売と密輸業者ネットワーク、そして環境犯罪(違法な森林伐採、廃棄物の輸送、野生動物や植物の搾取など)に対する戦い、と多岐に渡る。
『ル フィガロ』は、パリ会議では、特に国内外からのテロの脅威やイラク・シリア地域からのISI外国人戦闘員の帰国問題など、過去の会議で既に議論されたトピックについての「協議、調整、交流」を深める機会になるとのフランス内務省の発表を報じている。...
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『20ミニュット』によると、今回話し合われるテーマは、テロの脅威、外国人ISIS戦闘員とその家族の扱い、「テロ目的と暴力的な過激主義」のためのインターネット使用に対する戦い、移民の密売と密輸業者ネットワーク、そして環境犯罪(違法な森林伐採、廃棄物の輸送、野生動物や植物の搾取など)に対する戦い、と多岐に渡る。
『ル フィガロ』は、パリ会議では、特に国内外からのテロの脅威やイラク・シリア地域からのISI外国人戦闘員の帰国問題など、過去の会議で既に議論されたトピックについての「協議、調整、交流」を深める機会になるとのフランス内務省の発表を報じている。
外国人戦闘員の取り扱いについては、イスラム国家(IS)の最後の砦であったバグズの崩壊や米国のシリア撤退発表ゆえに、各国に早急な対応が求められている。
しかし、『ル フィガロ』はG7メンバーが外国人戦闘員の取り扱いや出身国への帰国について同じ声で話すには程遠いと指摘している。「米国は、外国人戦闘員は各々の出身国が管理し、出身国内で裁かれることを求めている。フランスは、犯罪が行われ国で加害者が裁かれることを望んでいる。フランスはまた、 クルド人達が要望しているシリアでの国際法廷の設立には消極的だ。」と報じている。
また同紙によると、G7のメンバーが自分たちの立場を収束しようとするもう一つのポイントは、「テロ目的と暴力的な過激主義のためのインターネット使用との闘い」だ。 フランス内務省では、ネットの大手企業との協力に基づくアメリカのアプローチは、その「限界」を示していると考えられている。 逆に、パリ、ベルリン、ロンドンは、1時間以内にオンライン上の「テロコンテンツ」削除を要求するヨーロッパレベルでの法律を支持している。 フランス内務省によると、「プラットフォームが主要な役割を果たしている」ため、グーグル、マイクロソフト、ツイッター、フェイスブック社の各担当者がパリでこの問題について話し合う場に参加する予定となっている。
4月6日以降は、外務大臣会合、環境大臣会合、男女平等大臣会合など、各分野の関係閣僚会議が続けて開催される。
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フランス、薬による失恋治療が可能に
『ル パリジャン』によると、カナダのアラン・ブルネ(Alain Brunet)教授が、薬のプロプラノロールを含む、心的外傷後のストレス障害を軽減するとされる新薬を開発したという。失恋や離婚などにより受けた心的外傷を治す薬として処方される。カナダでは既に治療が提供されており、同教授は今年の1月から、フランスの医療専門家らを養成している。
『20ミニュット』によると、もともと高血圧の治療に使用される薬、プロプラノロールは、1960年代に発見され、2016年にパリ公立病院の医師による臨床試験の一環として再発見された薬だ。...
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『ル パリジャン』によると、カナダのアラン・ブルネ(Alain Brunet)教授が、薬のプロプラノロールを含む、心的外傷後のストレス障害を軽減するとされる新薬を開発したという。失恋や離婚などにより受けた心的外傷を治す薬として処方される。カナダでは既に治療が提供されており、同教授は今年の1月から、フランスの医療専門家らを養成している。
『20ミニュット』によると、もともと高血圧の治療に使用される薬、プロプラノロールは、1960年代に発見され、2016年にパリ公立病院の医師による臨床試験の一環として再発見された薬だ。
このプロプラノロールは、パリ公立病院(APHP)の医師らが、パリ同時多発テロ事件やニーストラックテロ事件の生存者360人を対象とした臨床試験の中で使用された。その臨床試験を通して、プロプラノロールによって心的外傷性記憶の再活性化が減少することが確認されたのである。
ブルネ教授は現在、愛の傷心を負う人にもその治療を提供している。同教授は、『ル パリジャン』のインタビューで次のように答えている。「愛の傷心は、軽く思われがちです。 しかし、一部の人はうまく対処できても、奈落の底に落とされたように感じる人もいるのです。そういう人は心的外傷後のストレス障害のように、適応障害を引き起こすことがあるのです。」
治療法は、いたってシンプルだ。まず薬を飲み、効いて来るのを待ってから、事前に患者自らがまとめたトラウマとなっている思い出、患者にとって最も受け入れがたい出来事について、本人が声を出して読み上げる。この治療を週に1回、6週間続ける。患者がトラウマを読み上げ、再体験するたびに、その記憶が患者の「深い記憶」の中に入る前に薬がその記憶を傍受し、記憶に伴う痛みを消していく、という原理だ。そして6週間後には、患者はストレス障害から解放されている。
この治療は、専門的な訓練を受けた専門精神科医または心理学者のもとで行われ、妊婦には、薬の処方は推奨されていない。
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