米中企業が世界兵器市場を支配する中、グローバル化の傾向も(2020/12/08)
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は7日、世界兵器市場に関する報告書を公表した。同報告書によると、世界の大手兵器メーカー25社の2019年の売上高は8.5%増加しており、その半分以上は米国が占め、中国を大きく引き離している。欧州の大手メーカー6社は、世界の兵器市場の18%を占めている。
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『レゼコー』によると、世界大手兵器メーカー25社の売上高は2019年に8.5%増の3610億ドルとなっており、防衛と軍備競争の勢いは衰えを見せていない。米国と中国の兵器メーカーが世界市場を支配しており、昨年、アメリカの兵器産業は、世界のトップ兵器メーカー25社の売上の61%を占め、中国の15.7%を大きく引き離している。
報告書によると、米国や中国の政府は軍事関連の支出により、両国それぞれのトップメーカーを上位10位以内に維持することが出来ている。...
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『レゼコー』によると、世界大手兵器メーカー25社の売上高は2019年に8.5%増の3610億ドルとなっており、防衛と軍備競争の勢いは衰えを見せていない。米国と中国の兵器メーカーが世界市場を支配しており、昨年、アメリカの兵器産業は、世界のトップ兵器メーカー25社の売上の61%を占め、中国の15.7%を大きく引き離している。
報告書によると、米国や中国の政府は軍事関連の支出により、両国それぞれのトップメーカーを上位10位以内に維持することが出来ている。米メーカーのロッキード・マーチン、ボーイング、ノースロップ・グラマン、レイセオン、ゼネラル・ダイナミクスがそれぞれ世界のトップ5の順位を独占している。中国のAVIC、CETC、Norincoがそれぞれ6位、8位、9位を占めている。
米国と中国に次ぐ兵器輸出国のロシアは、ウクライナ戦争以降制裁を受けているため、世界兵器貿易額の3.9%にとどまっている。企業ランキングにはAlmaz-AnteyとUnited Shipbuilding の2社が、それぞれ15位と25位にランクインしている。
欧州企業でランキングトップに入るのは1社のみで、英国のBAEシステムズが7位にランクインしている。欧州の最大手メーカー6社で世界の武器貿易の18%を占めている。
今回は中東の企業が初めてトップ25に入ったことが報告されている。25の異なる事業が合併して誕生したアラブ首長国連邦の兵器メーカー「EDGE」が22位にランクインしている。報告書は、「軍事製品やサービスに対する国内の強い需要と、外国のサプライヤーへの依存度を減らしたいという願望が組み合わさって、中東の兵器メーカーの成長を牽引している」と指摘している。
仏『ラクロワ』によると、報告書は今回初めて、30年程前から見られる兵器メーカーのグローバル化をマッピングし、定量化したという。現在の世界のトップ15社を見ると、米国、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、イギリス、中国、ロシアの8カ国に本社が集中している。しかし、各企業が設立した研究センター、子会社、合弁事業を含めると、これら15社は世界49カ国に存在していることが判明した。
このグローバル化は、武装需要の減少を受けて、各メーカーが海外企業の買収や合弁会社の設立で節減に取り組むと共に、サービスの多様化を図ってきた結果だとされている。グローバル化の動きは2000年代には減速したが、その痕跡は健在である。現在、ヨーロッパの様々な国には、トップ15社に所属する組織、合計167の外国企業が活動している。米国でも84の組織が活動している。欧米以外では、オーストラリア(38)、サウジアラビア(24)、インド(13)、シンガポール(11)、アラブ首長国連邦(11)、ブラジル(10)に世界のトップ15メーカーに所属する組織が最も集中している。これらの国は最大の武器輸入国の上位国でもある。
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トルコ、新型コロナウイルスの記録的な新規感染者数をようやく公表(2020/12/04)
トルコは11月末、新型コロナウイルスの新規感染者数のカウント方法を変更した。その結果、公式記録の感染者数がいっきに急増し、新型コロナウイルスの感染爆発に直面していることがようやく公に認識されるようになった。エルドアン大統領は、10日前に発表したばかりの規制をさらに強化する方針を発表した。
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『ルモンド』によると、トルコでは現在、新型コロナウイルスの感染爆発のために、政府は新たな規制を課すことを余儀なくされている。ドローンによるイスタンブールの街の監視、20歳未満と65歳以上の公共交通機関の利用禁止、平日の夜間外出禁止令、週末の全面的な外出禁止措置などがあげられる。
トルコ保健省は2日、新型コロナウイルスの死者は193人、新たな感染者は31,923人と発表した。トルコ当局は先週から新規感染者数の数え方を変更し、これまでは症状があり治療を受ける患者だけを新規感染者と見なしていたが、先週からは、無症状の人を含むすべての新規陽性者がカウントされるようになった。...
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『ルモンド』によると、トルコでは現在、新型コロナウイルスの感染爆発のために、政府は新たな規制を課すことを余儀なくされている。ドローンによるイスタンブールの街の監視、20歳未満と65歳以上の公共交通機関の利用禁止、平日の夜間外出禁止令、週末の全面的な外出禁止措置などがあげられる。
トルコ保健省は2日、新型コロナウイルスの死者は193人、新たな感染者は31,923人と発表した。トルコ当局は先週から新規感染者数の数え方を変更し、これまでは症状があり治療を受ける患者だけを新規感染者と見なしていたが、先週からは、無症状の人を含むすべての新規陽性者がカウントされるようになった。
この新しい数え方によって、1日あたり30,000人以上の新しい感染者を記録するようになり、景気後退の脅威にさらされている経済をまわし続けながら、同時に感染爆発を封じ込める必要性に迫られている政府のジレンマがさらに増している。
死亡者数の増加に伴い、エルドアン大統領は、食品や製造業の生産を除いた新たな規制も発表せざるを得なくなっている。同大統領は11月30日、「人々の健康を守りつつ、生産、貿易、雇用、社会生活を継続できるような方法を模索している 」と語っている。
『ラクロワ』によると、先週のカウント方法の変更により、トルコはヨーロッパで最も感染の流行が抑えられていた国の一つから、最も感染が流行している国の一つに変わったことになる。トルコの医療従事者の88%が加盟しているトルコ医師会(TMA)は、政府が状況の深刻さを隠していると主張している。TMA代表のSebnem Korur Fincanci医師は、「現在の一日あたりの新規感染者の数は約50,000人である 」と述べており、トルコ政府は第二波に対処することができていないため、国民がパニックに陥らないように感染者数を最小限に抑えているのだと指摘している。
『ルモンド』によると、トルコの医療関係者の状況は深刻となっている。トルコ政府は11月に医療従事者の休暇取得、パンデミック中の退職や早期退職を禁止とした。3月にも3ヶ月の間、同様の禁止令が取られたが、夏の外出禁止措置が緩和された際に解除されていた。
Fincanci医師は、病院は過密状態であり、医療スタッフは疲弊している、という憂慮すべき状態を訴えており、「少なくとも2週間、あるいは4週間は完全な外出禁止令が必要である。」と主張している。
イスタンブールのウスクダル大学のGüner Sönmez博士は、『ラクロワ』に対し、「もしこうしたカウント数がもっと早く発表されていれば、政府はより強力な対策を取らざるを得なかったかもしれない」と述べている。しかし、トルコ政府のこれまでの感染状況に関する公式発表に批判的な立場のTMA のFincanci医師やその他人々は、エルドアン大統領を支持する政治階級の一部から「テロリズムを支持している」と非難されている。
最新の公式発表によると、9ヶ月前のウイルス流行開始から、総人口8,300万人に対し、1万4,129人が新型コロナウイルスによって死亡している。
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