米国からハイチに輸入される米に基準値を超えるヒ素混入
メキシコ、日本と並ぶアメリカ産米の主要な輸入国ハイチでは、米国からの輸入米に健康に影響する重金属が含まれていたという。
2月23日付
『U.S.ニュース&ワールドレポート』(ロイター通信):「米国からハイチへ輸出される米に危険水準のヒ素混入」:
ハイチでは、米国から輸出される米を主食としているが、ミシガン大学の最新調査によると、その米にガンや心臓病のリスクを高め、健康を損なうレベルのヒ素やカドミウムが含まれていたという。
ハイチはメキシコ、日本と並ぶ主要な米国産米の輸入国で、西半球で最貧国となるハイチでは、国内産よりも輸入品が安価に入手できる。...
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2月23日付
『U.S.ニュース&ワールドレポート』(ロイター通信):「米国からハイチへ輸出される米に危険水準のヒ素混入」:
ハイチでは、米国から輸出される米を主食としているが、ミシガン大学の最新調査によると、その米にガンや心臓病のリスクを高め、健康を損なうレベルのヒ素やカドミウムが含まれていたという。
ハイチはメキシコ、日本と並ぶ主要な米国産米の輸入国で、西半球で最貧国となるハイチでは、国内産よりも輸入品が安価に入手できる。
調査によると、コメに含有されたヒ素やカドミウム濃度は、ハイチ産のコメのほぼ2倍だったという。その中では、国際基準を超えるサンプルも検出され、ほぼ全てのサンプルで米食品医薬品局の小児に対する基準を上回った。
ハイチでは、1980年代から90年代の政治紛争の間に定められた長期契約により、関税が引き下げられた輸入米が店頭を独占、今ではコメのほぼ90%を米国の輸入に頼っている。米国産のコメ助成を行ったビル・クリントン元大統領は後に、ハイチの生産者を壊滅させたこの政策は「間違い」だったと述べている。
輸出量の多い州はルイジアナ州、テキサス州、アーカンソー州で、専門家は米国のヒ素やカドミウム濃度基準の緩さを指摘する。
調査は2020年で、ハイチの1年間のコメ消費量は国民一人当たり平均約85キロ(米国では12キロ)、コメは特にこのような金属を吸収しやすく、成人より子供の方が健康被害を受けるリスクが高くなる。対策としては、米国産米の再調査、ハイチの農業セクター強化や安全基準の見直しが指摘されている。
ハイチでは農村を襲う武装ギャングが横行することで、食料価格をさらに引き上げている。国連統計によると、30万人以上が家屋を逃れ、人口の約40%が飢餓に苦しんでいる。
2月25日付イラン『Webangah』:「アメリカが有害な米をハイチに輸出」:
米国からハイチに輸出されるコメが、ヒ素などの重金属に汚染されていることが調査結果により明らかとなった。最新の米ミシガン大学による研究によると、米国が輸出するコメに危険な病気を引き起こす汚染物質が含まれていたという。
ハイチの主要なコメ輸入国は米国で、コメに含有されたヒ素やカドミウムの濃度はハイチで生産されるコメの約2倍だったという。更に、すべての輸入サンプルで汚染物質が米国当局の基準値を超えていた。
ハイチはメキシコや日本と並び、米国産米の主要な輸入国で、輸入米が国産米の価格を下回っている。
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世界最大のファッションチェーンZARA、急成長の中国Shein撃退策を推進【欧米メディア】
世界のファッションチェーン業界は群雄割拠となっている。特に、中国のオンラインストアShein(希音、シーイン、2008年設立)が急成長して、世界最大のスペイン・ZARA(1975年設立)を猛追している。そこでZARAが対抗策として、低価格競争に打ち勝つため子会社のLefties(1993年設立)店舗を急増させようとしている(後記「世界ファッションチェーン売上高ランキング」参照)。
2月22日付
『ロイター通信』は、ZARAが低価格店Lefties店舗を急増してSheinの猛追をかわそうとしていると報じた。
スペインの世界最大手ファッションチェーンZARAは、インフレーションによる収益減少を食い止めるため値上げに踏み切り、より上層客向けに軸足を置こうとしている。
ただ、業界全体をみると、特に中国のSheinの伸びが強烈で、ZARA親会社のInditexはもとより、スウェーデン大手のH&Mにとっても脅威となってきている。...
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2月22日付
『ロイター通信』は、ZARAが低価格店Lefties店舗を急増してSheinの猛追をかわそうとしていると報じた。
スペインの世界最大手ファッションチェーンZARAは、インフレーションによる収益減少を食い止めるため値上げに踏み切り、より上層客向けに軸足を置こうとしている。
ただ、業界全体をみると、特に中国のSheinの伸びが強烈で、ZARA親会社のInditexはもとより、スウェーデン大手のH&Mにとっても脅威となってきている。
そこで、Inditexが密かに進めているShein撃退政策が、同社の低価格帯販売を展開しているLefties(ZARA売れ残り品を扱うアウトレット)店舗の急増である。
現在までに、エジプト・メキシコ・ルーマニア・サウジアラビア・トルコ・アラブ首長国連邦等17ヵ国に店舗展開を図っている。
更に地元のスペインでもテコ入れしていて、既に25店舗まで増やしており、その結果2019年の顧客数350万人が2023年には500万人まで増加している。
ただ、Sheinのスペイン事業も手強く、5年前の42万1千人から2023年の520万人まで急激に伸ばしてきている。
英国の資金運用企業でInditexにも投資しているアルテミス・ファンド・マネージャーズ(1997年設立)のスウェッサ・ラマチャンドラン部長は、“ZARAの高価格商品を避ける顧客層にとって、LeftiesでZARAブランド商品が購入できることは吉報であり、低価格帯を好む購買層を取り込むのに卓越した戦法と思われる”とコメントした。
また、スペインのベスティンバー証券のパトリシア・シフエンテス上級アナリストも、“Leftiesはあまり目立たないが、低価格帯の市場で唯一優れたオンラインサービスを提供していることから、驚異的な効果を上げていると思う”と述べている。
なお、米国の投資運用企業でInditexに投資しているクリアブリッジ・インベストメンツ(1962年設立)のグレース・スー部長は、“(Shein等)低価格帯で勝負する競合先は依然としてかなり手強い”とした上で、“ただ、Leftiesが十分の収益を確保してなお事業を牽引していければ、Inditex傘下の他ブランドと共食いしない限り、更に拡大していこう”とコメントしている。
(参照)2023年の世界ファッションチェーン売上高ランキング:①Inditex(1985年設立、ZARA親会社)、②Shein、③H&M(スウェーデン、1947年設立)、④First Retailing(日本、1974年設立、ユニクロ持株会社)、⑤Gap(米、1969年設立)
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