中国の有人飛行船がドッキング成功(2016/10/19)
中国で、17日にゴビ砂漠から打ち上げられた有人宇宙船「神舟11号」が、19日、高度393キロ付近で先月打ち上げられた宇宙実験室「天宮2号」と自動ドッキングし、2人の宇宙飛行士が実験室に入った。香港の中学生らが計画したカイコの実験を含む3つの科学研究が行われる予定。
中国政府は、宇宙開発計画を優先課題に位置付け、あくまで平和的目的だと主張しているが、米国防総省は、宇宙の資産を他国から独占する意図があるとみている。実験室のドッキングで世界で第3番目となった中国は、独自の宇宙ステーションの「コアモジュール」を2018年ごろの打ち上げ予定、2022年稼働を目標に掲げ、今回のドッキング成功は順調な開発のステップとなった。
10月18日付米
『ABCニュース』(ロイター通信引用)は「神舟11号:中国有人「宇宙の夢」計画が宇宙実験室とドッキング成功」との見出しで以下のように報道している。
・中国国営放送「新華社」は、有人宇宙船「神舟11号」の宇宙実験室「天宮2号」とのドッキングが成功、2人の宇宙飛行士が実験室入りし、中国は米国、ロシアに次ぎ3番目にドッキングに成功した国であると報道。
・宇宙飛行士らは宇宙船で中国では最長の30日間滞在(宇宙では全33日間)予定。...
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10月18日付米
『ABCニュース』(ロイター通信引用)は「神舟11号:中国有人「宇宙の夢」計画が宇宙実験室とドッキング成功」との見出しで以下のように報道している。
・中国国営放送「新華社」は、有人宇宙船「神舟11号」の宇宙実験室「天宮2号」とのドッキングが成功、2人の宇宙飛行士が実験室入りし、中国は米国、ロシアに次ぎ3番目にドッキングに成功した国であると報道。
・宇宙飛行士らは宇宙船で中国では最長の30日間滞在(宇宙では全33日間)予定。2013年の有人宇宙計画では、「天宮1号」で3人の中国人宇宙飛行士が飛行とドッキングで15日間滞在。
・「神舟11号」は「神の船」との意味で、科学コンペで選出された香港の中学生が作った3つの実験道具(蚕を使うものを含む)を積んでいる。
・習近平主席は宇宙計画の推進は中国の優先事項だとし、あくまで平和的目的だと主張。
・米国防総省は、中国の宇宙開発には、非常時に他国から宇宙資源を独占しようとする意図があると強調。中国は軍事、商業、科学目的に宇宙開発を行うとするが、米国・ロシアへの競争心が顕著。
10月19日付中国
『新華社通信』は「神舟11号が宇宙実験室「天宮2号」とドッキング」との見出しで以下のように報道している。
・北京航空宇宙コントロールセンター(BACC)によれば、月曜朝中国北西のゴビ砂漠から打ち上げられた「神舟11号」が水曜午前1:11宇宙実験室「天宮2号」に接近、地上393キロで、午後3:31に自動ドッキングに成功した。
・BACCの副センター長は軌道推定には精密さが求められ、自動ドッキングは以前のドッキングよりも精密さが必要だと新華社に語った。
・「神舟11号」には2人の宇宙飛行士、景海鵬と陳東が載り、監視センターから、ドッキング作業を監視し報告した。宇宙船に入ってからは30日のミッションを行う予定。「神舟11号」は中国で6番目の有人宇宙船でこれまでで最長のミッションとなる。二人は宇宙で全33日間を過ごすことになる。
・中国のドッキング成功は、米国、ロシアに次ぎ第3番目。「天宮2号」は9月15日に打ち上げられ、中国で「厳密には」初の宇宙実験室だとされる。中国が2020年までに目標とする宇宙ステーション建設への大事なステップとなる。
10月16日付ロシア
『スプートニク』は「宇宙ステーション建設で中国がロシアの協力求む」との見出しで以下のように報道している。
・中国が、特に中国の宇宙ステーション建設において、ロシアの協力を仰いでいる。中国は、宇宙ステーションのコアモジュールを2018年に打ち上げる意向、2022年には使用開始を見込むという。
・中国有人宇宙開発センター副長は、宇宙船「神舟11号」の打ち上げ前の会見で「これまで有人飛行でロシア宇宙局の20以上の協力プロジェクトのおかげで実績を出してきた。今後は、宇宙ステーション建設での尚一層の協力と、宇宙飛行士の選考や訓練、科学実験等の分野でもロシアと交流を求める。」と述べている。
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オーストラリア南部で大規模停電(2016/09/29)
今月28日、オーストラリア南部の州で、強風と豪雨により、広範囲が停電に見舞われ、交通機関が大混乱に見舞われた。ほぼ回復しているが一部は復旧中だという。停電は、猛烈な風のため送電線が3箇所で切断され、送電塔が倒壊したことが原因だとされる。豪南部の電力は主に再生可能エネルギーで賄われ、風力発電が4割を占める。今年石炭発電所が廃止されたことから火力発電によるバックアップが不足していたことが停電を引き起こした可能性があるとされている。オーストラリアでは石炭発電所が主流で、国民一人あたりの二酸化炭素排出最大国の一つだったが、近年、再生可能エネルギーが徐々に普及。2020年までに再生可能エネルギーを33テラワット時に倍増する意向で、実現すれば太陽光発電、風力発電、水力発電が総エネルギーの4分の1となる。
9月29日付豪
『シドニーモーニングヘラルド』は「南オーストラリアで大停電」次のように報道している。
・水曜午後3時半ころから数時間、50年に一度の異常気象のため、南オーストラリア全体が数時間停電に見舞われた。交通機関では大混乱を招いた。
・地元メディアによると、信号機は止まり、豪の経済と交通の要所であるセントラル・ビジネス・ディストリクト(CBD)の交通網は麻痺し、建物の非常警報が鳴り響き、住民はスーパーで蝋燭やマッチを買占めた。...
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9月29日付豪
『シドニーモーニングヘラルド』は「南オーストラリアで大停電」次のように報道している。
・水曜午後3時半ころから数時間、50年に一度の異常気象のため、南オーストラリア全体が数時間停電に見舞われた。交通機関では大混乱を招いた。
・地元メディアによると、信号機は止まり、豪の経済と交通の要所であるセントラル・ビジネス・ディストリクト(CBD)の交通網は麻痺し、建物の非常警報が鳴り響き、住民はスーパーで蝋燭やマッチを買占めた。
・午後7時半にはアデレード近郊一部で電気は復旧、多くの地域では木曜早朝まで停電が続くと見られる。
・南豪のジェイ・ウェザリル首相は、停電は暴風雨により送電線が3箇所で切断され、送電塔の倒壊により送電網が遮断されたために起きたと説明。南オーストラリアのニック・セノフォン知事によると、国の電力の4割をまかなう風力タービンが強風で停止された。首相は南部の停電は「良くある事」だとメディアに述べた。
同日付豪
『ABCニュース』は「南豪の停電はどのようにして起きたのか?」との見出しで以下のように報道している。
・記者会見で南豪のジェイ・ウェザリル首相は悪天候により送電塔の一部が破損したと説明。大きな破損がシステム全体に影響したとした。最初は天候による破損だとしていたが、天候により基礎部分が破損。電力発電は正常に行われていた。
・南豪電力はネットワーク遮断が原因か調査中とし、インターコネクタの問題の可能性があるとしながらも、電力システムが遮断されたのは保護のためではないかと見ている。
・南豪の電力は風力発電、太陽光発電、火力発電でまかなわれている。石炭による発電は今年完全に廃止され、ピーク時に比べバックアップ用電力が減少。同地域では再生型電力とヴィクトリア州からのベースロード発電が主軸。
9月28日付
『ロイター通信』は「豪の州全域の停電で再生発電の是非に疑問浮上」との見出しで次の様に報道している。
・オーストラリア当局によると、停電は木曜朝までに9割復旧したが、強風と豪雨により停電が続く恐れもあるという。停電は強風で州北部の首都アデレードの主電力線が切断され、発電所がダメージを受けたことが原因。
・石炭発電所が主流で、国民一人あたりの二酸化炭素排出最大国の一つだったオーストラリア。近年では再生可能エネルギーが徐々に普及。南豪はワイン生産の基盤で、再生可能エネルギーへの依存が高い州の一つ。州の電力供給で風力発電は4割を占める。
・豪バーナビー・ジョイス副首相は「再生可能エネルギーへの依存が高すぎることで電力の安定供給に支障をきたしているのではとの問題を議論すべき」だと述べる。南オーストラリアのニック・セノフォン知事は、火力発電によるバックアップがあれば今回の停電は避けられたのかの可能性を調査するべきであると述べている。
・オーストラリアは大規模再生可能エネルギー発電を2020年までに33テラワット時に倍増する意向で、実現すれば太陽光発電、風力発電、水力発電が総エネルギーの4分の1となる。
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