日本の漫画、コロナ禍のフランスで漫画販売9%増に貢献
新型コロナウイルスのために3回目のロックダウンが検討されているフランスで、漫画の売り上げが絶好調だ。2020年、新型コロナウイルスのパンデミックの中でも売り上げを9%伸ばしており、昨年フランスで購入された本の5冊に1冊を占めた。
日刊紙
『ル・モンド』や金融紙
『レゼコー』によると、1月29日から30日にかけて開催されるアングレーム国際漫画祭にあわせて、ドイツの GFKインスティテュートが漫画業界に関する調査結果を公表した。調査によると、出版業界全体はパンデミックによる外出規制や書店の閉店などの影響を受けて、2020年に売り上げが5%縮小した。一方漫画業界は、売り上げを伸ばしている。
2020年に売上高は6%増加し、5億9100万ユーロ(約748億円)に達した。...
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日刊紙
『ル・モンド』や金融紙
『レゼコー』によると、1月29日から30日にかけて開催されるアングレーム国際漫画祭にあわせて、ドイツの GFKインスティテュートが漫画業界に関する調査結果を公表した。調査によると、出版業界全体はパンデミックによる外出規制や書店の閉店などの影響を受けて、2020年に売り上げが5%縮小した。一方漫画業界は、売り上げを伸ばしている。
2020年に売上高は6%増加し、5億9100万ユーロ(約748億円)に達した。販売部数で言えば9%増加しており、5,310万部という新記録を打ち出した。漫画本は、出版業界で2016年から最も急成長している分野で、出版業界の売り上げの約18%を占めるようになっている。漫画本は現在、フランスで購入されている本の5分の1近くを占めている。
その中でも日本の漫画は昨年18%の成長を記録しており、最もダイナミックな成長を遂げているジャンルとなっている。「ONE PIECE」と「ナルト」は漫画本売り上げ上位1位と2位の座を占めており、「鬼滅の刃」「ドラゴンボール超」「僕のヒーローアカデミア」などもベストセラーとなっている。フランスで購入されている漫画本の2冊に1冊は日本の漫画になっている。
オンラインニュースサイト『20ミニュットfr』によると、日本の漫画以外の漫画本ベストセラーは、西部劇漫画「ラッキー・ルーク」、リビアやシリアでの幼少期を描いた「未来のアラブ人」、SF探偵漫画「ブレイク&モーティマー」、古代ローマ時代の冒険コメディ漫画「アステリックス」などがランクインしている。
特筆すべきは「購入された漫画の65%が30代以下をターゲットにした漫画であり、その割合は2019年と比べて6ポイント上昇している」こと。漫画の好調な売り上げを支えているのは若い読者層であることが分かる。
『レゼコー』によると、一般的な漫画本の読者層は15歳~29歳と30歳~49歳がそれぞれ39%となっている。一方で、テーマ別の漫画は、15歳~29歳、30歳~49歳、50歳以上の購入がほぼ同率であり、幅広い読者層をカバーしているのが分かる。GFKのシニアコンサルタントであるカミーユ・オリオ氏は、「それぞれの漫画カテゴリーには独自の読者層が存在しており、漫画本は生涯を通して楽しむことが出来る本であることを示している」と述べている。
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フランス警察、大統領の殺害を提案する「脱出ゲーム」の考案者を勾留
フランスのトゥールーズで、ゲーム参加者にマクロン大統領を誘拐して殺害するか釈放するかを選択させる体験型脱出ゲームが提供されていた。この内容が原因で、ゲーム考案者で管理人でもあるカミーユさんが警察に勾留され、取り調べを受けた後に釈放されたという。
『フランス アンフォ』、
『20ミニュットfr』や
『クローサー』など多数のフランスメディアが報じたところによると、フランス南部のトゥールーズでは、参加者を楽しませるために、奇抜なシナリオの体験型脱出ゲームが提供されていた。
「大統領の誘拐」と題された体験型脱出ゲームでは、フランスのマクロン大統領のマネキンが登場する。顔が腫れ上がり、車椅子に縛られているマネキンの大統領に対し、参加者は3つの選択肢が与えられる。...
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『フランス アンフォ』、
『20ミニュットfr』や
『クローサー』など多数のフランスメディアが報じたところによると、フランス南部のトゥールーズでは、参加者を楽しませるために、奇抜なシナリオの体験型脱出ゲームが提供されていた。
「大統領の誘拐」と題された体験型脱出ゲームでは、フランスのマクロン大統領のマネキンが登場する。顔が腫れ上がり、車椅子に縛られているマネキンの大統領に対し、参加者は3つの選択肢が与えられる。選択肢1は「ペルランパンパンの粉」を飲んで大統領を解放する。これは、大統領選挙直前に行われた討論会で、マクロン大統領が使用した表現をネタにしたもので、全く効果のないインチキ薬を指している。選択肢2は、刑法を使って刑務所に入れる、そして選択肢3は、黄色のベストの切れ端で作られている火炎瓶を使って大統領を殺す。これは、2019年にフランス全土に広がった黄色いベスト運動をネタにしたものである。
2019年の8月から提供されていたこの脱出ゲームの考案者は、あくまでも娯楽を目的としたものだったと話しているが、トゥールーズ市の日刊紙がゲーム内容を取り上げたことから、注目を集めるようになり、警察に身柄を拘束され、取り調べを受けるようになってしまった。
7時間ほど拘束された後、釈放されたが、ゲームを提供していた施設は家宅捜索され、
28日に営業が再開されたという。ただし、内容は刷新され、マクロン大統領の蘇生の試みも含まれる新しい体験型ゲームになっている。新しいゲームでは、同じ大統領のマネキンを使用するが、死んでしまった大統領を生き返らせたい場合は蘇生方法を選択し、数人の容疑者の中で誰が暗殺を犯したかを見つけることが目的になっている。なお、容疑者は、フェミニストの魔女、左翼のゾンビ、「共和国前進」党の幽霊、金融界の吸血鬼、突然変異するハッカーの誰かという設定になっている。
カミーユさんは釈放されたものの、今後、ゲーム参加者達に大統領を殺すように扇動しなかったことを証明しなければならず、少なくとも5人のゲーム参加者の証言を集めることが必要になるという。
検察局は、カミーユさんは度を過ぎた内容のものを提供していたことを認めた上で、実際の大統領に直接的または間接的に危害を加える意図は全くなかったと説明していることを発表した。
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