中国:ドイツの経営者間では今後の中国への投資について意見が分かれる(2022/11/04)
フランスの
『ルモンド紙』によると、オラフ・ショルツ首相が11月4日金曜日、中国を訪問するが、ドイツの企業経営者の間では中国に対して取るべき行動に関して意見が分かれているという。
モンド紙は、ウクライナへのロシアの侵攻が開始される3日前の2月21日にドイツの巨大化学企業BASF社のルードウイグシャーフェン本社の経営者ブルーデルミューラー氏を訪ね、ロシアや中国に関する質問を行った。
特に中国に関してBASF社は2030年までに広東省の湛江市に新たな生産拠点を建設するために100億ユーロ(=約1.5兆円)の投資することを計画していたが、ルモンドの記者の質問にBASF社の経営者は次のように回答している。...
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モンド紙は、ウクライナへのロシアの侵攻が開始される3日前の2月21日にドイツの巨大化学企業BASF社のルードウイグシャーフェン本社の経営者ブルーデルミューラー氏を訪ね、ロシアや中国に関する質問を行った。
特に中国に関してBASF社は2030年までに広東省の湛江市に新たな生産拠点を建設するために100億ユーロ(=約1.5兆円)の投資することを計画していたが、ルモンドの記者の質問にBASF社の経営者は次のように回答している。
ルモンド記者の質問:「中国は現在、地政学的な政策でドイツを含む欧米諸国に敵意を示しており、このような高額の投資を行うことはリスクが伴うのではないか?」
ブルーデルミューラー氏の回答:「2030年に中国は世界の化学製品市場の50%を占めると予想される。企業家としてはこれに興味を持たずにはいられない。」
ところで、ロシアのウクライナ侵攻から8月経過してから中国の台湾侵攻の脅威により中国を取り巻く地域の地政学的なリスクが高まりつつある。
このような状況下にあって、今度はドイツの全企業に対して同じ質問が投げられている。質問に回答する意味もあってオラフ・ショルツ首相は11月4日金曜日に北京を訪問することになった。一方、この訪問についてはEU諸国としての結束を乱すものだとして物議を醸しだしている。
なお、コビッド19感染防止の保健衛生上の理由からドイツの公用便のフライトは夜離陸し、12人の経済界の代表者のみが同行し、メルケル前首相時代の大代表団とは一線を画している。経済界からフォルクスワーゲン、シーメンス、ドイツ銀行、BMW、バイエル、アディダス、メルクおよびコビッド19感染防止ワクチン開発で有名なバイオンテックなどの経営者が名を連ねている。
中国のゼロコロナ政策が継続される中、今後のドイツと中国の経済関係の先行きが注目される。
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日本:ミサイルのJ-アラートシステムの不調が政治論争の的になる(2022/10/10)
フランスの
『ルモンド紙』は、北朝鮮のミサイル発射の後に日本国民に送られたメッセージ(J-アラート) が住民に対して科せられた実際の危険性を反映していなかったことを受け、多くの国民はJ-アラートの使い道や、真の目的について疑問を投げかけていると報じている。
10月8日、北朝鮮は、最近頻繁にミサイル発射を通常の自衛のための訓練と呼んで行っているが、他方、朝鮮半島周辺では米国と韓国の間の海上軍事演習を繰り広げている。日本では、北朝鮮のミサイルに対するJ-アラートシステムが誤作動していることや、政府による使用方法に疑問が投げかけられている。
岸田首相は10月7日金曜日、国会で野党側からの質問に答えて、「問題をとても真剣に受け止めている。誤作動の再発防止に最大限に努力する。...
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10月8日、北朝鮮は、最近頻繁にミサイル発射を通常の自衛のための訓練と呼んで行っているが、他方、朝鮮半島周辺では米国と韓国の間の海上軍事演習を繰り広げている。日本では、北朝鮮のミサイルに対するJ-アラートシステムが誤作動していることや、政府による使用方法に疑問が投げかけられている。
岸田首相は10月7日金曜日、国会で野党側からの質問に答えて、「問題をとても真剣に受け止めている。誤作動の再発防止に最大限に努力する。」と答えた。なお、それ以前に松野官房長官が「不要な不安を生じたこと」に対して陳謝している。
ところでJ-アラート、国民に対してミサイル発射などの緊急状態を事前に知らせる全国瞬時警報システムで、2007年に消防庁で開発整備された。衛星通信を利用しており、地震や津波やテロリスト攻撃に対する警報を目的としていた。最近は、北朝鮮のミサイルが日本の領海に侵入した場合や日本上空を通過した場合にもJ-アラートが発せられる。
10月4日は北朝鮮の中距離弾道ミサイルが日本上空を通過してJ-アラートが各地域に発せられた。しかし、J-アラートは調整が不充分であったようで太平洋の東京都の離島住民の携帯にもメッセージが送られたという。
10月4日のJ-アラートのメッセージは、ミサイル発射後数分してから発せられたことと、970km上空のミサイル通過は日本にとって脅威ではないのに発せられたこと、および避難場所の指定されている9.4万箇所の1.4%のみしか避難にふさわしい地下室を所有していないことなどの問題が浮き彫りになった。
『ルモンド紙』は、J-アラートの使い道を疑問視する声が出ている多くでているが、このメッセージを出すことで政府としては、国民の恐怖を煽り、国防予算を増やすように世論を誘導しているのではないかという意見も紹介している。
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