メキシコで女性の権利拡大へ
メキシコの最高裁判所は、中絶を犯罪とする州法を違憲とする判決を下した。敬虔なカトリック信者の多いメキシコでは近年、教会の影響力が衰え、女性の政治や司法におけるジェンダー平等促進が進み、パンデミック前にはデモも活発化していた。対照的に米国ではテキサス州など共和党州で中絶を制限する動きが加速している。
9月8日付
『ロイター通信』は「中絶を犯罪とするのは違憲とメキシコ最高裁、“重大な分岐点“」との見出しで以下のように報道している。
メキシコの最高裁が火曜、満場一致で中絶を犯罪とするのは違憲と判断した。米国の一部では中絶を厳罰としている中、女性人権活動家にとり大勝利となった。メキシコはブラジルに次ぎ世界で2番目にカトリック信者の多い国。この判決により今後裁判で中絶の違憲性を争えなくなり、アルゼンチンのように女性の法的権利が広がるとみられる。...
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9月8日付
『ロイター通信』は「中絶を犯罪とするのは違憲とメキシコ最高裁、“重大な分岐点“」との見出しで以下のように報道している。
メキシコの最高裁が火曜、満場一致で中絶を犯罪とするのは違憲と判断した。米国の一部では中絶を厳罰としている中、女性人権活動家にとり大勝利となった。メキシコはブラジルに次ぎ世界で2番目にカトリック信者の多い国。この判決により今後裁判で中絶の違憲性を争えなくなり、アルゼンチンのように女性の法的権利が広がるとみられる。アルトゥーロ・サルディバル最高裁長官は、この判決が全ての、特に弱い立場にある女性への「重大な分岐点」 と述べた。
多くの地域で中絶が禁止されているメキシコでは、改革を求めるフェミニズム運動が広がりを見せている。緑のリストバンドをつけ、デモに参加した女性団体員は次の目標を合法化だとする。
メキシコには、1億人のカトリック信者がおり、カトリック教会はいかなる中絶も禁止している。中絶で起訴された数百人の女性は主に貧困層で、少なくとも70人以上が収監されているとされる。
米国では多くの州で中絶を禁止する動きがある。テキサス州では先週、妊娠6週以降の中絶を禁止する法案が可決されていることで、今後メキシコに渡り中絶するケースが増加する可能性がある。
左派のロペス・オブラドール大統領はこの判決に関し、「司法にゆだねる」と述べ質問をかわすなど慎重な立場をとっている。同氏は3年前の大統領当選時、中絶反対で知られるキリスト教保守派政党と連立政党を組んでいた。
9月7日付米国『ワシントンポスト』は「メキシコで中絶を犯罪としない判決、世界第2位のカトリック国で劇的な一歩」との見出しで以下のように報道している。
最高裁の中絶を犯罪としない判決で、世界最大のカトリック信者をもつ国の一つであるメキシコで劇的な一歩。
厳罰化が進むお隣テキサス州とは対照的な結果となった。最高裁10人の裁判官が満場一致で、中絶した女性と支援者に3年の実刑判決を出した北コアウイラ州の判決を違憲とした。この判決は他州にも適用となる。
メキシコでは、国会で女性政治家の割合が半分を占め、2年前には政府内のジェンダー平等を求める改革案が可決している。一方で中絶は殆どのラテンアメリカ諸国で違法のままで、増加する女性への暴力などを焦点とした女性の権利拡大を求めるデモが増加。メキシコ女性団体GIREの訴訟担当者は、「これはメキシコだけでなく、ラテンアメリカ全体に影響を与える」とする。
ラテンアメリカではアルゼンチン、キューバ、ウルグアイ、ガイアナで妊娠初期の中絶が認められている。一方、エルサルバドルでは、中絶した女性に暴行罪や殺人罪で数十年の禁固刑が科せられる。メキシコでは、32州のうち4州で、中絶が認められているが、ディエゴ・ヴァラデス元最高裁判事は「中絶はすぐに広まらないだろう。だが、この判決で法的な基準が確立される。」とする。中絶容疑で収監された人の数は定かではないが、2007年~2016年で少なくとも500人が裁判となっているとみられる。
メキシコでは国民調査によると、約4分の3が敬虔なカトリック信者だと自覚している。一方で政府内は近代化しており、牧師の性的虐待スキャンダルが発覚したこと等から教会の影響力は失われている。また、若い世代を中心として望まない妊娠問題への関心が高まっており、年間100万件以上の中絶が行われ、その多くが安全性に問題があるとみられている。極秘中絶による死者数や未成年の妊娠は深刻な社会問題となっており、社会全体の考えが変わってきた。
米国では今年、米最高裁が中絶を合法とした1973年以来、最も多くの中絶禁止法が施行されている。少なくとも7つの共和党州でテキサス同様の動きがあるとみられている。
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米海兵隊員の遺族ら、面会でバイデン大統領の態度が無愛想で無礼であったと激怒
アメリカのバイデン大統領は29日、アフガニスタンでの爆弾テロにより命を落とした13人のアメリカ人兵士の遺族と面会をした。しかし、無愛想で無礼な態度であったとして、遺族の中から批判の声が上がっている。
米
『ビジネス・インサイダー』によると、カブール空港襲撃事件で死亡した2人の米国海兵隊員の父親は、米国海兵隊員の遺体の返還式典でジョー・バイデン大統領が時計を確認しているのを見て、侮辱されたと感じたと語っている。この式典は、海外での戦闘で死亡した米兵の遺体を航空機から車両に移すもので、8月29日にドーバー空軍基地で行われた。式典中、バイデンは少なくとも一度は時計を確認する様子が撮影されている。
故ジャレッド・シュミッツ伍長の父親であるマーク・シュミッツと故デーリン・テイラー・フーバー二等軍曹の父親であるデーリン・フーバーは30日、米「フォックスニュース」に対し、式典中に大統領が何度も時間を確認しているのを見たと語った。...
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米
『ビジネス・インサイダー』によると、カブール空港襲撃事件で死亡した2人の米国海兵隊員の父親は、米国海兵隊員の遺体の返還式典でジョー・バイデン大統領が時計を確認しているのを見て、侮辱されたと感じたと語っている。この式典は、海外での戦闘で死亡した米兵の遺体を航空機から車両に移すもので、8月29日にドーバー空軍基地で行われた。式典中、バイデンは少なくとも一度は時計を確認する様子が撮影されている。
故ジャレッド・シュミッツ伍長の父親であるマーク・シュミッツと故デーリン・テイラー・フーバー二等軍曹の父親であるデーリン・フーバーは30日、米「フォックスニュース」に対し、式典中に大統領が何度も時間を確認しているのを見たと語った。
デーリンさんは、「腕時計を見たのは、一度だけではありませんでした。飛行機から遺体が運び出される度に確認していました。大統領は、敬礼のあと手を下す際、腕時計で時間を確認していました。全ての遺体の移動の時に、時間を確認していました。」と述べ、その日デーリンさんは面会で大統領に会うことを拒否したという。
マークさんは、大統領が4回続けて時間確認していているのを見て、それ以上大統領の方を見ることができなかったと語っている。「今まで見た中で最も無礼な行為だと思いました」と述べている。
マークさんは、面会の際、息子の死に対する気持ちをバイデン大統領に伝えたことで、バイデン大統領が機嫌を損ねてしまったことを明らかにした。「最初は大統領に会うつもりはありませんでしたが、息子のためにも、自分の気持ちを伝える義務があると思ったのです。」
英『インデペンデント』によるとマークさんは、「息子の名前を決して忘れないでください。彼の顔を絶対に忘れないでください。他の12人の名前も忘れないでください。そして、時間をとって彼らの人生について学んでください、と伝えた」ところ、大統領はその指摘が気に入らなかったようで、素っ気ない返事をして、「私は彼らの人生について知っている」と言い返してきたという。そして、バイデン大統領が癌で亡くなった自分自身の息子について話し始めたため、マークさんは、「大統領に対して失礼なことは言いたくないのですが、自分自身の息子についてあれだけの時間を割くのは適切ではないと思いました」と述べている。
海兵隊伍長の故ライリー・マッコラムさんの妊娠中の妻、ジエンナ・マッコラムさんは、面会中に自分の息子の事ばかり話す大統領に失望してしまったと姉のロイス・マッコラムさんが「ワシントンポスト」紙に語っている。面会は「台本のような浅い」やりとりであったとし、「あれだけひどい失敗をして、申し訳ないだけで済ませることはできません。起こる必要のなかったことであり、軍人すべての命が彼の手に委ねられているのです。今後何千人ものアフガニスタン人が苦しみ、拷問を受けることになるのは、彼の無能さの直接的な結果です」。と述べている。
米『ナショナルレビュー』によると、海兵隊員だった故カリーム・ニコウイの母親であるシャーナ・チャペルは、日曜日の面会後にフェイスブックでバイデン大統領に対する批判を投稿した。「私はあなたに面と向かって、もう二度と息子を抱きしめられないこと、彼の笑い声を聞けないことを伝えました。そしたら、あなたは私の話を遮ってあなた自身の息子の話でお涙頂戴話をしようとしたので、私はあなたに、これはあなたのことではないから、あなたのことにすり替えないで、と言わなければなりませんでした」。と書いた。
この投稿を受けて、シャーナさんのフェイスブックとインスタグラムのアカウントは一時的に停止された。その後、インスタグラムの広報担当者は、アカウントは「誤って削除されたもので、その後復元された」ことを声明で発表した。
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