サイバーセキュリティに関する欧州のビジョンを促進することを目的とした国際サイバーセキュリティフォーラム(ICF)が今日から3日間、フランスで開催される。今年は13000人以上の参加者が見込まれており、ロシアとウクライナの軍事衝突を背景に、サイバー脅威の状況やその対策について最新の情報が交わされる。
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『BFMTV』によると、ICFの共同主催者であるギヨーム・ティシエ氏はAFPに対し、「出展者は15%から20%増の約550社、講演者は500人近くと、かつてないほど多くの関係者が参加する」と述べている。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まった際、世界的なサイバー攻撃が懸念されたが、今のところ、ロシアとウクライナの間でおさまっている。フランスの仏国家情報通信システム安全庁のプパール長官は今週、「ロシアはウクライナを集中的に攻撃している」と指摘。...
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『BFMTV』によると、ICFの共同主催者であるギヨーム・ティシエ氏はAFPに対し、「出展者は15%から20%増の約550社、講演者は500人近くと、かつてないほど多くの関係者が参加する」と述べている。
ロシアのウクライナへの軍事侵攻が始まった際、世界的なサイバー攻撃が懸念されたが、今のところ、ロシアとウクライナの間でおさまっている。フランスの仏国家情報通信システム安全庁のプパール長官は今週、「ロシアはウクライナを集中的に攻撃している」と指摘。しかしウクライナ側は、ロシアのサイバー攻撃に対してよく準備していたことと、マイクロソフトなど国・民間を問わず欧米の協力のおかげで、ロシアからのサイバー攻撃を封じ込めるが出来ているという。プパール長官は、サイバー問題に関して「ウクライナ側に非常に強いレジリエンスが見られる」と述べ、サイバー防衛関係の人たちに「希望を与える」ことだと語っている。
IT関連の仏ニュースサイト『ルモンド・アンフォルマティーキュ』によると、欧州理事会と欧州議会は5月、欧州の主要インフラのセキュリティ強化を目的とした「NIS2」指令の改定について政治的合意に達している。EU全体で共通した高いレベルのサイバーセキュリティを実現したいという意向が強く、官民双方でレジリエンスとインシデント対応能力を向上していく。このために最大45億ユーロ(約6400億円)を目標にサイバーセキュリティへの投資を拡大していく。
なおこのプロジェクトの合意の数ヵ月前には、加盟国に対するサイバー攻撃の増加に対応する能力を向上させるために、EU-CyCLONeと呼ばれる欧州の合同サイバーセキュリティユニットの創設が発表されている。こうした新たなセキュリティ対策は欧州だけではない。米国でも連邦政府機関にゼロトラストセキュリティが課されるようになった。同様に英国でも、通信ソリューションやインフラのセキュリティを強化し、インターネットに接続可能な端末の輸入・販売業者にサイバーセキュリティ基準を課す法案を準備中である。
仏『ソリューション・ニュメリーク』は、ウクライナ戦争で見られたようなサイバー攻撃の将来的な可能性についてフランス中小企業に調査が行わられたところ、中小企業の59%はサイバー攻撃が急増すると予測している。調査対象企業の45%がサイバーセキュリティ対策の強化をすでに実施しているか、または実施中であると回答し、6%がそのつもりだと回答している。調査対象企業の51%がサイバー攻撃の脅威に対して具体的な対策をとっていることになる。
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