香港のカジノ大手が東京地検特捜部のカジノ汚職事件捜査に協力【米メディア】(2020/01/30)
日本は、国際NGOトランスペアレンシー・インターナショナル(TI、注後記)が発表した「腐敗認識指数(CPI)2019年版」において、調査対象180ヵ国中20位と、先進国の中では比較的高評価を得ている。しかし、昨年12月以降大々的に報じられているカジノ汚職事件は、その評価に水を差すものである。目下、東京地検特捜部が与党・自民党を中心に、統合型リゾート(IR)事業に関わった政治家等の汚職容疑を捜査中である。そしてこの程、この捜査に香港のカジノ大手が協力しているとの報道がなされた。
1月29日付
『ロイター通信』:「香港のメルコ社が日本のカジノ汚職事件捜査に協力」
香港のカジノ事業関係者の証言によると、香港のカジノ大手メルコ・リゾーツ&エンターテインメント(MLCO)が、目下東京地検特捜部が進めているカジノ汚職事件の捜査、特に与党・自民党のベテラン議員の収賄容疑に関して協力しているという。
同関係者は、“東京地検特捜部からMLCO宛に捜査協力依頼状が出され、それに基づき捜査員が香港に来訪”していると話した。...
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1月29日付
『ロイター通信』:「香港のメルコ社が日本のカジノ汚職事件捜査に協力」
香港のカジノ事業関係者の証言によると、香港のカジノ大手メルコ・リゾーツ&エンターテインメント(MLCO)が、目下東京地検特捜部が進めているカジノ汚職事件の捜査、特に与党・自民党のベテラン議員の収賄容疑に関して協力しているという。
同関係者は、“東京地検特捜部からMLCO宛に捜査協力依頼状が出され、それに基づき捜査員が香港に来訪”していると話した。
東京地検特捜部は昨年12月、5万ドル(約550万円)余りの現金及び贈答品を賄賂として受け取った容疑で、内閣府副大臣(IR担当)だった秋元司衆議院議員(48歳、自民党二階派)を逮捕している。
東京地検特捜部は贈賄元を明かしていないが、『NHK』他日本のメディアは、中国深玔(広東省)本拠の500ドットコム社であると報じた。
同社は先月、本件に関して社内調査委員会を立ち上げると同時に、陳徐東(チェン・スドン)会長が責任を取って辞任した旨発表している。
日本は、世界の主要国の中で唯一カジノ事業が未開発の国で、MLCOの他、米MGMリゾーツ・インターナショナル、米ラスベガス・サンズ、米ウィン・リゾーツ、マカオのギャラクシー・エンターテインメント・グループ(銀河娯楽)が参入の興味を示している。
MLCOやその他カジノ事業会社によれば、カジノを含めた統合型リゾート施設を建設するのに100億ドル(約1兆1千億円)かかるという。
なお、MLCOはこれまで、ギャンブルの悪いイメージ払拭の一環で、東京芸術大学と共同で日本文化宣伝事業を展開し、更に、2011年東日本大震災の被害を受けた地域の学生を香港に招待する等努めてきている。
ただ、『朝日新聞』の1月28付報道によると、今回のカジノ汚職事件によって、カジノ事業の具体的検討開始時期は来年以降に遅れることになろうという。
(注)TI:腐敗、特に汚職に対して取り組む国際的な非政府組織。世界中の汚職を国家別にリスト化したCPIを毎年発表している。1993年発足で、本拠はドイツ。なお、日本以外の主要国の評価順位は以下通り;1NZ・デンマーク、3フィンランド、4スイス・シンガポール・スウェーデン、7ノルウェー、8オランダ、9ドイツ・ルクセンブルグ、・・、23米・フランス、・・、39韓国、・・、80中国。
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新型コロナウィルスの市場への影響(2020/01/28)
中国の武漢市で発生した新型コロナウイルスは、患者数が増え続け、感染拡大による中国経済及び世界経済への影響が懸念されている。
1月27日付英国
『BBC』は「コロナウィルスへの懸念が世界市場と原油価格を直撃」との見出しで以下のように報道している。
継続中のコロナウィルスへの懸念が金融市場に影響し、ウォール街や東京で株価が下落。中国国内の大手企業が最も影響を受けている。これまで82人の死亡と約3千人の感染、中国国外では44件の感染例が報告されている。感染拡大は中国で旅行や消費が急増する新年の春節と重なり、多くのアジア株が休暇前の月曜取引を終えた。...
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1月27日付英国
『BBC』は「コロナウィルスへの懸念が世界市場と原油価格を直撃」との見出しで以下のように報道している。
継続中のコロナウィルスへの懸念が金融市場に影響し、ウォール街や東京で株価が下落。中国国内の大手企業が最も影響を受けている。これまで82人の死亡と約3千人の感染、中国国外では44件の感染例が報告されている。感染拡大は中国で旅行や消費が急増する新年の春節と重なり、多くのアジア株が休暇前の月曜取引を終えた。旅行やファッション業界を中心に、中国経済への影響が懸念されている。
一方、原油価格は2%以上下落。エコノミストは、タイミングがこれ以上なく最悪と分析。企業は従業員により長期の休暇を奨めており、アナリストは現在の状況を800人の死者を出し中国の年間成長は11%から9%に落ち込んだ2002年のSARS流行時と比較。これまで死者は少ないものの、アジアでの経済的な打撃は大きく、米国など他国にも影響が拡大する恐れがある。
月曜ヨーロッパの市場が大きく下げ、ドイツのDAX株価指数、フランスのCAC40指数ともに2.5%以上下げた。中国の高級ブランド(LVMH[モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン], ケリング, ロレアル、エルメス)にも影響が出ている。
16%の売上を中国に頼る英国バーバリーは4.79%の売上減。米国では、マカオでカジノを経営するウィン・リゾーツが最も影響を受け8%減。同ラスベガス・サンズも6.6%減。上海と香港のパークを閉鎖したディスニーは3%以上の減収。他の旅行会社にも影響が見られた。
一方、漂白洗浄剤や消毒用タオルのCloroxは1%上昇し、数少ない増益派となった。Oxford Economicsのエコノミストは、中国への影響はどれも3カ月程と短期的だろうと予測している。
同日付米国『フィナンシャルタイムズ』は「コロナウィルスへの懸念で株価や原油市場に混乱」との見出しで以下のように報道している。
コロナウィルス感染拡大への懸念で旅行、贅沢品、鉱業セクターを中心に世界市場に影響。病気の拡大による中国の経済成長鈍化の可能性が懸念され、旅行業界や製造業など多岐に渡り、世界の株式市場や原油価格が急落した。
日産やフランスのPSAルノーなどを含む自動車メーカーが、駐在スタッフの帰国の準備をするなど、中国の製造業への影響が注目された。製造業のハブ都市である蘇州市のスマホ製品製造フォックスコンは、数百万人の従業員を1週間をめどに休暇措置とした。ここ数ヶ月改善していたセクターの成長に影響。
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