理由は、南アフリカがロシアの友好国で、ウクライナ戦争を非難することをこれまで拒否してきた経緯があり、8月末のBRICSサミットにはプーチン大統領を南アフリカに招きたいと考えていた。
しかし、南アフリカはICCの加盟国であるため、プーチン大統領が南アフリカの土を踏んだ途端に、プーチン大統領を逮捕する義務が発生する。
ただし南アフリカがプーチン大統領を逮捕することはありえないと考えられる。...
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理由は、南アフリカがロシアの友好国で、ウクライナ戦争を非難することをこれまで拒否してきた経緯があり、8月末のBRICSサミットにはプーチン大統領を南アフリカに招きたいと考えていた。
しかし、南アフリカはICCの加盟国であるため、プーチン大統領が南アフリカの土を踏んだ途端に、プーチン大統領を逮捕する義務が発生する。
ただし南アフリカがプーチン大統領を逮捕することはありえないと考えられる。
南アフリカとしては、BRICSサミットの開催に際してのICCのプーチン大統領の逮捕状に対する対応策をICCと相談している。ちなみに、南アフリカ外務大臣は、ICCにこの問題に関し、法律上の見解を問い合わせていると語った。
なお、南アフリカが、今回もしICCの規定に背いたとしたなら、これが最初のケースではなく過去にも前例があったという。2015年、南アフリカは、元スーダン大統領のオマール・エルーバシール氏を逮捕しなかった。さらに、2016年には、ICCから脱会することも視野に入れていたという。
‘民主連合’は、南アフリカの野党第一党でウクライナを支持しているが、ラマフォサ大統領に対して、単にプーチン大統領のBRICSサミットへの参加を拒否すれば済むことだと主張している。それに対して、過激な野党‘自由経済闘争党’はプーチン大統領を8月末のBRICSサミットに招き入れたいと考えている。
なお、南アフリカとロシアの外交関係は‘アバルトヘイト’と呼ばれた人種隔離政策の時代に遡る。その頃、旧ソ連は、人種差別主義の政権に対抗していた‘アフリカ民族会議党’ANCを支持した。与党のANCは、特にプーチン大統領のBRICSサミットへの参加について特に言及していないが、現政権が早く態度を明確にすることを望んでいる。ともあれ、BRICSサミットまで、後5か月に迫っている。
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3月22日付
『AP通信』:「中国がロシアを支持する中、岸田首相がウクライナへの支援を表明」:
岸田首相が21日キーウを電撃訪問した。一方、中国の習主席はロシアでプーチン大統領と会談、二重外交が繰り広げられた。約800キロ隔て行われた2カ国への訪問に、13ヶ月に及ぶ戦争の背景がよく表われている。
習氏とプーチン氏は、中国との和平合意での進展は示せなかったが、プーチン氏は、西欧次第で戦争終結にむかう基礎になりうる合意だと述べている。...
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3月22日付
『AP通信』:「中国がロシアを支持する中、岸田首相がウクライナへの支援を表明」:
岸田首相が21日キーウを電撃訪問した。一方、中国の習主席はロシアでプーチン大統領と会談、二重外交が繰り広げられた。約800キロ隔て行われた2カ国への訪問に、13ヶ月に及ぶ戦争の背景がよく表われている。
習氏とプーチン氏は、中国との和平合意での進展は示せなかったが、プーチン氏は、西欧次第で戦争終結にむかう基礎になりうる合意だと述べている。米国当局は、中ロの和平プランは、停戦はロシアの領土支配を認めるもので、また反撃の時間を与えるものだとし、受け入れられないとしている。
岸田氏との会談後、ゼレンスキー氏は報道陣に対し、中国へ和平案を送ったが、返事がない、具体的な対話の可能性はないとした。岸田氏は、ロシアの侵攻を「国際法秩序の基盤をむしばむ不名誉な行為」とし、戦争が終結に至るまでウクライナへの支援を継続すると表明した。
ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、21日「2つの対極的なEUと太平洋地域のパートナーシップ」が築かれたと述べた。国際刑事裁判所によるプーチン氏への逮捕状を念頭に、「岸田氏は自由を支持し、習氏は戦争犯罪を支持している」とツイッターに投稿。中ロ両国は人権問題で国際的な批判を受けている。
5月にG7サミットを主催する岸田氏は、G7首脳で最後にウクライナを訪問する首脳となった。インドでモディ首相との会談を終えた数時間後、ポーランドから電車で移動。習氏とプーチン氏が晩餐会を行う数時間前、岸田氏は残虐行為のあったブチャの教会で献花していた。
日本は、対中国、対ロシアで領土問題を抱え、特に中国とロシアの関係を懸念している。中ロは日本近海で合同軍事演習も行っている。
岸田氏が戦後の首相として戦闘地域を訪問した最初の首相となった。平和憲法により、ウクライナへの支援は人道的物資供給など限定的なものとなっている。日本は中国軍が覇権を主張する東アジアに戦争の影響が及ぶことを懸念している。中国外務省の報道官は、「日本が情勢の沈静化に有益なことを行うよう望む」としている。
3月21日付米『ニューヨーク・タイムズ』:「G7首脳として最後にウクライナを訪問した岸田首相」:
国際情勢においてより積極的な役割を果たそうとする日本の岸田首相がウクライナを電撃訪問、G7首脳として最後に同国を訪問する首脳となった。
ロシアによるウクライナ侵攻により、地政学的な情勢不安が増したことで、日本の外交、軍事政策は大きな変化を遂げた。政治家も国民も、北朝鮮からの挑発や、中国による台湾侵攻など、周辺諸国の危機への準備不足を懸念している。
ウクライナ侵攻により、日本はその多くを輸入に頼る食料やエネルギーで、他国への依存への懸念が生じている。侵攻後は天然ガスの価格が急騰し、電気料金も値上がりしている。
憲法により軍事活動への従事は制限され、国民は平和主義からの転換を示す政策へ抵抗してきたが、防衛費をNATO加盟国と並ぶGDP比2%へ増強。アジア太平洋地域の軍事危機で、より積極的な役割を果たす準備とみられている。また、G7諸国と並び、ロシアへの制裁を課し、ウクライナへ非戦闘物資や財政支援を行っている。
日本では首脳の行動は通常、かなり前から詳細に報道されており、首相が秘密裏に外国を訪問するのは非常に稀なことである。
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