迷走するフィリピン外交(2016/10/25)
今月25日から来日するフィリピンのドゥテルテ大統領は、中国を訪問し「中国が頼り、アメリカと決別する」と発言し、米国と世界を不安にさせたが、米国側はフィリピンと引き続き同盟関係を維持し麻薬問題でも支援を行うが、米国の利益を損なわせないとするなど駆け引きが続いている。ドゥテルテ大統領も来日を前に「米国との同盟関係は続いている」と日本のメディアに語るなど、来日での言動に世界から注目が集まる。
10月25日付米
『ABCニュース』(AP通信引用)は「フィリピンのドゥテルテ氏は世界の関係を損なっている、米国」との見出しで次のように報道している。
アジア外交担当トップ、ダニエル・ラッセル東アジア・太平洋担当国務次官補は、比ドゥテルテ大統領の発言により、比政府の思惑が非常に不透明な状態が米国や世界の関係を損なっていると発言。ラッセル国務次官補は、物議を醸す発言の数々は米比、他各国、政府内だけでなく、民間企業や米国内のフィリピン人コニュニティでも明らかに不安を招いており、これは好ましくない事態だとし、フィリピンとの同盟関係を続ける努力と麻薬犯罪を含め支援を行う考えを示した。...
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10月25日付米
『ABCニュース』(AP通信引用)は「フィリピンのドゥテルテ氏は世界の関係を損なっている、米国」との見出しで次のように報道している。
アジア外交担当トップ、ダニエル・ラッセル東アジア・太平洋担当国務次官補は、比ドゥテルテ大統領の発言により、比政府の思惑が非常に不透明な状態が米国や世界の関係を損なっていると発言。ラッセル国務次官補は、物議を醸す発言の数々は米比、他各国、政府内だけでなく、民間企業や米国内のフィリピン人コニュニティでも明らかに不安を招いており、これは好ましくない事態だとし、フィリピンとの同盟関係を続ける努力と麻薬犯罪を含め支援を行う考えを示した。東南アジア訪問でダニエル国務次官補は、フィリピンのヤサイ外相と麻薬取締にともなう殺害について会談、また、ジョンケリー国務長官も電話で「両国の近況」について会談した。
ドゥテルテ政権内は官僚内でも混乱を起こすほど、一貫性がなく物議を醸しているが、米国との同盟を解消したいのではなく、ただ米国至上主義の外交政策とは決別したいという。
ジョン・カービー国務省報道官は、米比の軍事協定に言及。ヤサイ外相は米比軍事演習継続可能かとの質問にノーコメントとした。南シナ海のスカロボー礁を米比軍が監視すれば、中国への抑止の目となる。米比関係の緊張を解き和解を望むが、それを優先し米国の損害となる事態は好ましくない、とラッセル氏。ドゥテルテ大統領は先週中国との会談後スカロボー礁はフィリピンに戻される可能性があるとしていたが、中国側の条件には言及しなかった。当件で中国外交部ルカン報道官はノーコメント、中比間の政治交渉次第で解決されるとした。
10月24日付
『ロイター通信』は「フィリピンのドゥテルテ氏、日本訪問をひかえ対米策を軟化」との見出しで次のように報道している。
米国との「決別」を宣言した比ドゥテルテ大統領は、米国に背を向け中国に近づくフィリピン外交を懸念する日本を訪問予定だが、日本のメディアに対し「同盟関係は続いているので心配はいらない」と発言。この発言は安倍首相に歓迎されることだろう。岸田外務大臣は火曜ドゥテルテ大統領と会談する予定。
翌日に安倍首相は高官との正式会談後、2者会談の予定。
「日経新聞」は、ドゥテルテ大統領は(中国で米国との同盟解消に言及したのは)個人的意見を言ったもので、米国との決別は政府としての見解ではない、と述べ、中国とは貿易関係の同盟を結ぶ予定だという意味だと報道。しかし一方、「読売新聞」は、同氏は米比合同軍事演習をやめ、軍事協定を解消したいと強調したと報道。
安倍首相は残念だが日本のフィリピンへの貢献は変わらないとし、ジョン・ケリー米国務長官は米比関係解決の自信を示している。
10月25日付フィリピン
『フィルスター』は「ヤサイ外相: 独立外交は同盟解消ではない」との見出しで次のように報道している。
パセイ市で開かれた国連デーの行事演説で、ヤサイ外相は、自治権をもつ国は自国の現状にあわせ、自国で決断を下す権利がある。フィリピンは柔軟性と戦略バランスを保ち、国際法に従い、国益に最良の方法をとる。独立したプラグマティックな外交で、自国の利益を優先し同盟を拡大すると強調した。また、フィリピンは国際コミュニティに関わりながら、対立や相違を克服し近隣他国と共通の目的のため同盟や協力をしつつ一方、緊急の課題を解決する、とした。
国連について外相は、「国連は、国々の共通の課題への大綱を示し、有効な解決を模索するべきだ」とした。国連を巡っては、ドゥテルテ大統領が国連を脱退すると発言し、後に冗談だとしていた。
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米・中国メディア;安倍内閣と靖国神社(2016/08/16)
毎年8月15日になると、日本の政治家が靖国神社を参拝する度に、中韓政府及びメディアは目くじらを立てて非難する。彼らの言い分は、第二次大戦の戦争犯罪人(A級戦犯)が合祀されている神社を参拝することは、侵略戦争を犯した歴史を否定することにつながるというものである。中韓に対して、内政干渉というのは簡単であるが、小泉元首相が在任時(2001~2006年)毎夏参拝を繰り返したことで日中、日韓関係が膠着したこと、また、安倍首相も2013年12月の参拝で波風が立ったことは事実である。従って、安倍首相はそれ以降、中韓側に付入りする隙を与えないよう、今夏も同神社参拝は見送る予定である。
8月11日付米
『ロイター通信米国版』:「安倍首相、終戦記念日の靖国神社参拝見送り」
「●
『時事ニュース』は8月11日、安倍晋三首相が今年の終戦記念日も靖国神社に参拝する予定がないと報道。
●同神社には、14人の戦争犯罪人(A級戦犯)が合祀されており、また、中韓からは、旧日本の軍国主義の象徴的な場所と見做されている。
●今回の内閣改造で防衛相に就任した稲田朋美氏は、日本の平和憲法の変更を主張し、また、同神社にも毎年参拝しており、中韓はその行動に注目。...
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8月11日付米
『ロイター通信米国版』:「安倍首相、終戦記念日の靖国神社参拝見送り」
「●
『時事ニュース』は8月11日、安倍晋三首相が今年の終戦記念日も靖国神社に参拝する予定がないと報道。
●同神社には、14人の戦争犯罪人(A級戦犯)が合祀されており、また、中韓からは、旧日本の軍国主義の象徴的な場所と見做されている。
●今回の内閣改造で防衛相に就任した稲田朋美氏は、日本の平和憲法の変更を主張し、また、同神社にも毎年参拝しており、中韓はその行動に注目。
●なお、
『共同ニュース』は、今村雅弘復興相が8月11日に同神社を参拝し、日本の平和と繁栄を祈念したと報道。」
同日付中国
『環球時報』(
『新華社通信』記事引用):「日本の閣僚、悪名高い靖国神社に参拝」
「●
『共同ニュース』によると、今村復興相(69歳)は、閣僚になる以前から、毎年春・秋に靖国神社に参拝。
●同神社は中韓から、旧日本の軍国主義の拠り所と見做され、日本の政治家や高官の参拝に対しては、以前から厳しい非難の声。」
一方、8月12日付米
『ブルームバーグ』オンラインニュース:「安倍首相、二度目の夏休みをゴルフに充て、政務から完全休養をアピール」
「●安倍首相は今週(8月8日の週)、東京から100キロメーター(62マイル)離れた河口湖側の別荘に滞在し、政府が推すワーク・ライフ・バランスを自ら体現。
●趣味のゴルフ等で休暇を満喫し、8月21日のリオデジャネイロ・オリンピック閉会式まで帰京しない予定。
●従って、中韓が注目する8月15日(終戦記念日)の靖国神社参拝の予定もなし。
●なお、
『日経新聞』によると、安倍首相の2週間以上となる夏季休暇は、十年以上前に小泉純一郎首相(当時)が取得して以来のことと報道。」
政治家はよく、靖国に参拝するのは戦死者に敬意を表すためだと言うが、戦没者に敬意を表すためであれば、政府主催の全国戦没者追悼式に出席することで十分であるはずである。
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