アジアで熱波続く
アジアでは10カ国以上で最高気温を更新するなど、数週間にわたって猛烈な熱波が続いているという。
4月27日付
『Yahooニュース』:「猛烈な熱波でアジアの夏に不安」:
アジアの10カ国以上で最高気温を更新、ここ数週間インド、中国、タイ、ラオスなどの南・東南アジアで高温が続いているという。
世界の3分の1の人口が気候変動の影響による熱波に苦しんでおり、専門家は4月の熱波は今夏のさらなる猛暑への「警告サイン」だと指摘する。国際統合山岳開発センター(ICIMOD)のシャルマ気候環境学者は、「人間の活動による気候変動はアジアでの熱波の増加の主な要因となっている。...
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4月27日付
『Yahooニュース』:「猛烈な熱波でアジアの夏に不安」:
アジアの10カ国以上で最高気温を更新、ここ数週間インド、中国、タイ、ラオスなどの南・東南アジアで高温が続いているという。
世界の3分の1の人口が気候変動の影響による熱波に苦しんでおり、専門家は4月の熱波は今夏のさらなる猛暑への「警告サイン」だと指摘する。国際統合山岳開発センター(ICIMOD)のシャルマ気候環境学者は、「人間の活動による気候変動はアジアでの熱波の増加の主な要因となっている。インドやタイでは休校や生産性低下に加え、死者も発生している」とする。
4月中旬、タイ西部のタク州では気温が44.6℃に達した。一方、ラオスでは、2日連続過去最高気温を更新。バングラデシュのダッカで41℃、インドのプラヤグラジで45℃、ミャンマーのカレワで44℃となった。
中国では、長沙と福州で浙江省で4月として最高気温を更新した。パキスタンでは23日、7つ都市で40度以上を記録するなど、アジア各地で夏の猛暑への脅威が高まっている。インドの気象庁は今年、昨年の記録的熱波以上の暑さとなると予測しており、2月時点で既に同時期として史上最高の暑さを記録している。
専門家は世界各地で2023年と2024年は気候変動やエルニーニョ現象により、平均気温を更新すると予測。I欧州の高山や氷河が溶け、大西洋の海氷が記録的な減少傾向にあるのも、気候変動の影響とみられる。
同日付英『Guardian』:「4月は史上最高気温記録、アジアで止まらぬ記録的熱波」:
アジアでは数週間、記録的熱波により学校が休校となり、電力使用上昇が起きている。4月の記録的気温は中国や南アジアのタイ、ミャンマー、ラオス、ベトナムで観測されている。
ミャンマーの4つの観測所では25日、月間最高気温を記録。タイでは先週末、当局がバンコク周辺地域を対象に体調を考慮したステイホームを呼びかけた。22日バンコクの気温は42度を記録、湿度と合わせた体感温度は54度に達したという。高温によりタイでは電力消費が記録的に増え、4月6日は昨年4月の32,000メガワットを超える39,000メガワット以上となった。
フィリピンでは、パンデミックにより始業時期が変更されたため、学生らは最も暑い数ヶ月を学校で過ごすことになる。先月、39~42度の気温下、避難訓練に参加した100人以上の学生が脱水症状を起こし病院で治療を受けた。
世界的に、2022年は記録史上最も暑い年の一つとなった。過去8年間は、現代科学で議論が活発化、今年エルニーニョ現象が再び起きることで、更に気温が上昇するとみられている。
政府間作業部会の専門家は気候変動問題として、特にヒンドゥークシュヒマラヤ地域への影響を懸念している。この地域は世界で3番めに大きな凍結水があり、平均の2倍の温暖化が起きているという。
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欧州気象学専門家、2023年に地球上の平均気温が史上最高値更新の恐れと警告【欧米メディア】
世界気象機関(WMO、1950年設立の国連専門機関)は4月21日、2015~2022年の8年間の平均気温が観測史上最も高くなったと発表した。これを受けて欧州気象学専門家らが、今年後半に再発すると見込まれるエルニーニョ現象(注1後記)の影響で、2023年の平均気温が2016年の記録を更新して史上最高となる恐れがあると警告している。
4月21日付
『ロイター通信』は、欧州の気象学専門家らが、2023年、あるいは2024年の平均気温が史上最高値を更新する恐れがあるとコメントしたと報じている。
気候モデルに照らすと、太平洋海域で発生し3年ほど続いたラニーニャ現象が終わり、今年後半にはエルニーニョ現象が発生すると予測されている。
前者では、地球上の平均気温を少々低くし、後者の現象では逆に温度上昇がもたらされるとされている。...
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4月21日付
『ロイター通信』は、欧州の気象学専門家らが、2023年、あるいは2024年の平均気温が史上最高値を更新する恐れがあるとコメントしたと報じている。
気候モデルに照らすと、太平洋海域で発生し3年ほど続いたラニーニャ現象が終わり、今年後半にはエルニーニョ現象が発生すると予測されている。
前者では、地球上の平均気温を少々低くし、後者の現象では逆に温度上昇がもたらされるとされている。
欧州連合(EU)傘下のコペルニクス気候変動研究所(2018年設立)のカルロ・ブオンテンポ理事(2019年就任)は、“これまでの記録では、エルニーニョ現象は気温上昇をもたらしてきていることから、2023年、あるいは2024年には地球上の平均気温の更なる上昇が引き起こされると懸念する”と表明した。
更に、強烈なエルニーニョ現象が今年後半にかけて発生すると予想される、とも付言している。
専門機関の公表データによると、温室効果ガスの影響によって、2022年までの直近8年間の平均気温が史上最高となっている。
従って、気象現象に無関係に平均気温の上昇がもたらされていることから、今回のエルニーニョ現象の発生によって、2016年に記録された過去最高の平均気温を上回る事態となる恐れが見込まれる。
インペリアル・カレッジ・ロンドン(1907年設立の英国理工系大学)気候変動研究機関のグランサム研究所のフリーデリク・オットー上級講師(40歳)は、エルニーニョ現象によって、これまで異常気象に見舞われていた国々で、更に厳しい熱波、干ばつ、山火事が発生する恐れがある、とコメントした。
同講師は、“このため、人類が化石燃料を引き続き使い続ける限り、2023年の平均気温が、過去最高値を記録した2016年を上回る可能性が高い”と警告している。
なお、欧州では2022年、夏季の最高温度を更新し、パキスタンは未曾有の大洪水に見舞われ、また、今年2月には、南極の海氷が史上最低レベルになってしまっている。
(注1)エルニーニョ現象:中央太平洋及び東太平洋の熱帯域で発生する海面水温が上昇しては下降する振動。その結果、西太平洋に高い気圧をもたらし、東太平洋には低い気圧をもたらし、そのために発生した偏西風によって本来冷水海域の南米ペルー沖に赤道方面から暖かい海水が流れ込み、平均水温が1年余り平年より高い状態が続く現象。これまでの記録で、エルニーニョ発生時に地球上の平均気温が高くなり、一部地域に極端な少雨・干ばつ、また別の地域に豪雨をもたらす異常気象が発生している。
(注2)気候モデル:地球上の大気、海洋などの気候を長期的・量的にシミュレーションするもので、1950年代に研究開始。将来の気候現象や気候変動を予測するために使用される。
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