ニュートリノ研究で梶田氏がノーベル物理学賞(2015/10/07)
今年のノーベル物理学賞は、素粒子ニュートリノに質量があることを証明した東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長ら2人に贈られることが決定し、海外メディアはこのニュースを大きく報道している。
10月6日付
『CNNニュース』は、今年のノーベル物理学賞が“ニュートリノに質量があることを示すニュートリノ振動を発見した”功績により、東京大学の梶田隆章氏とカナダ・クイーンズ大学のアーサー・マクドナルド名誉教授に贈られると報じた。
ノーベル賞委員会は、この発見は物質についてのこれまでの理解を変えるものであり、ひいては宇宙についての考えを変える可能性がある大発見であると評価している。両氏は、ニュートリノが変性することを証明したが、この変性はニュートリノが質量を持つことに他ならない。...
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10月6日付
『CNNニュース』は、今年のノーベル物理学賞が“ニュートリノに質量があることを示すニュートリノ振動を発見した”功績により、東京大学の梶田隆章氏とカナダ・クイーンズ大学のアーサー・マクドナルド名誉教授に贈られると報じた。
ノーベル賞委員会は、この発見は物質についてのこれまでの理解を変えるものであり、ひいては宇宙についての考えを変える可能性がある大発見であると評価している。両氏は、ニュートリノが変性することを証明したが、この変性はニュートリノが質量を持つことに他ならない。この発見は物質の究極の単位の作用についての理解を変えるものであり、宇宙の成り立ちの解明の手掛かりになり得るものである。ニュートリノは、電荷を持たない素粒子であり、ほとんど相互作用なく物質中を光とほぼ同じ速度で透過する。また、ニュートリノは他の物質との相互作用が非常に弱いので、光や電波などのエネルギーが通過できない環境を透過することができる。
10月6日付
『FOXニュース』は、梶田隆章氏とカナダのアーサー・マクドナルド氏が、これまでニュートリノには質量が無いとされた説を覆し、質量があることを証明した功績でノーベル物理学賞を受賞すると報じている。ノーベル賞の約96万ドルは両氏で等分する。
ニュートリノには3つの“フレーバー”と呼ばれるタイプがあり、2人はニュートリノが別のタイプに変性することを証明したが、変性するためには質量がなければならない。ニュートリノの存在は1956年に初めて証明された。ニュートリノは宇宙のあらゆる場所から地球に到達するが、その殆どは太陽内部の核分裂によって造られたもので、1秒間に数兆個が人体を透過する。梶田氏は1998年に、地球内部で造られたニュートリノをスーパーカミオカンデ装置で捕捉し、それらが他のタイプに変性したことを証明した。3年後、カナダのニュートリノ観測所でマクドナルド氏も太陽由来のニュートリノが変性したことを確認した。
ドイツのカールスルーヘ研究所のニュートリノ研究者であるグイド・ドレクスリン氏は、「ニュートリノは、電子より数百万倍も軽いが、我々はその重さを確定したい」と語っている。
10月6日付
『新華社通信』は、2人のノーベル物理学賞受賞決定とその研究業績を紹介している。
それによると、梶田氏は1990年代後半に大気中のニュートリノが変性するという仮説を立て、スーパーカミオカンデを使ってそれを証明した。この装置は、岐阜県飛騨市の神岡にあり、プロトン(陽子)の減衰、太陽及び大気ニュートロン、銀河の超新星を観測するための研究施設である。
一方、アーサー・マクドナルド氏のチームは太陽から放出されたニュートロンは地球に到達するときに消滅するのではなく、変性することを証明した。2つの研究の成果となるニュートリノ振動という革命的発見は、長らく物理学会で支配的であったニュートリノは質量が無いという学説を否定するものである。梶田氏とマクドナルド氏の発見は、宇宙の起源や形成、構造、終末という経過を理解するための手掛かりとなる新たなパラダイムであるとして、科学界はその研究業績を高く評価している。
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エジプト王家の谷でネフェルティティの墓を発見か?(2015/10/05)
ツタンカーメン王の墓の奥に隠し部屋があり、ネフェルティティ女王が埋葬されている可能性があると海外メディアが報じている。事実であれば世紀の大発見であり、エジプト政府も本格調査に乗り出した。
10月2日付
『ロイター通信』は、古代エジプトのツタンカーメン王の墓に2つの隠し部屋に繋がる通路があり、英国人の考古学者ニコラス・リーベス氏によるとその一つはネフェルティティ女王の墓の可能性があると報じた。もしそれが証明されれば、今世紀最大の発見である。リーベス氏は、ツタンカーメン王の墓はもともと王の義母とされているネフェルティティの墓であったが、ネフェルティティは壁で仕切られた奥に埋葬されていると思うと語っている。...
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10月2日付
『ロイター通信』は、古代エジプトのツタンカーメン王の墓に2つの隠し部屋に繋がる通路があり、英国人の考古学者ニコラス・リーベス氏によるとその一つはネフェルティティ女王の墓の可能性があると報じた。もしそれが証明されれば、今世紀最大の発見である。リーベス氏は、ツタンカーメン王の墓はもともと王の義母とされているネフェルティティの墓であったが、ネフェルティティは壁で仕切られた奥に埋葬されていると思うと語っている。
また、同氏はレーダーと赤外線画像を使って、実際に秘密の部屋が存在するのか、そして何を所蔵しているかが判断できると述べている。ツタンカーメン王は紀元前1323年に死去し、その墓が黄金のマスクとともに完全な形で1922年に英国人考古学者ハワード・カーターによって発見された。専門家はそれ以来、ツタンカーメン王の墓が他の王より小さく、その形が当時の女王の墓に似ていることについて、疑問を抱いてきた。エジプト学者は、ネフェルティティがどこで死去し埋葬されたか不明としている。女王は夫のアメンホテプ王より早く死去し、1912年に胸像が発見されたアマーナで埋葬されたと考えられてきた。しかし、最近では王より長生きし、短期間王位に就いたとの説が有力となっている。
一方、ネフェルティティのミイラは1898年に発見されエジプト博物館に所蔵されているとして、これに異を唱える考古学者もいる。また、ある考古学者は確かに秘密の部屋はあるが、そこにはネフェルティティではなくツタンカーメン王の実母が埋葬されていると推測する。
10月1日付
『CNNニュース』は、ツタンカーメン王の墓の奥にあるとされる秘密の部屋について、イアン・リー記者の現地レポートを報道している。それによると、昨年、マドリードにある芸術品修復の専門家がツタンカーメン王の墓の高精細映像を公開したが、考古学者のリーベス氏はこの画像を見て、まだ気付かれていない二つの入り口の影を示している可能性のある、壁のヒビを見つけた。「壁に挿絵が無ければ、壁を切り取ったことを示す線がはっきりと見えるはずで、最初に私はそれに気付いた。これは埋葬室に行くための入り口で、この壁の反対側にネフェルティティの墓があるに違いない」とリーベス氏は語る。
秘密の通路が発見されたとしても、すぐに発掘作業が始まるわけではない。エジプトのダマティ古代遺跡相は「ツタンカーメン王の墓を保護する方法を考えなければならない。まだどこから掘るのか分からない」と話す。すぐには結論が出そうにないが、リーバス氏の説が正しければ、ツタンカーメン王の墓は今後ネフェルティティの墓と呼ばれることになりそうだと報じている。
10月1日付
『USニュース&ワールドリポート』紙はAP電として、エジプト政府がレーダー装置を使用し、ツタンカーメン王の墓の奥にあるとされる秘密の部屋が、ネフェルティティの墓であるかどうかの調査をおこなうと報じた。美貌で有名なネフェルティティ女王の胸像は1912年に発見され、ベルリンのノイエス博物館に所蔵されているが、墓はまだ発見されていない。
エジプトの古代遺跡相は現地を視察した後、“即刻”非侵襲性レーダー装置を使用する計画を提案する意向を表明、早ければ11月までにツタンカーメン王の墓に設置すると述べた。
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