アジアで初、台湾で同性婚合法化へ(2016/11/11)
アジアで初めて台湾(中華民国)で同性婚に関する法案の一部が可決する見込みで、同性カップルの社会保障拡大に期待が高まっている。世界では欧州や北米、南米の数十か国や一部地域で同性婚を異性間の婚姻と同等と扱っているという。台湾では、今年5月女性初総統に就任した葵英文総統が同性婚賛成の立場をとっており、与党民進党内の同性婚支持議員らが推進してきた。国内の調査では8割の若者が同性婚を支持しているという。しかし先週の世論調査では葵政権の支持率は過半数を割ったという。
11月10日付
『AP通信』は「アジアで初、台湾が同性婚合法化へ」との見出しで以下の様に報道している。
台湾(中華民国)ではこれまで乳幼児を持つ女性カップルがいると、そのうち1人が生物学上の母親で同居人は他人扱いであったが、同性婚が合法化されることで法的にも医療や教育でも決定権を持てるように変わる事となる。立法院は婚姻の平等実現のための3つの法案を審議中でそのうち1つはすぐにも可決される見込み。...
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11月10日付
『AP通信』は「アジアで初、台湾が同性婚合法化へ」との見出しで以下の様に報道している。
台湾(中華民国)ではこれまで乳幼児を持つ女性カップルがいると、そのうち1人が生物学上の母親で同居人は他人扱いであったが、同性婚が合法化されることで法的にも医療や教育でも決定権を持てるように変わる事となる。立法院は婚姻の平等実現のための3つの法案を審議中でそのうち1つはすぐにも可決される見込み。同性婚は初の女性総統の蔡英文氏が積極的に押し進めた。ある調査では20~29歳で同性婚を支持する人は約8割だそうで、4年前は5割強だった。
ここに台湾の多党制民主主義等への寛容さや、仏教徒に性別への厳格な規律が無いのが見て取れる。1990年代にフェミニズムの拡大により、ゲイやレズビアンが広く世に知られ始め、エリートは「性における平等」を支持するようになっていったが、台湾の有名人ではケビン・ツァイがゲイを公言しているくらいでそれほど多くない。
台湾も既に同性婚が合法であるカナダ、コロンビア、アイルランド、米国などの16か国の仲間入りをするだろう。しかし、アジアや中東の20か国では同性婚禁止は続くとみられる。
国内では合法化が進み歓迎の声がある一方で、厳格な原理主義のキリスト教教会や保守派議員からの反対もある。同性婚合法化で社会保障費が膨らみ児童へのしわ寄せがあるとの懸念を指摘する声もある。多くは老年期に支援をあてにできる子を持たないため、配偶者が死亡した場合残された方は政府からの支援を必要とするという。
同日付米
『ABCニュース』は「台湾が同性婚を合法化へ」との見出しで次のように報道している。
アジアで初めて台湾が同性婚合法化する方針。議会は婚姻の平等を推進する3つの法案を審議中で、そのうち一つが1月以内に可決する見通しとなった。葵総統は先月同性婚支持を表明。与党民進党内の同性婚支持者が議会での意見調整を図っており、これは人権における躍進だとする。
LGBT提唱団体によると、大学の調査結果では、台湾の8割の若者は同性婚に賛成しているという。過去2012年の調査では5.5割が賛成、4割弱が反対していた。
11月11日付台湾
『台北タイムズ』は「葵氏”不支持”が”支持”を上回る」との見出しで以下のように報道している。
蔡英文総統の支持率は5月の就任後初めて過半数を割った。シンクタンクにより先週行われた5回目の電話調査では、政権を「支持する」が前回8月の調査より約8%下がり40.6%、「支持しない」が(前回の)38%から42%に上昇し、初めて葵政権を支持しない人が支持する人を上回った結果となった。
過半数の6割強が政策には満足していると回答。一方では、中国人学生への国民皆保険(NHI)加入対象拡大法案や、同性婚を合法化する民法改正法案では意見が分かれた。約47%が「一つの中国」を進めるいわゆる「92年合意」を政府が受け入れる必要がないと回答。3割弱は必要と回答した。
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迷走するフィリピン外交(2016/10/25)
今月25日から来日するフィリピンのドゥテルテ大統領は、中国を訪問し「中国が頼り、アメリカと決別する」と発言し、米国と世界を不安にさせたが、米国側はフィリピンと引き続き同盟関係を維持し麻薬問題でも支援を行うが、米国の利益を損なわせないとするなど駆け引きが続いている。ドゥテルテ大統領も来日を前に「米国との同盟関係は続いている」と日本のメディアに語るなど、来日での言動に世界から注目が集まる。
10月25日付米
『ABCニュース』(AP通信引用)は「フィリピンのドゥテルテ氏は世界の関係を損なっている、米国」との見出しで次のように報道している。
アジア外交担当トップ、ダニエル・ラッセル東アジア・太平洋担当国務次官補は、比ドゥテルテ大統領の発言により、比政府の思惑が非常に不透明な状態が米国や世界の関係を損なっていると発言。ラッセル国務次官補は、物議を醸す発言の数々は米比、他各国、政府内だけでなく、民間企業や米国内のフィリピン人コニュニティでも明らかに不安を招いており、これは好ましくない事態だとし、フィリピンとの同盟関係を続ける努力と麻薬犯罪を含め支援を行う考えを示した。...
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10月25日付米
『ABCニュース』(AP通信引用)は「フィリピンのドゥテルテ氏は世界の関係を損なっている、米国」との見出しで次のように報道している。
アジア外交担当トップ、ダニエル・ラッセル東アジア・太平洋担当国務次官補は、比ドゥテルテ大統領の発言により、比政府の思惑が非常に不透明な状態が米国や世界の関係を損なっていると発言。ラッセル国務次官補は、物議を醸す発言の数々は米比、他各国、政府内だけでなく、民間企業や米国内のフィリピン人コニュニティでも明らかに不安を招いており、これは好ましくない事態だとし、フィリピンとの同盟関係を続ける努力と麻薬犯罪を含め支援を行う考えを示した。東南アジア訪問でダニエル国務次官補は、フィリピンのヤサイ外相と麻薬取締にともなう殺害について会談、また、ジョンケリー国務長官も電話で「両国の近況」について会談した。
ドゥテルテ政権内は官僚内でも混乱を起こすほど、一貫性がなく物議を醸しているが、米国との同盟を解消したいのではなく、ただ米国至上主義の外交政策とは決別したいという。
ジョン・カービー国務省報道官は、米比の軍事協定に言及。ヤサイ外相は米比軍事演習継続可能かとの質問にノーコメントとした。南シナ海のスカロボー礁を米比軍が監視すれば、中国への抑止の目となる。米比関係の緊張を解き和解を望むが、それを優先し米国の損害となる事態は好ましくない、とラッセル氏。ドゥテルテ大統領は先週中国との会談後スカロボー礁はフィリピンに戻される可能性があるとしていたが、中国側の条件には言及しなかった。当件で中国外交部ルカン報道官はノーコメント、中比間の政治交渉次第で解決されるとした。
10月24日付
『ロイター通信』は「フィリピンのドゥテルテ氏、日本訪問をひかえ対米策を軟化」との見出しで次のように報道している。
米国との「決別」を宣言した比ドゥテルテ大統領は、米国に背を向け中国に近づくフィリピン外交を懸念する日本を訪問予定だが、日本のメディアに対し「同盟関係は続いているので心配はいらない」と発言。この発言は安倍首相に歓迎されることだろう。岸田外務大臣は火曜ドゥテルテ大統領と会談する予定。
翌日に安倍首相は高官との正式会談後、2者会談の予定。
「日経新聞」は、ドゥテルテ大統領は(中国で米国との同盟解消に言及したのは)個人的意見を言ったもので、米国との決別は政府としての見解ではない、と述べ、中国とは貿易関係の同盟を結ぶ予定だという意味だと報道。しかし一方、「読売新聞」は、同氏は米比合同軍事演習をやめ、軍事協定を解消したいと強調したと報道。
安倍首相は残念だが日本のフィリピンへの貢献は変わらないとし、ジョン・ケリー米国務長官は米比関係解決の自信を示している。
10月25日付フィリピン
『フィルスター』は「ヤサイ外相: 独立外交は同盟解消ではない」との見出しで次のように報道している。
パセイ市で開かれた国連デーの行事演説で、ヤサイ外相は、自治権をもつ国は自国の現状にあわせ、自国で決断を下す権利がある。フィリピンは柔軟性と戦略バランスを保ち、国際法に従い、国益に最良の方法をとる。独立したプラグマティックな外交で、自国の利益を優先し同盟を拡大すると強調した。また、フィリピンは国際コミュニティに関わりながら、対立や相違を克服し近隣他国と共通の目的のため同盟や協力をしつつ一方、緊急の課題を解決する、とした。
国連について外相は、「国連は、国々の共通の課題への大綱を示し、有効な解決を模索するべきだ」とした。国連を巡っては、ドゥテルテ大統領が国連を脱退すると発言し、後に冗談だとしていた。
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