英国選手団、冬季オリンピックでの中国によるスパイ行為のリスクについて警告を受ける(2022/01/14)
北京冬季オリンピックに向かう英国チームの選手たちは、中国政府によって監視される危険性があるため、個人の携帯は自宅に残すように勧告されており、大会期間中に使用できる携帯電話が提供される予定となっている。
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『インデペンデント』によると、英国代表団はこの申し出を受ける必要はないものの、英国オリンピック委員会(BOA)は、中国政府が選手の個人用デバイスにスパイウェアをインストールし、個人情報を引き出したり、今後の活動を追跡したりすることを懸念しているという。
BOAの広報担当者は、「我々は選手とスタッフに実用的なアドバイスをし、彼らがゲームに個人のデバイスを持って行くかどうか、彼ら自身の選択をすることができるようにした。...
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『インデペンデント』によると、英国代表団はこの申し出を受ける必要はないものの、英国オリンピック委員会(BOA)は、中国政府が選手の個人用デバイスにスパイウェアをインストールし、個人情報を引き出したり、今後の活動を追跡したりすることを懸念しているという。
BOAの広報担当者は、「我々は選手とスタッフに実用的なアドバイスをし、彼らがゲームに個人のデバイスを持って行くかどうか、彼ら自身の選択をすることができるようにした。自分のデバイスを持って行きたくない選手には、代理で一時的に使用するための器機を用意している。」と説明している。
英『ガーディアン』によると、オランダオリンピック委員会(NOCNSF)は、中国が大会中に電子機器の監視を行うことが予想されるため、さらに一歩進んで、選手たちに個人の携帯電話やノートパソコンを持ってこないように指示したという。オランダの新聞「フォルクスクラント」は、NOCNSFが選手やサポートスタッフに、帰国後に破棄される携帯電話やノートパソコンを渡すと伝えている。NOCNSFのスポークスマンは、具体的な対策については言及を避けたが、「サイバーセキュリティーの重要性は年々高まっている。中国はインターネットを完全に遮断していて、特殊なケースである。」と説明している。
米紙『USAトゥデイ』は、米国を含む数カ国のオリンピックチームが、北京大会でのサイバー監視の懸念から選手に対して、個人の携帯電話やラップトップを自宅に置いておくよう奨励していると報じている。
米国オリンピック委員会(USOPC)が配布したパンフレットには、レンタルか使い捨てのパソコンやプリペイド式携帯が推奨されると書かれている。米国オリンピック委員会は、「コンピュータと同様に、携帯電話上のデータやアプリケーションは、悪意のある侵入、感染、データ侵害の対象となる」と勧告している。
なお、北京大会に先立つ各国オリンピック委員会の指導は、各国政府が通常、中国を訪れる旅行者に行っている勧告に沿ったものだという。例えば、米国務省は中国への渡航勧告の中で、中国の「警備担当者は外国人訪問者を注意深く監視している」と書いている。また、「ホテルの部屋(会議室を含む)、オフィス、車、タクシー、電話、インターネット使用、デジタル決済、ファックスが現場または遠隔で監視され、ホテルの部屋にあるパソコンなどの個人の持ち物が、同意や通知なく捜索されることがある」と勧告している。
豪紙『ジ・エイジ』によると、オーストラリアオリンピック委員会(AOC)の広報担当者は、豪選手やサポートスタッフには大会におけるサイバーセキュリティーの潜在的リスクについて教育を行うが、個人所有のデバイスを持ち出すかどうかは個人の判断に任せると述べている。
全選手には国際オリンピック委員会からサムスンの携帯電話と現地のSIMカードが配布され、スタッフは割り当てられたエリアでAOC専用のWi-Fiを利用することができる。また、スタッフは割り当てられた場所でAOC専用のWi-Fiを利用し、ソーシャルメディアやその他のコミュニケーションアプリにアクセスすることが許可される予定となっている。
中国共産党が発行する新聞「環球時報」は論説で、「こうした告発はフェイクニュース、無知、そして西側諸国自身の行いに基づいている」と非難し、反中感情を鼓舞する試みであると書いている。
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中国;台湾問題で北京セブンイレブン(7-11)に罰金賦課【米メディア】(2022/01/09)
中国は、“ひとつの中国”原則の下、台湾統一を絶対成し遂げると強く宣言している。従って、台湾独立等に結びつくような事態は徹底的に取り締まる姿勢をみせている。そうした中、中国在のコンビニ・チェーン7-11が公開した店舗マップ上の台湾が独立国として表記されていたことから、北京市政府が同社に罰金を賦課している。
1月8日付
『ウェスタン・ジャーナル』(2008年設立の保守系メディア):「中国、コンビニエンスストア7-11のマップに不適切表記があるとして罰金賦課」
中国当局はこの程、コンビニエンスストア7-11が台湾を中国とは別の国と表記する店舗マップを公開したとして厳重注意かつ罰金賦課処分を行った。
『日経アジア』紙報道によると、北京市政府が昨年12月、店舗マップに不適切な表記があることを問題視し、同社に15万人民元(2万3,500ドル、約270万円)の罰金を賦課したという。...
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1月8日付
『ウェスタン・ジャーナル』(2008年設立の保守系メディア):「中国、コンビニエンスストア7-11のマップに不適切表記があるとして罰金賦課」
中国当局はこの程、コンビニエンスストア7-11が台湾を中国とは別の国と表記する店舗マップを公開したとして厳重注意かつ罰金賦課処分を行った。
『日経アジア』紙報道によると、北京市政府が昨年12月、店舗マップに不適切な表記があることを問題視し、同社に15万人民元(2万3,500ドル、約270万円)の罰金を賦課したという。
更に、同地図上では、新疆ウィグル自治区及びチベット自治区の国境線が中国政府の了解と異なっているのみならず、南シナ海上の中国主権内の島々を中国語表記としていないことが指摘されている。
テキサス州に本社を構える同社は、中国含めて世界中に合計7万1千店を展開している(編注;1927創立の米国7-11は、1991年に経営破綻して日本のセブン&アイグループ傘下となり、2005年に完全子会社化)。
同紙によると、同社広報が“罰金を受け入れる”とし、“再発防止に努める”と表明したとする。
中国国営メディア『環球時報』は、この事態に触れて、同社公開の地図は“不適切かつ不完全”だと報じている。
また、中国外交部(省に相当)の汪文斌報道官(ワン・ウェンビン、50歳)は、“台湾が中国の一部であることは絶対であり、ひとつの中国原則は国際社会において広く認知されていることを改めて申し上げる”と表明した。
中国政府は昨年、米『NBC』がオリンピック報道に当たって台湾を中国領土に含めていなかったことに激高して非難していた。
かかる経緯もあってか、海外向けマーケティングに努めている全米プロフットボールリーグ(1920年創立)は、公開している地図上で台湾を中国の一部と表記している。
更に、米『Foxニュース』によると、ホワイトハウスは先月、テレビ会議で行われた“民主主義サミット(注後記)”に参加した台湾高官が、中国本土と台湾を色分けした地図をみせたことから、中国を刺激しないため台湾との通信を遮断したという。
中国政府は、台湾が中国の一部であると頑なに主張し、台湾独立の機運を徹底的に抑え込むべく、台湾周辺での軍事演習を頻繁に行ってきている。
一方、台湾は今週初め、中国の武力侵攻を警戒して、戦闘機を駆使しての領土防衛訓練を実施している。
(注)民主主義サミット:2021年12月9日から10日にかけてジョー・バイデン大統領が主催した、ウェブ会議形式の仮想サミット。目的は「国内の民主主義を刷新し、海外の独裁国家に立ち向かうため」であり、主題は「権威主義からの防衛」「汚職への対処と戦い」「人権尊重の推進」の3つであった。109の国家と2つの地域が招待された一方、中国やロシアなどの国々が除外された。
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