朝鮮半島、米韓合同軍事演習開始で緊張高まる
『デイリー・ニュース』等各英文メディアは、北朝鮮は、8月21日から開始された米国と韓国との合同軍事演習を、核戦争の火種を朝鮮半島で炸裂させようとの目的があると非難したと報じた。
また、朝鮮中央放送は、8月21日、「米国とかいらい好戦狂らは、いかなる悪い結果を招くかを、はっきり目の当たりにするだろう。」と伝えた。
過去の夏に行われた米韓合同軍事演習の際、北朝鮮は、スカッドミサイルの発射(2015年)、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)発射(2016年)を行ない、反発の姿勢を見せている。
今回の米韓合同軍事演習では、8月31日まで、北朝鮮が、核・ミサイル攻撃に出る有事を想定して、その兆候を捉えた際に、北朝鮮の拠点等への攻撃等について、主にコンピューターを使った作戦のシミュレーションが行われる。...
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また、朝鮮中央放送は、8月21日、「米国とかいらい好戦狂らは、いかなる悪い結果を招くかを、はっきり目の当たりにするだろう。」と伝えた。
過去の夏に行われた米韓合同軍事演習の際、北朝鮮は、スカッドミサイルの発射(2015年)、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)発射(2016年)を行ない、反発の姿勢を見せている。
今回の米韓合同軍事演習では、8月31日まで、北朝鮮が、核・ミサイル攻撃に出る有事を想定して、その兆候を捉えた際に、北朝鮮の拠点等への攻撃等について、主にコンピューターを使った作戦のシミュレーションが行われる。
また、この作戦には、①全面戦争、②局地戦、③核・ミサイル防御と北朝鮮のミサイル基地への先制攻撃、④金正恩委員長の斬首作戦等が含まれており、北朝鮮が強い反発を示したものと考えられる。
さらに、今回、米国からハリス米太平洋軍司令官やハイデン米戦略軍司令官が訪韓し、米防衛省ミサイル防衛局のグリーブス局長も訪韓を予定している。
このように、3人の米軍関係のトップが、軍事演習を視察することは、初めてのことであり、北朝鮮に対して、米国の断固とした姿勢を示す狙いがあるものと考えられる。
一方、韓国の文大統領は、「軍事演習は防衛目的であり、北朝鮮との緊張を高める意図は全くない。」と強調した。
しかし、過去の経緯から判断すれば、8月25日の北朝鮮・先軍節、9月9日の北朝鮮・建国記念日に向けて、北朝鮮がなんらかの挑発行為を行なう可能性は高いものと考えられる。
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北朝鮮が軍総参謀長を処刑か?
韓国の
『聯合ニュース』や主要メディアは、李永吉(リ・ヨンギル)北朝鮮人民軍総参謀長が今月初めに処刑されたと報じている。現時点ではその信憑性も含め詳細は不明だが、処刑の理由は汚職や派閥をつくり謀議したことなどと取沙汰されている。
金正恩第1書記の体制下では、2013年に叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏が処刑され、昨年4月には玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)朝鮮人民軍大臣が対空射撃砲で公開処刑されるなど幹部の粛清が繰り返されている。北朝鮮は原爆や大陸間弾道ミサイルの開発に突き進む一方、国内では金正恩第一書記による恐怖政治が更に強化されているようである。
10日付
『ロイター通信』は、北朝鮮で李永吉人民軍総参謀長が粛清された模様だと伝えている。
・韓国「聯合ニュース」など韓国メディアは、李永吉氏は汚職や陰謀を企てたとして今月処刑されたと報道している。聯合ニュースは情報の出所を明らかにしておらず、韓国中央情報部はコメントを控えているため今のところその真偽は定かではない。
・北朝鮮では2013年、金正恩第一書記の叔父で同国序列第2位と目されていた張成沢氏が汚職の罪で処刑され、昨年5月には玄永哲人民武力相が射撃場で対空射撃砲で処刑されている。...
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10日付
『ロイター通信』は、北朝鮮で李永吉人民軍総参謀長が粛清された模様だと伝えている。
・韓国「聯合ニュース」など韓国メディアは、李永吉氏は汚職や陰謀を企てたとして今月処刑されたと報道している。聯合ニュースは情報の出所を明らかにしておらず、韓国中央情報部はコメントを控えているため今のところその真偽は定かではない。
・北朝鮮では2013年、金正恩第一書記の叔父で同国序列第2位と目されていた張成沢氏が汚職の罪で処刑され、昨年5月には玄永哲人民武力相が射撃場で対空射撃砲で処刑されている。
・李永吉氏の他にも数人の高官が最近公の場に姿を見せておらず、粛清されたか左遷されたのではないかと憶測されている。
10日付
『ニューヨークタイムズ』紙は、北朝鮮で序列3位の李永吉北朝鮮人民軍参謀長が、汚職と陰謀を企てた罪で処刑された模様であると報じた。
・韓国政府高官は同紙の取材に対し、匿名を条件にこの情報が正しいことを確認した。韓国メディアは、李参謀長は金第一書記が指示する労働党による軍部の統制に対し異論を唱えたため、粛清された可能性があると報道している。
・「北朝鮮中央放送」によると、金正恩第一書記は2月2~3日に北朝鮮労働党中央委員会と人民軍委員会を招集し、そこで「特権の追及、権威の悪用、権力の乱用、官僚主義などの行為」を厳しく批判した。
・李参謀長は金第一書記の体制下で最も信任が厚かった将軍の1人で、重要な行事にはしばしば金書記に随行していた。しかし、今年1月中旬頃から北朝鮮のニュースメディアに登場しなくなり、今月8日に平壌で開催された宇宙衛星打ち上げ成功祝賀会の出席者リストの中に同氏の名前は無かった。
・金第一書記は2011年に政権の座に就いた後、自らの権力基盤を強化するため党や軍部のトップを何度も入れ替え、相当な数の幹部を左遷・処刑してきた。
・同書記の叔父であり序列第2位と目されていた張成沢氏が2013年に、国家資金を盗み体制の転覆を謀った罪で処刑された。昨年4月には玄永哲朝鮮人民軍大臣が、対空射撃砲で公開処刑された。韓国情報局によると、66歳の玄将軍は軍事イベントで転寝をし、金書記の命令に逆らったため反逆者の烙印を押された模様である。
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