米・英・フィリピン・中国メディア;東アジアサミットと南シナ海問題
主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)において、南シナ海問題が大きく取り上げられて、責任追及されることなく同会議を無事に乗り切った中国は、その余勢をかって、今週開催の東アジアサミットにおいても、南シナ海問題に焦点を当てさせず、自国有利に取り仕切ろうとしている。そうした中、フィリピン新大統領の失言で米・フィリピン首脳会談が中止され、益々中国にとって追い風となるところであるが、オバマ大統領に代わって安倍首相がドゥテルテ大統領と会談し、中国の一方的な海洋活動に待ったを掛けようと精力的に動いている。
9月6日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』オンラインニュース:「ASEANサミットで、南シナ海問題に関わる仲裁裁定に“言及なし”か」
「●今週ラオスで開催される東アジアサミットでは、7月に中国の主張を退ける仲裁裁定が下されて以降初めて、東南アジア諸国連合(ASEAN)と米中が会合。
●海洋問題はASEANにとって重要な問題であるはずだが、ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障担当)は、今回の東アジアサミットの議題には南シナ海問題に関わる仲裁裁定の件が含まれていない模様とコメント。...
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9月6日付米
『ボイス・オブ・アメリカ』オンラインニュース:「ASEANサミットで、南シナ海問題に関わる仲裁裁定に“言及なし”か」
「●今週ラオスで開催される東アジアサミットでは、7月に中国の主張を退ける仲裁裁定が下されて以降初めて、東南アジア諸国連合(ASEAN)と米中が会合。
●海洋問題はASEANにとって重要な問題であるはずだが、ベン・ローズ大統領副補佐官(国家安全保障担当)は、今回の東アジアサミットの議題には南シナ海問題に関わる仲裁裁定の件が含まれていない模様とコメント。
●なお、今年2月のサニーベール(カリフォルニア州)で開かれた米・ASEAN首脳会議で、オバマ大統領は南シナ海での緊張緩和が必要と訴え、ASEAN側は、領有権問題は、国際法に則った話し合いで平和裏に解決することが重要と確認。
●しかし、仲裁裁定で主張を全面否定された中国は、この結果を一切受け入れず、ASEAN各国の切り崩しに奔走。」
同日付英
『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』オンラインニュース:「日本、中国
と領有権問題を抱えるフィリピンに対し、更に追加の監視船・哨戒機を提供」
「●安倍晋三首相は9月6日、ビエンチャン(ラオス)でフィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ新大統領と会談した際、両国間の連携強化を再確認するとともに、2隻の大型監視船(90メーター長)及び5機の中古哨戒機の提供を確約。
●なお、フィリピン政府は過日、フィリピンが領有権を主張する中沙(スカボロー)礁周辺に、中国が最近これまでにない程多くの船舶を派遣していると懸念表明。」
9月7日付フィリピン
『マニラ・ブルティン』紙:「フィリピン、中国は南シナ海問題に関
わる仲裁裁定を認める必要があると表明」
「●フィリピンのペルフェクト・ヤサイ外相は9月6日、南シナ海問題に関わる仲裁裁定を認めなければ、中国は“負け組”になるだろうと発言。
●フィリピンは中国との対話を開始前に、中国に対して、南シナ海におけるフィリピン漁師の操業を容認させることを条件付け。」
一方、9月6日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『環球時報』記事引用):「中国、ASEAN
との首脳会議で貿易取引関係強化を優先」
「●中国は、9月6~8日開催の第28回ASEANサミットで、中国・ASEAN間貿易関係強化を優先議題に設定。
●最終日の9月8日には、ASEANに加えて日米中韓印が参加する東アジアサミット開催。
●フィリピンのドゥテルテ新大統領は、大統領就任後初の海外出張で同サミットが国際会議デビュー。
●ただ同大統領は先週、同サミットで南シナ海問題に関わる仲裁裁定については話題に出さない意向とコメント。」
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米・英・ロシア・韓国・中国メディア;G20前にプーチン大統領も存在感アピール
先に報じた「安倍首相、日ロ首脳接近を演出」の中で触れたとおり、安倍首相は、大きな懸案のひとつである対ロ関係改善という初期の目的を達成すべくプーチン大統領と会談し、11年振りに同大統領の訪日日程を固めただけでなく、北方領土問題を念頭にした日ロ平和条約締結に向けての突っ込んだ議論を展開した。一方、プーチン氏にとっても、日本との関係改善のみならず、主要20ヵ国・地域首脳会議(G20サミット)参加にあたり、中韓との連携強化はもとより、英国他との膠着状態脱却が懸案事項となっており、精力的に立ち回っている。
9月3日付米
『ロイター通信米国版』:「韓国大統領、核開発問題で北朝鮮に圧力をかけるためロシア訪問」
「●韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は9月3日、プーチン大統領と安倍首相も出席したロシア主催の東方経済フォーラムで講演し、北朝鮮に核開発をあきらめさせるため、関係各国から強いメッセージを発信していくことが肝要と主張。
●そして、北朝鮮がもし非核化に従うなら、国際社会として積極的に支援する用意があるとも発言。...
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9月3日付米
『ロイター通信米国版』:「韓国大統領、核開発問題で北朝鮮に圧力をかけるためロシア訪問」
「●韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は9月3日、プーチン大統領と安倍首相も出席したロシア主催の東方経済フォーラムで講演し、北朝鮮に核開発をあきらめさせるため、関係各国から強いメッセージを発信していくことが肝要と主張。
●そして、北朝鮮がもし非核化に従うなら、国際社会として積極的に支援する用意があるとも発言。」
9月4日付韓国
『KBSニュース』:「プーチン氏から朴氏にサプライズ・ギフト」
「●韓国大統領府報道官は9月4日、朴大統領がプーチン大統領と9月3日に会食した際、プーチン氏からサプライズ・ギフトをもらったと公表。
●それは、朴氏の父親である朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領が1979年正月にしたためた能書で、プーチン氏が骨董市場で購入したもの。
●なお、朴氏は今年初めにプーチン氏と会談した際、同氏息女用にと贈り物を手渡し。」
同日付英
『Yahooニュース英国版』(
『ロイター通信』記事引用):「英ロ両国、緊張関係改善を模索」
「●英国のテリーザ・メイ新首相とロシアのウラジミール・プーチン大統領は9月4日、G20サミット参加前に杭州で会談し、対話を継続して二国間関係の改善を果たしていくことで一致。
●両国関係は、ウクライナやシリア問題で意見が衝突していること、また、ロシアの長距離爆撃機がしばしば英国空軍基地近くまで飛翔してきていることに英国がクレームしていることから、緊張が昂揚。
●プーチン氏はメイ氏に対して、欧州連合離脱決定で困難な状況にあることを理解していること、そして、両国トップによる真摯な対話を継続することで、関係改善が図られることに期待すると発言。」
一方、同日付ロシア
『イタル・タス通信』:「プーチン氏、習氏にアイスクリーム1箱をプ
レゼント」
「●G20サミット出席のため訪中したプーチン大統領は9月4日、習近平(シー・チンピン)主席と会談した際、ロシア製アイスクリーム1箱をプレゼント。
●習氏は、訪ロの度にアイスクリームを買って食べており、大好物で感謝すると返礼。」
同日付中国
『新浪(シナ)英字ニュース』(
『新華社通信』記事引用):「習氏はプーチン氏
と会談し、相互支援関係継続を要請」
「●習主席は9月4日、訪中しているプーチン大統領と会談し、両国間の相互支援関係を今後も継続していくよう望むと発言。
●特に、中国が推す“一帯一路政策”、及びロシアが進める“ユーラシア経済連合”発展のために相互に協力していくことで一致。」
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