フランスメディアが見る北朝鮮の人道に対する罪
北朝鮮を、国際刑事裁判所に提訴する法的措置が、国連で進んでいる。フランスの各メディアは、次のように報じる。
『ラクロワ紙』は、「国連総会の人権委員会は18日に、人道に対する罪で、北朝鮮を国際刑事裁判所に提訴する事を、国連安全保障理事会に求める決議案について、投票を実施した」と報じる。ラクロワ紙によると「この決議案はEUにより提案され、日本をはじめ60の協賛国が支持し、キューバ、ベラルーシ、中国、ロシア等が反対したが、圧倒的多数で賛成を獲得」。
『リベラシオン紙』は、「政権に就く前の犯罪は処罰されないままだが、金正恩総書記は共犯にあたる」と、国連のダルスマン氏の見解を報じる。...
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『ラクロワ紙』は、「国連総会の人権委員会は18日に、人道に対する罪で、北朝鮮を国際刑事裁判所に提訴する事を、国連安全保障理事会に求める決議案について、投票を実施した」と報じる。ラクロワ紙によると「この決議案はEUにより提案され、日本をはじめ60の協賛国が支持し、キューバ、ベラルーシ、中国、ロシア等が反対したが、圧倒的多数で賛成を獲得」。
『リベラシオン紙』は、「政権に就く前の犯罪は処罰されないままだが、金正恩総書記は共犯にあたる」と、国連のダルスマン氏の見解を報じる。それよると、「国連の調査委員会は、2011年12月の金正日前総書記の逝去以前に、実行された大掛かりな犯罪を調査した。金正恩は人権侵害を知らされていたが、その結果の行動をとらず、人道に対する罪の共犯で有罪になると、ダルスマン氏は強調した」。ラクロワ紙は、「大規模な人権侵害は長期に渡り、証拠の裏付けがある。脱北者の証言と衛星観測のお蔭で、十数個の強制収容所が国中に存在し、12万人近くが、政治犯その他の罪で収容されていると分かった。強制労働、拷問、性的暴行、即決処刑が横行する」と元外交官の言葉を引用する。
『フィガロ紙』は、「北朝鮮は国連の決議案を受けて、この決議案は詐欺だと述べ、新たな核実験の脅しを振りかざした。一方、衛星写真で北朝鮮が、軍需用プルトニウム再処理工場を稼動している事が示された」と報じる。リベラシオン紙は、「北朝鮮はこの計画に反撃するため、外交的に反撃に出た」と伝え、「金正恩総書記は、次にロシアの支持を得るために、信頼できる人物を急ぎ派遣する予定」と報じるが、「北朝鮮指導者達への説明と、これまで以上に断固とした姿勢が不可欠」とダルスマン氏の見解を引用する。
決議案は、この状況を変えられるか?という問いに対し、ラクロワ紙は、「北朝鮮の指導者達がすぐに裁かれることは無いと、NGOヒューマン・ライツ・ウォッチのマッテイオリ氏が認めた」と伝えるが、「強制力はなくとも、国連総会の決定は、安全保障理事会の賛成を得やすくする」と指摘する。「ロシアと中国は、北朝鮮の主要な同盟国で、どちらも拒否権を持ち、反対しても驚かない」とダルスマン氏の見方を報じる。
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フランスメディアが見る川内原発の再稼動
薩摩川内市が、圧倒的多数で川内原発の再稼働に賛成した。電力の7割を原発に依存するフランスは、福島原発事故とその後の日本の動向に高い関心をよせる。フランスメディアは、川内原発再稼働について次の通り報じる。
『ルモンド紙』は「福島原発事故後初めて、地元の地方自治体が圧倒的多数で、国内原発の再稼働を承認した」と報じ、
『トリビューン紙』は「原発事業は、人口10万の薩摩川内市には、重要な雇用と収入源である。26議員中19人が賛成、4名が反対、3名が棄権した」と伝える。
トリビューン紙は、「事故後段階的に48基の原子炉を停止し、電力消費の3分の1をまかなう原発の損失を補うために、日本はエネルギー輸入を増やさねばならなかった」としながらも、再稼働の手続きについて、「原発災害後に政権についた安倍首相は、原発再稼働を進め、国民の大多数が賛成しない措置について、ケースバイケースで地方当局に扱いを委ねた」と伝える。...
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『ルモンド紙』は「福島原発事故後初めて、地元の地方自治体が圧倒的多数で、国内原発の再稼働を承認した」と報じ、
『トリビューン紙』は「原発事業は、人口10万の薩摩川内市には、重要な雇用と収入源である。26議員中19人が賛成、4名が反対、3名が棄権した」と伝える。
トリビューン紙は、「事故後段階的に48基の原子炉を停止し、電力消費の3分の1をまかなう原発の損失を補うために、日本はエネルギー輸入を増やさねばならなかった」としながらも、再稼働の手続きについて、「原発災害後に政権についた安倍首相は、原発再稼働を進め、国民の大多数が賛成しない措置について、ケースバイケースで地方当局に扱いを委ねた」と伝える。
一方でルモンド紙は、「最近でも、2013年秋から2014年春に福島原発では、定期的に事故があり、特に汚染水漏れが多発した」と報じた。
『ラクロワ紙』は、「今週10月28日事故があった福島第一原発の原子炉の建屋カバーに、突風で大きな穴が出来た」と報じる。ラクロワ紙によると、「建屋カバー解体前に、粉塵を防ぐ固着剤を注入するために、30センチ四方の穴が開けられて、突風でクレーン車の端のエンジンに、予想外の動きを引き起こし、作業用の穴が1メートルから2メートルに広がった」と東京電力の説明を伝えた。加えて、東京電力の説明は、周辺の放射線量に変化なし」で、「この風は想定外で作業員を驚かせるものだった」。
トリビューン紙は市民の反応について、「原発再稼働に対する敵意は、自分達の地域に直接的な恩恵がない地域では激しい。また原発への敵対心は、並行して評価されたりリスクにさらされたりする」と分析する。トリビューン紙は賛成のタイミングについて、「九州電力が安全性テストを前もって提出すべきだったが、原発の再稼働の決定は来年を待たずに行われた」と報じる。
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