米高官の訪韓:米朝首脳会談は実現するか(2020/07/06)
米国務省の副長官で北朝鮮政策特別代表のビーガン氏が今週韓国を訪問するが、北朝鮮と接触する可能性もあることから、3回目の米朝首脳会談(2019年6月の板門店での米朝首脳の接触を含むと4回目)を行う方向に向かうのかが注目される。もっとも北朝鮮外務省の崔善姫第一次官は4日に「10月サプライズ」は空想の産物であり、朝米対話を自らの政治危機を処理するための道具としか見なさない米国とは対座する必要がない、と語っていた。
韓国の
『聯合ニュース』は5日、複数の外交消息筋の話として、ビーガン代表は7日に韓国に到着し、3日間の日程を組んでいると伝えた。ホワイトハウスの安全保障会議の朝鮮半島担当者であるフッカー氏も同行するという。米国の前の大統領補佐官であったボルトン氏は2日に、トランプ大統領が米国大統領選の前に金正恩委員長との首脳会談を願っており「10月サプライズ」があるのではないかと語っていた。これについて韓国の
『ハンギョレ』の報道によれば、ビーガン氏は大統領選の前の米朝首脳会談の可能性は小さいと語っていたが、
『読売新聞』の報道では、消息筋の話として、ビーガン氏は7月初めに板門店で北朝鮮側と接触し、トランプ大統領の意向を北朝鮮側に伝えることを試みようとしており、もしも北朝鮮側が興味を持つ内容であったならば、米朝首脳会談が進展する可能性もあると報道していた。...
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『聯合ニュース』は5日、複数の外交消息筋の話として、ビーガン代表は7日に韓国に到着し、3日間の日程を組んでいると伝えた。ホワイトハウスの安全保障会議の朝鮮半島担当者であるフッカー氏も同行するという。米国の前の大統領補佐官であったボルトン氏は2日に、トランプ大統領が米国大統領選の前に金正恩委員長との首脳会談を願っており「10月サプライズ」があるのではないかと語っていた。これについて韓国の
『ハンギョレ』の報道によれば、ビーガン氏は大統領選の前の米朝首脳会談の可能性は小さいと語っていたが、
『読売新聞』の報道では、消息筋の話として、ビーガン氏は7月初めに板門店で北朝鮮側と接触し、トランプ大統領の意向を北朝鮮側に伝えることを試みようとしており、もしも北朝鮮側が興味を持つ内容であったならば、米朝首脳会談が進展する可能性もあると報道していた。
北朝鮮外務省の崔善姫第一次官は「対朝敵視政策にしつこく執着している米国と果たして対話や取引が成立するだろうか」「米国の長期的な脅威を管理するためのより具体的な戦略的計算表を練っている」と語っていたが、『韓国日報』の5日の論評によれば、崔善姫第一次官のこの談話はビーガン訪韓前に米国に圧力をかけているものだろうという見方を示していた。一方韓国の専門家は文在寅大統領に向けての言葉だったのではないかとしている。
米朝は共に大統領選前の首脳会談の可能性は小さいとしているが、文在寅大統領は依然として大統領選前の首脳会談を画策している。韓国外交部の2日の記者会見で、米大統領選前の米朝首脳会談はあるかと問われた康京和長官は、「米国は会談を復活させる準備を進めている」と述べた。また文在寅大統領は3日に、国家情報院など朝鮮半島の重要3部門の長に「北朝鮮通」の3人をあてたが、文在寅大統領はこの人事を南北関係改善の突破口にしようとしているのではないかとする見方もある。
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韓国で親日書籍がベストセラーになったのを大々的に報道する環球時報の謎(2019/08/27)
今朝の
『環球時報』は、予想に反し、G7の場を借りた昨日の日米貿易交渉の結果を報道せず、中国にとり余り良い話ではない筈の話題をわざわざ取り上げている。それは韓国で親日書籍がベストセラーになったことをネタに、「人気逆上昇した親日書籍が堅調に売れている。韓国人は慌てだした、「法律で制止しなければ」」というテーマの現地特約記者のレポートを載せた。これは異例と言わざるを得ない。他国の国民感情の一側面とはいえ、そこまで詳しく伝えるのは、環球時報としては珍しく、何か深い読みが隠れているようにも感じられる。
レポートは冒頭で今、韓国で起きていることを次の様に淡々と報じている。「韓国社会で反日感情が高まる中、日本の植民地支配の歴史を極めて美化する一冊の親日の本、「反日種族主義」が人気急上昇し、2週連続で韓国書店のベストセラーランキングのトップを記録し、刮目されている。 韓国日報は26日、1面トップで、元ソウル大学経済学部教授の李栄薫氏ら6人が連名で書いた本だが、7月初めに発売されて以来、高まっている反日ムードを横目に爆発的に売れ、2週間(8月7日~8月20日)で10万冊以上売れていると伝えている」。...
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レポートは冒頭で今、韓国で起きていることを次の様に淡々と報じている。「韓国社会で反日感情が高まる中、日本の植民地支配の歴史を極めて美化する一冊の親日の本、「反日種族主義」が人気急上昇し、2週連続で韓国書店のベストセラーランキングのトップを記録し、刮目されている。 韓国日報は26日、1面トップで、元ソウル大学経済学部教授の李栄薫氏ら6人が連名で書いた本だが、7月初めに発売されて以来、高まっている反日ムードを横目に爆発的に売れ、2週間(8月7日~8月20日)で10万冊以上売れていると伝えている」。
レポートは肝心の本の内容について直接触れることなく、韓国日報の記事を引用することにとどまった。この本の中心的思想は、韓国社会の反日ひいては恨日感情が蔓延しやすいのは、過去に韓国社会が日本の朝鮮半島の植民地支配の歴史を歪曲した為、韓国民衆に対し、長期にわたり「親日は悪、反日は善」という根拠のない、シャーマン教に近い世界観で洗脳した結果だという。さらに、この本は日本軍の「慰安婦」や第二次世界大戦中の朝鮮半島労働者が強制徴用されたことを否定し、「あの人たちは自ら志願したのだ」と主張する。
勿論、『環球時報』はこの本の宣伝とならないように慎重に扱う一面もある。レポートはこのように続く。「韓国日報によると、反日感情が高まっている今、親日思想を貫くこの本がよく売れている。日本の植民地支配を美化した植民地の歴史観が韓国社会に浸透し、広がるのではないかと懸念し、これはまさに日本が見たい結果だとしている。」
「この本が発売されてから韓国の政界と学界で大きな反響となり、多くの人が本の中で主張されている極端な親日思想を批判している。日本に友好的な韓国最大の保守政党である自由韓国党の党首や所属議員さえもこの動きに対し、懸念と非難を表明している。時事政治評論家の韓允炯氏によると、李栄薫教授は2000年代半ばの頃、日本軍の「慰安婦」に対する態度は今ほど極端ではないが、この「反日種族主義」の本で新しいの証拠を出せないまま態度を一変させる李氏は、国家が経済、外交などの全面的危機に直面しているこの時、嘘とでっち上げによって、韓国社会に恐怖をもたらすという腹だと批判する。また、韓国社会光復協会の金元雄会長は「ドイツなどではナチスの賛美を法律で禁じている。違反者は刑事責任を問われる。韓国社会では、親日思想が毒瘤のように暴虐されているので、できるだけ早く「親日賛美禁止法」を制定してこれを制止すべきだという。」
ここからは『環球時報』が独自に取材して記した部分で、「韓国の裁判所の第二次世界大戦時の韓国人徴用工賠償事件をめぐる判決に報復するため、日本は7月1日に韓国に対する経済報復措置を発表した。その翌日に開催された国連人権理事会で、「反日種族主義」の作者6人の一人である李友然氏は国連で演説し、「第二次世界大戦時、朝鮮半島の労働者は志願して労働者になった。しかも、朝鮮人労働者は当時の報酬が高く、戦争中は自由で豊かな暮らしをしていた」と述べている。またYTNテレビは26日、李友然氏に国連演説を提案し、すべての経費を支援したのは日本の極右団体のICSAだと報じた」という。
レポートは最後に、この本の日本での出版に言及し、「もうすぐ日本で出版される。又『韓民族報』は25日伝えたところによると、「反日種族主義」の著作権は「李承晩学堂」に属し、その団体の政治傾向は明らかに右寄りで親日的だと報じられている。同学堂の関係者は23日、日本の文芸春秋社と日本での「反日種族主義」の出版を検討していることを明らかにしたうえで、相手から具体的な契約書が送られてきたら、日本で早急に出版するよう働きかけるつもりという。これに対し、ある韓国の評論家は、日本で出版すれば、日本人に誤った歴史観を広め、歪んだ歴史観を日本社会に拡散させることにより、韓国と日本の関係がさらに悪化し、修復できなくなることを憂慮しているとのことだ。また、韓国の東国大学歴史教育学部の韓哲鎬教授も、日本の右翼勢力は今でも「日本が韓国の近代化を支援した」と喧伝しているが、「反日種族主義」を著作した韓国学者がこうした動きを歓迎しているものだと述べている」と、日本での出版をけん制している。
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