フランス当局、iPhone12の線量基準超えで販売停止(2023/09/13)
iPhone 15の発売と時を同じくして、フランスではiPhone 12が人体に吸収されやすい電磁波を基準値より多く放出しているとして米アップル社に販売停止を求めている。フランス当局は、この結果をEU諸国に周知していくとしている。
9月12日付仏
『フランス24』(AFP通信):「フランス:基準値以上の放射線レベルのためアップル社にiPhone12の販売停止命令」:
フランス規制当局は12日、iPhone12の電磁波放出が多いため、販売を停止するようアップル社に要請した。
フランスの放射線監視機関である国立周波数庁(ANFR)は、検査によりこのモデルが体内に吸収してよい基準以上の電磁波を放出していることが確認されたとし、フランス市場では9月12日以降このモデルを販売しないよう命令。...
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9月12日付仏
『フランス24』(AFP通信):「フランス:基準値以上の放射線レベルのためアップル社にiPhone12の販売停止命令」:
フランス規制当局は12日、iPhone12の電磁波放出が多いため、販売を停止するようアップル社に要請した。
フランスの放射線監視機関である国立周波数庁(ANFR)は、検査によりこのモデルが体内に吸収してよい基準以上の電磁波を放出していることが確認されたとし、フランス市場では9月12日以降このモデルを販売しないよう命令。
当局のラボでは、携帯使用者が手に持つか、ポケットに入れた場合のシュミレーション実験で、1キログラムあたり「5.74ワット」の電磁波が体内に吸収されることが判明したという。欧州の比吸収率基準では、同等の条件下の実験で「4.0ワット」となっている。
ANFRは声明で、「すでに販売されていることを懸念し、すぐに基準を満たすよう対象モデルの対応策を行うべき。そうでなければ、リコールしなければならない」だとしている。ANFRは13日以降、フランス国内での当該機種の販売を行わないよう周知指導していくとしている。
一方、携帯から5センチメートルの距離で電磁波を測定した実験では、1キログラムあたり「2.0ワット」の基準を満たしていたという。
多くの国の監視機関では、健康への悪影響防止の観点から、携帯電話の電磁波放出量の基準を定めている。一方、世界保健機関(WHO)はウェブサイト上で、多くの研究結果から「携帯電話の使用による健康への悪影響はない」としている。
9月13日付『ロイター通信』:「フランス監視機関、基準以上の放射線を巡りiPhone12の販売停止」
フランスのジャン・ノエル・バロット デジタル経済副大臣は、12日の「ル・パリジャン」紙のインタビューで、「アップル社は基準値を超える放射線を理由にiPhone12モデルの販売を中止すべきだ」と述べている。
フランス規制当局は、同モデルの比吸収率(SAR)の試験結果が、法定許容をやや上回ったとしている。
バロット副大臣は、「2020年から販売されているこの携帯電話の放射線問題の改善にはソフトウェアの更新は必要で、アップル社は2週間以内対策を行うべき。そうしない場合には、リコールを要請する準備ある。IT大手企業でもルールは同じだ」としている。
欧州連合(EU)は、科学的にガンのリスクを増加させる可能性があるとして、携帯電話使用におけるSAR値の安全基準を定めている。今後はフランス当局により、EU諸国へ実証結果が周知される予定で、バロット氏は「実際問題として、この決定による影響は雪だるま式に拡大するだろう」としている。
フランスは2020年、メーカーに対し、タブレット等電子デバイスを含む携帯電話の製品パッケージ上に放射線量を明記するよう規制を強化していた。
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イラン:夫が10代の妻を斬首。女性への暴力に対して議論再燃(2022/02/10)
12歳のときに、いとこと強制的に結婚させられたイラン人の少女が、夫からのDVを逃れてトルコに非難した。しかしその後イランに連れ戻され、数日後に夫に斬首された。イランで古くからの風習である「名誉殺人」事件である。イラン国内では女性への暴力の問題が改善しないことに対する議論が再び沸き起こっている。
仏紙
『ル・パリジャン』は、モナ・ヘイダリさんはイランにおける「名誉の殺人」の犠牲者の長いリストに加えられた、と報じている。イランの通信社ロクナによると、17歳の女性が5日にイラン南西部の州の州都であるアフバズで夫によって斬首されたという。ユーチューブには、モナさんの頭を片手に、もう一方の手に大きなナイフを持って、笑顔でアフバズの通りを練り歩く姿が映っている動画が投稿された。
イランの女性擁護団体「女性委員会NCRI」によると、モナさんは15歳でいとこのサジャド・ヘイダリと結婚させられ、家庭内暴力の被害者となった。...
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仏紙
『ル・パリジャン』は、モナ・ヘイダリさんはイランにおける「名誉の殺人」の犠牲者の長いリストに加えられた、と報じている。イランの通信社ロクナによると、17歳の女性が5日にイラン南西部の州の州都であるアフバズで夫によって斬首されたという。ユーチューブには、モナさんの頭を片手に、もう一方の手に大きなナイフを持って、笑顔でアフバズの通りを練り歩く姿が映っている動画が投稿された。
イランの女性擁護団体「女性委員会NCRI」によると、モナさんは15歳でいとこのサジャド・ヘイダリと結婚させられ、家庭内暴力の被害者となった。同団体は、「離婚を求めるたびに、家族は子供のために家に帰り、夫と生活を続けるように説得していた」と報告している。
17歳になっていたモナさんは、半年間トルコに逃げていたものの、その後父と叔父に見つかり、安全な生活を約束されたことで戻ることに合意したという。しかし帰国直後、夫と義弟に殺害された。
医学誌「ランセット」は2020年10月に発表した論文で、2010年から2014年にかけてイランで行われたいわゆる「名誉殺人」の犠牲者は少なくとも8000人いることを明らかにした。15歳以下の子もいれば、10歳になったばかりの子もいるという。イラン刑法301条では、殺された女性や子供の父および祖父は、これに対して報復してはならないと定めている。
英『デイリーメイル』は、モナさんがトルコに逃亡後、父親はインターポールの協力で行方を突き止めたと伝えている。父親がイランの警察に苦情を申し立てたところ、警察はインターポールを通じて入手したモナさんの住所を教えたという。 父親はその後、娘を帰国させるために必要なすべての書類を準備し、通訳も用意してトルコに行き、娘を連れ戻したという。
娘の死後、父親のジャバド氏は、「娘は結婚を強制されたわけではなく、実際、夫は彼女に最高の生活を提供してくれた。確かに2人の間には争いがあり、時には暴力もあり、娘は家に戻ることがあったが、2、3日いるだけで、その後夫が迎えに来て、普通の生活に戻っていた。こういう夫婦喧嘩は全く普通のことで、娘が離婚を求めたわけではないので問題はなかったと思う」と話している。また、娘が結婚するには若すぎたことを認めながらも、「肉体的に結婚できる年齢であることを確認する証明書をもらったし、関係には何の肉体的な問題もなかった」と付け加えている。また夫側の家族は、妻が他の男性とトルコに逃げたことで、息子があざ笑われ、侮辱されたと主張している。
NCRI女性委員会は、「何らかの名誉殺人が見出しを飾らない週はない。これらの殺人を犯罪化しないイスラーム法学者による政権であるために、名誉殺人が破滅的に増加している」と述べている。また、イランにおける名誉殺人の増加は、「中世的な考え方に根ざしている支配体制」と「イスラーム法学者による政権の法律は、女性は男性に所有されている二級市民であることを公式に記している」ことが原因だと指摘している。
米国在住の社会学者ホセイン・ガジアン氏は、米『ラジオ・フリー・ヨーロッパ』の取材に対し、イランの多くの男性は家族の女性は自分の所有物だと考えていると語った。「男性は女性の心と体を所有しているのです。彼らは境界を定め、自分の名誉を守ることが社会的な義務だと考えています。もし失敗したら、彼らは自分の名誉を回復しなければならないと考え、体を犯された女性を殺すことでそれを行おうとするのです。」と説明している。
エブラヒム・ニクデル・ガダム弁護士はイランの法律ではこうした殺害に対する抑止力がなく、親族の女性を殺害した者の刑が軽いために、同じような殺害を招いてしまっていると指摘している。
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