既報どおり、国連総会の一般討論で初めて演説するトランプ大統領が、パリ協定(気候変動対策協定)離脱をあくまで貫き通すのか、世界が注目している。そこで、パリ協定の根拠となった地球温暖化の進捗状況であるが、この程専門家が2000年以降のデータを再評価したところ、地球に壊滅的打撃を与える恐れとなる時期が20年程伸びる見通しとなったという。一方、環境活動家グループによる調査結果によると、プラスチックゴミ等による海洋汚染が増々深刻となっており、北太平洋上に浮遊するゴミの山は、今やフランスの面積に匹敵する程膨れ上がっているという。
9月19日付英
『ジ・インディペンデント』紙:「直近の再評価で、地球温暖化のスピードが以前の想定よりゆっくり進むとの見通し」
今週発行された科学雑誌
『ネイチャー・ジオサイエンス(注後記)』掲載のレポートによると、2015年時に評価したときより、地球に壊滅的打撃を与える恐れのある、産業革命前と比較して1.5℃以上となる地球温暖化が進むスピードは、20年程遅くなる見通しとなったという。
オックスフォード大のマイル・アレン教授(地球科学専門)及びユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマイケル・グラブ教授(国際エネルギー・気候変動専門)が共同で、2000年以降のデータを再評価した結果という。...
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9月19日付英
『ジ・インディペンデント』紙:「直近の再評価で、地球温暖化のスピードが以前の想定よりゆっくり進むとの見通し」
今週発行された科学雑誌
『ネイチャー・ジオサイエンス(注後記)』掲載のレポートによると、2015年時に評価したときより、地球に壊滅的打撃を与える恐れのある、産業革命前と比較して1.5℃以上となる地球温暖化が進むスピードは、20年程遅くなる見通しとなったという。
オックスフォード大のマイル・アレン教授(地球科学専門)及びユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのマイケル・グラブ教授(国際エネルギー・気候変動専門)が共同で、2000年以降のデータを再評価した結果という。
『ザ・タイムズ』紙によると、グラブ教授は、2015年時の評価の基となったのは、世界の大学や政府機関の集積した10年前のデータであったが、今回は直近までのデータを踏まえて再評価したものだという。
それによると、産業革命前比較1.5℃上昇を抑えるため、2015年以降二酸化炭素発生量を700億トン削減する必要があるとしたが、今回の再評価では、2,400億トン発生しないと1.5℃には到達しない、言わば“二酸化炭素発生余量”が存在することになるとする。
アレン教授によれば、これはほぼ20年に相当し、また、グラブ教授は、海面上昇によって水没する恐れのある太平洋の島国にとっては朗報であるという。
なお、いずれにしても、二酸化炭素発生量を削減して、温暖化対策を講じることは必要不可欠な事実であるとする。
一方、9月18日付米『ザ・クォーツ』オンラインニュース:「大洋上のゴミの山がフランスに匹敵する大きさに肥大-環境活動家が警鐘を鳴らす意味でひとつの国家と認識すべきと主張」
コミュニティサイト『ラッドバイブル』によると、北太平洋に浮遊するゴミの山が、フランスの国土(編注;55万1,500平方キロメーター)に匹敵する程肥大化しているという。
そこで、環境活動家グループが同サイトにおいて、当該ゴミの山を国家に見立てて、通貨はもとよりパスポート(その全てに海洋汚染現状を示す挿図)を発行し、世界に海洋汚染の深刻さを訴えようとしている。これには、環境活動家で知られる、元米大統領選候補者のアル・ゴア氏も加わっている。
なお、同グループによると、プラスチックゴミは魚だけでなく、ミクロ粒子となって魚貝類に取り込まれるため、結果としてそれらを食する人体にも悪影響を及ぼすという。
また、このまま対策を講じないと、プラスチックゴミの総量は、2050年までには地球上の魚類総量を超えてしまう恐れがあるとする。
そして同サイトは、ゴミの山を国家と見立てるなどは愚かなことと思うならば、今やフランスの国土に匹敵する程ゴミの山が肥大化している現実を直視し、出来うる対策について真剣に考えて欲しい、と結んでいる。
(注)ネイチャー・ジオサイエンス:2008年1月創刊の、査読科学月刊誌。1869年に創刊された、世界最古の査読科学週刊誌『ネイチャー』を発行する英ネイチャー・パブリッシング・グループが発行元。
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