リオでジカ熱の拡大リスク低いとWHO(2016/06/15)
世界保健機関(WHO)は14日、8月から行われるリオデジャネイロ五輪・パラリンピック開催で、中南米で流行がみられたジカ熱の世界的感染拡大のリスクは「極めて低い」として、延期の必要はないとの結論を示した。開催が媒介する蚊の活動が弱いブラジルの冬期間な上、ブラジル当局が競技場や各施設内と周辺への対策を強化しているためリスクは更に低くなるとした。ジカ熱は妊婦が感染すると乳児の小頭症を患う恐れがあり、ワクチンはない。WHOは2月の緊急委員会で感染拡大を「国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」と宣言しており、開催延期の措置があるか、アスリートらも注目していた。祭典開催にあたりブラジル政府はリオへの38万人の観光客の訪問に期待をよせている。
6月14日付仏
『フランス24』(AFP通信引用)は「リオオリンピックでのジカ熱流行の危険低い、WHO」との見出しで、以下のように報道している。
・火曜、世界保健機構(WHO)のジカウィルス緊急委員会は、ブラジルのオリンピックによる世界への感染の危険は「極めて低い」と発表。8月のオリンピック開催で、南米で大流行した蚊を媒介とするウィルスへの流行の再燃が懸念が広がっていた。
・委員会は、デング熱やジカウィルスの感染力が弱いブラジルでの冬期間に開催されるオリンピックとパラリンピックでの感染拡大の危険は低いと結論づけた。...
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6月14日付仏
『フランス24』(AFP通信引用)は「リオオリンピックでのジカ熱流行の危険低い、WHO」との見出しで、以下のように報道している。
・火曜、世界保健機構(WHO)のジカウィルス緊急委員会は、ブラジルのオリンピックによる世界への感染の危険は「極めて低い」と発表。8月のオリンピック開催で、南米で大流行した蚊を媒介とするウィルスへの流行の再燃が懸念が広がっていた。
・委員会は、デング熱やジカウィルスの感染力が弱いブラジルでの冬期間に開催されるオリンピックとパラリンピックでの感染拡大の危険は低いと結論づけた。
・WHOは、ブラジル当局が「競技場や各施設内と周辺への対策を強化しているため、リスクは更に低くなる。国や地域をまたぐ通常の渡航や貿易への規制の必要性はない。」としている。一方で、競技が行われる地区での対策の強化促進を確実に遂行するようブラジルに勧告。
・ブラジルでは昨年の流行により、約150万人がジカウィルスに感染し約1300人の胎児に小頭症(脳の障害で頭が極端に小さい)が見つかった。
同日付英
『BBCニュース』は次のように報道している。
・WHOの専門家はオリンピック開催地をリオデジャネイロから移したり、延期や中止する必要はないとする。科学者の心配をよそにWHOは8月のブラジルの蚊の活動は比較的弱いと宣言。
・WHOは今年、ジカ熱の流行は国際的な公衆衛生上の緊急事態に該当すると宣言、妊婦にはオリンピック観戦のための渡航を避けるよう勧告。
・ブラジル政府はリオへの38万人の観光客の訪問に期待をよせている。
6月15日付豪
『RADIO AUSTRALIA』(AFP・ABC引用)は次のように報道している。
・多くの注目アスリートらがジカ熱への心配を表明している。「国際オリンピック委員会が大丈夫だと公表しているので問題ないはないと期待」、「(WHOの)太鼓判をうのみにしない。蚊にさされるだけで何かに感染するなんて恐ろしい確率」、「黄熱病のワクチンは打ったが、蚊でマラリアやジカにかかる可能性もあるなんて恐ろしい」などの声が聞かれている。
6月14日付米
『CBSニュース』は次のように報道している。
・数百万人の観客と1万人のアスリートの祭典が2ヶ月後に迫る中懸念が広がる。米国でのジカへの懸念は、690人の米国帰国者で感染がみられ、小頭症の乳児が出てから高まった。
・6月にはWHOは出産時の障害発生を避けるため、感染地域での女性に妊娠を遅らせるように勧告。
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パキスタンのラホールで自爆テロ、死亡者65人以上(2016/03/28)
パキスタン東部の旧都ラホールにある公園で27日、イスラム過激派による自爆テロが発生し少なくとも65人が死亡、300人余りが負傷した。現場はキリスト教の復活祭を祝う人々で賑わっており、タリバンの分派ジャマートゥル・アフラルが「キリスト教徒を狙った自爆テロ」であるとの犯行声明を出した。パキスタンではタリバンを含めイスラム武装勢力の掃討作戦が進められてきたが、残虐なテロ事件はむしろ増えており、最近は少数派のキリスト教徒など狙ったテロが頻発している。
27日付
『ザ・ニューヨークタイムズ』紙は、パキスタンのラホールで発生したタリバンによる自爆テロで少なくとも69人が死亡し300人以上が負傷したと報じた。
爆発は、キリスト教復活祭を祝う家族連れで賑わうラホール市内の公園のブランコの近くで発生した。パキスタン・タリバン運動ジャマートゥル・アフラルは、キリスト教徒を標的に攻撃したとの犯行声明を出した。
パキスタンでは今月だけでも3件の爆弾テロが起きている。...
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27日付
『ザ・ニューヨークタイムズ』紙は、パキスタンのラホールで発生したタリバンによる自爆テロで少なくとも69人が死亡し300人以上が負傷したと報じた。
爆発は、キリスト教復活祭を祝う家族連れで賑わうラホール市内の公園のブランコの近くで発生した。パキスタン・タリバン運動ジャマートゥル・アフラルは、キリスト教徒を標的に攻撃したとの犯行声明を出した。
パキスタンでは今月だけでも3件の爆弾テロが起きている。過去2年間にわたり軍隊がイスラム過激派の掃討作戦をおこなってきたが、未だにその脅威は除かれていない。自爆テロは、5年前に政治家のサルマン・タシール氏を殺害した犯人のマリク・カドリが2月に処刑され、これに抗議する大規模なデモが国内で行われているときに発生した。国民はジハードによる一般市民への度重なる攻撃を深刻に受け止めているが、その一方、テロリスト処刑への抗議行動をおこなうなどイスラム過激派への支持も根強く残っている。
殺害されたタシール氏は、同国のイスラム教冒涜禁止法が宗教的少数派の迫害に利用されているとして、同法の廃止を訴えていた。しかし、大多数のパキスタン人にとって同法を改定すること自体が犯罪的行為であり、テロ犯は逆に正当化される。これまでにも、テロ犯カドリの処刑への報復として、自爆テロが裁判所内で起き16人が死亡、政府職員を乗せたバスが爆破され14人が死亡するなどの事件が起きている。
28日の
『BBCニュース』は、ラホールで発生した自爆テロについて、タリバンの分派ジャマートゥル・アフラルによるキリスト教徒を狙った犯行であると報じている。
同グループは、最近市民を狙ったテロ事件を引き起こしている。犯行声明では、シャリフ首相に対して彼らがラホールに侵入しているというメッセージを伝えたかったとして、更に攻撃をおこなうと予告している。
当時公園は、キリスト教徒が遊園地で復活祭を祝うなど人出が多かった。自爆したテロ犯は一人で、ラホールの公園の子供の遊び場に近い正面入り口付近で爆発が起きた。爆弾は威力を増すためボールベアリングが詰められおり、多くの子供が犠牲となった。
27日の
『CBSニュース』は、パキスタンのタリバンから分裂したグループによるラホールでの自爆テロで、多くの子供を含む65人が死亡し、300人以上が負傷したと伝えている。シャリフ・パンジャブ州知事は3日間を服喪のための休日とすると宣言した。
昨年、ラホールで日曜礼拝帰りのキリスト教徒を狙った2件の爆発テロが起き、十数名が死亡した。警察の話では、その後、タリバンへの密告者と疑われた男2人が怒ったキリスト教徒らによって、リンチを受け1人が殺害された。また、若い暴徒が店やバスを襲おうとした。パキスタンでは、同国が米国のイスラム過激派掃討に参加して以来、イスラム武装勢力によるキリスト教徒などの非イスラム教徒に対する襲撃事件が頻発している。
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