高橋留美子さん、第46回アングレーム国際漫画祭でグランプリ受賞
1月23日、フランス南西部にある町アングレームで、「漫画のカンヌ」とも呼ばれるアングレーム国際漫画祭りで、日本人の漫画家、高橋留美子さんがグランプリを受賞した。漫画祭では、日本人漫画家が選ばれることは珍しく、
『ル・モンド』や
『20minutes』などのフランスメディアが授賞者の作品や特徴について詳しく紹介している。
高橋さんについて
『20minutes』は、フランス国内では「鳥山明や宮崎駿ほど知られていないものの、その作品、特にアニメ化されたものはよく知られている。1980年から 1990年の子供たちはアニメシリーズ「らんま1/2」や「うる星やつら」を見たことがあるだろう」と紹介している。当時、フランスの子供番組枠の中で放送されていた人気アニメだったのだ。
また、『ル・モンド』は高橋さんについて、「漫画界のスーパースターまたロマンチックコメディの女王」と紹介しており、日本の漫画はフランスで漫画のトップセールスを保持しており、高橋さんはフランス語圏の漫画家らから、何年も前より候補者として推薦されていたことを伝えている。...
全部読む
高橋さんについて
『20minutes』は、フランス国内では「鳥山明や宮崎駿ほど知られていないものの、その作品、特にアニメ化されたものはよく知られている。1980年から 1990年の子供たちはアニメシリーズ「らんま1/2」や「うる星やつら」を見たことがあるだろう」と紹介している。当時、フランスの子供番組枠の中で放送されていた人気アニメだったのだ。
また、『ル・モンド』は高橋さんについて、「漫画界のスーパースターまたロマンチックコメディの女王」と紹介しており、日本の漫画はフランスで漫画のトップセールスを保持しており、高橋さんはフランス語圏の漫画家らから、何年も前より候補者として推薦されていたことを伝えている。
そして、「女性漫画家や日本の漫画家がヨーロッパの最高の賞に報われることはめったにないため、今回の高橋留美子さんの受賞は、漫画の世界では小さな出来事ではない。 1974年の創業以来、日本人がグランプリを授与されたのは2015年の大友克洋一人だけ、そして女性では、2000年のフローレンス・セスタック(Florence Cestac)のみである。」とも伝えている。
そして、「彼女への授与はまた、漫画が大衆文化であることを恥じる必要はないこと、「一般読者」向けが必ずしも「平凡」と同義語ではないこと、そして10代の若者向けに書くことが質の高い作品を作っていないという意味ではないことを再認識するものである」という脚本家ヴァレリー・マンジャン(Valérie Mangin)のコメントを紹介している。
今回のグランプリは約1700人のフランス語圏漫画家の投票結果である。
閉じる
仏メディア、日本の商業捕鯨再開の理由として国家的プライドに注目
12月26日、日本政府は国際捕鯨委員会(IWC)からの脱退を表明し、来年の7月から、日本の領海と排他的経済水域(EEZ)内に限定して商業捕鯨を30年ぶりに再開すると発表した。12月26日付けの
『ニュースウィーク』や
『CNN』など多くの海外メディアは、オーストラリア政府や環境保護団体グリーンピースによる日本の決断に対する批判を取り上げ、国際的反発を買っていると報道。一方、一部の仏メディアでは、今回の日本政府の動きが文化的プライドから来ていると紹介している。
12月26日付けの
『ル・モンド』は、クジラ肉の消費量が実際には非常に少ないことを指摘。そして「日本人の88.8%は直近12ヶ月の間、鯨を全く購入していない」という2012年の調査結果や、「2015年には日本人の鯨の年間消費量が一人40グラム以下であった」ことを紹介している。このようにクジラ肉の消費需要が低迷している中、なぜ日本は商業捕鯨を再開するのか?と問う同紙。「それは、国家威信に関わること」であり、日本政府が「捕鯨を攻撃することは日本の主権を攻撃するようなものだ」という主張を国内外で展開していると説明している。...
全部読む
12月26日付けの
『ル・モンド』は、クジラ肉の消費量が実際には非常に少ないことを指摘。そして「日本人の88.8%は直近12ヶ月の間、鯨を全く購入していない」という2012年の調査結果や、「2015年には日本人の鯨の年間消費量が一人40グラム以下であった」ことを紹介している。このようにクジラ肉の消費需要が低迷している中、なぜ日本は商業捕鯨を再開するのか?と問う同紙。「それは、国家威信に関わること」であり、日本政府が「捕鯨を攻撃することは日本の主権を攻撃するようなものだ」という主張を国内外で展開していると説明している。
しかし、12月27日付け『AFP通信』などは、日本では海岸地域の住民が12世紀から捕鯨を続けてきた伝統文化ではあるものの、クジラ肉の消費が全国的に広まり、需要が急増したのは、鯨がタンパク質の主要供給源となった第2次世界大戦終結後だったことを紹介している。
12月26日付けの『ル・モンド』では、実際「1947年から1949年の間、消費された肉の54%がクジラ肉だった」こと、そして1970年代後半までは、欧米で牛肉が一般的に消費されているのと同様、クジラ肉は日本人にとって一般的な食糧だったと説明している。しかし、日本の歴史に関わる鯨は、日本人の「国民的なプライドの象徴」に変わったという。そして、この日本人の意識は将来的にも変わる見通しは今のところはないとも同紙は指摘。それは、捕鯨を続けてきた地域が、何世代にも渡り、影響力のある政治家を送り出しているからであり、安倍首相や前農林水産大臣で現在文部科学大臣の林 芳正などを例として取り上げている。
12月26日付けの『フランス アンフォ』でも、フランスの反捕鯨組織「セタセ(C'est assez)」のクリスティーヌ・グランジャン代表へのインタビューを載せ、捕鯨は「日本人と、国家主義的な安倍首相にとっては名誉と誇りの問題である」というコメントを載せている。 そして、捕鯨文化は日本の「国のことであり、我々は彼らに何か問うこと、命令することはできない。その文化は理解できる。しかし、クジラもまた人類の財産である」という視点を紹介している。
閉じる
その他の最新記事