フランス、再度のロックダウンで小売業の従業員10万人が「部分的失業」者に(2020/11/16)
新型コロナウィルス感染症の第二波に対応するために、生活に必須でないとされる店舗は営業禁止となっているフランス。生活必需品売り場を絞り、営業を縮小して続けているスーパーや大型店舗では、客数が30%ほどまでに減少しており、売上高が激減している。その結果、多くの従業員が「部分的失業」に入ることを余儀なくされている。
『キャピタル』によると、多くの大型スーパーは一部の売り場の閉鎖を補うために、「部分的失業」プログラムを実施し、従業員を休ませているという。
フランスの小売大手のカルフールの場合、12日にグループ全体の従業員11万人のうち 9万人に部分的失業の措置を取ると決定している。一部の労働組合は「政治的決定」であり「部分的失業詐欺」だと糾弾し、こうした措置に反対している。
『フランスアンフォ』によると、小売業の大手企業は売り上げが減少していると説明しているものの、例えばカルフールは2週間前に世界で8.4%の成長を記録し、20年ぶりの好調な結果を出したばかりであったという。...
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『キャピタル』によると、多くの大型スーパーは一部の売り場の閉鎖を補うために、「部分的失業」プログラムを実施し、従業員を休ませているという。
フランスの小売大手のカルフールの場合、12日にグループ全体の従業員11万人のうち 9万人に部分的失業の措置を取ると決定している。一部の労働組合は「政治的決定」であり「部分的失業詐欺」だと糾弾し、こうした措置に反対している。
『フランスアンフォ』によると、小売業の大手企業は売り上げが減少していると説明しているものの、例えばカルフールは2週間前に世界で8.4%の成長を記録し、20年ぶりの好調な結果を出したばかりであったという。
フランス民主労働連合(CFDT)代表のオリビエ・ギヴァルシュ氏は、「部分的失業」措置は行き過ぎた措置だと非難している。企業側が利益を出している中で「この財政的最適化は必須ではない」と指摘している。
『ルパリジャン』によると、カルフールの労働組合は、カルフールが部分的失業措置を取るのは、経済危機を利用して「納税者の背後で大幅な節約を達成」しようとしているからだと反発している。
こうした批判に対し、エリザベット・ボルヌ労働・雇用・社会復帰大臣は、部分的失業は解雇を防ぎ、仕事と従業員を保護することに役立っていると説明している。
さらに「労働者の皆さんに安心してもらいたい。完全に正当化されていない部分的失業措置には、政府は助成金を支払うことはない」と念を押した。そして、企業側による制度の乱用があった場合は処罰すると警告している。
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フランス、酸素吸入を必要とする新型コロナウイルス患者の一部は在宅療養が可能に(2020/11/11)
フランス高等保健機構(HAS)は9日、新型コロナウイルスによる医療崩壊を防ぐために、例外的措置として、酸素療法で入院している一部の新型コロナウイルスの患者が自宅で治療を続けられることを承認した。対象は、基礎疾患のない重症化するリスクの低い患者に限定し、開業医など患者の自宅近くの医療関係者が患者の治療をフォローしていく。
『レゼコー』や
『ルパリジャン』によると、HASは9日夕方、この特例措置をいち早く発表した。今回の決定は、都市の医療従事者たちが熱望していたものであるが、病院関係者らは、患者への影響を危惧しており、より慎重になっているという。
新型コロナウイルスで重症化するリスクがある患者には入院が推奨されるものの、次の2種類の患者には在宅療養が可能になる。まず新型コロナウイルスで入院中の患者で、健康状態が良く、万が一の場合でも自宅で酸素治療を受けることで回復が期待できそうな患者。...
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『レゼコー』や
『ルパリジャン』によると、HASは9日夕方、この特例措置をいち早く発表した。今回の決定は、都市の医療従事者たちが熱望していたものであるが、病院関係者らは、患者への影響を危惧しており、より慎重になっているという。
新型コロナウイルスで重症化するリスクがある患者には入院が推奨されるものの、次の2種類の患者には在宅療養が可能になる。まず新型コロナウイルスで入院中の患者で、健康状態が良く、万が一の場合でも自宅で酸素治療を受けることで回復が期待できそうな患者。さらには、入院中に酸素療法を受けている新型コロナウイルスの患者で、在宅で治療が続けられる見込みのある健康状態の良い患者が該当してくる。
HASは、患者は「経済的に自立していること、介護してくれる第三者が自宅にいること、衛生的な家に住んでいること、救急車または救急体制の整った医療施設が自宅から30分未満にあること」が前提条件になると説明している。
治療の面では、退院する患者であれば、血中酸素飽和度を維持するために必要な酸素量が4リットル/分未満の状態であること。外来患者の場合は、安静時の血中飽和度が92%以上に回復できることが条件となる。
糖尿病や腎不全など慢性疾患が安定していない患者、高度肥満あるいは妊娠中の患者などは、自動的にこの在宅療養から除外される。他にも70歳以上の高齢者、心血管疾患、肝硬変などのより細かい基準を2つ以上満たしている患者も除外されることになる。
一般開業医、看護師、理学療法士らは、万が一患者が重症化した時に入院する病院の医療チームと連携をとりながら、患者を家庭訪問し、綿密にモニタリングしていくことが求められる。状態が悪化した場合には、すぐに救急車または病院に連絡し、速やかに入院できるようにしなければならない。
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