日本人監督がカンヌ映画祭で最高賞受賞(2018/05/21)
フランスの第71回カンヌ国際映画祭で、コンペティション部門21作品の中から、日本の是枝監督による「万引き家族」がパルムドール賞を受賞した(日本人受賞は1997年以来、5作目)。米国のハリウッド同様、多様な作品を選考しようという潮流がある点やスピーチで女優がセクハラを訴えたことが報道されている。
5月20日付仏
『フランス24』 は「日本の是枝が“万引き”家族ドラマでカンヌ・パルムドールを受賞」との見出しで以下のように報道している。
プレゼンターは今年のノミネート21作品は、虐待、貧困、人種差別、女性のたくましさ等をテーマに幻滅した、疎外された、権利をはく奪された世界を描いていたとした。
「万引き家族」は万引きたちの寄せ集めでできた家族についての映画。万引きで何とか暮らす家族の日常を全くそれとは感じさせないタッチで繊細に、その家族のきずなと崩壊を描く感動の作品である。...
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5月20日付仏
『フランス24』 は「日本の是枝が“万引き”家族ドラマでカンヌ・パルムドールを受賞」との見出しで以下のように報道している。
プレゼンターは今年のノミネート21作品は、虐待、貧困、人種差別、女性のたくましさ等をテーマに幻滅した、疎外された、権利をはく奪された世界を描いていたとした。
「万引き家族」は万引きたちの寄せ集めでできた家族についての映画。万引きで何とか暮らす家族の日常を全くそれとは感じさせないタッチで繊細に、その家族のきずなと崩壊を描く感動の作品である。遊び心と感傷が入り混じり、アートシアターマニアにも通常の観客にも好まれる。
今回の受賞式では、女性二度目の受賞が注目されたが、アジアのベテランと若手監督作品が大健闘。主催側は受賞作品の偏りが批判されてきたが、今年はそのような不満は見られなかったという。大胆な選考のために、スターが登場する華やかさには欠けていたが、ハリウッド同様これは世界のトレンドになりつつある。
同日付『ヤフーニュース』 (ロイター通信引用)は「日本の”万引き家族“がカンヌ・パームドール受賞」との見出しで以下のように報道している。
女性監督作品が受賞するとの期待は破られ、日本の是枝監督の作品が想像を超える設定の作品で、高い評価を受け「万引き家族」でカンヌ最高賞を受賞した。
一方、受賞式のスピーチで、イタリアの女優Asia Argentoは、1997年にハーヴェイ・ワインスタインにセクハラされたことがあると訴え注目と喝采を浴びた。ワインスタインの弁護士はこの事実を否定しているという。
シルバー受賞には、スパイク・リー監督の「BlacKkKlansman」1970年代のクラックスクランを題材にしたコメディー作品(暗にトランプ大統領の白人至上主義に絡めている)が選ばれた。
また、ブロンズ賞にはレバノンの女性監督Nadine Labaki によるベイルートのスラム街の子どもの姿を描いた作品「Capharnaum」が選ばれた。
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オーストラリアの学力テストに批判(2018/04/09)
オーストラリア全土の子ども達が毎年5月に受ける学力テスト「ナプラン・テスト」(NAPLAN: National Assessment Program- Literacy and Numeracy)に関し、このテストが正しい読み書き能力を評価するものではないと教育専門家で元マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授が批判している。
4月9日付
『ヤフーニュース』 は「“ナプランテスト”は評価基準を間違えている、高得点を取る方法を専門家が伝授」との見出しで以下のように報道している。
MIT工科大元教授が論文でオーストラリアのナプランテスト(小学校3、 5、 7 、 9年生に行われる全国共通テスト)は「おかしい」、廃止すべきではないが修正すべき点はあると指摘。試験の評価が綴り字、句読点、文法、要約等に偏り、総合的な作文力を正しく評価できていないとする。...
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4月9日付
『ヤフーニュース』 は「“ナプランテスト”は評価基準を間違えている、高得点を取る方法を専門家が伝授」との見出しで以下のように報道している。
MIT工科大元教授が論文でオーストラリアのナプランテスト(小学校3、 5、 7 、 9年生に行われる全国共通テスト)は「おかしい」、廃止すべきではないが修正すべき点はあると指摘。試験の評価が綴り字、句読点、文法、要約等に偏り、総合的な作文力を正しく評価できていないとする。「ABC」ニュースの報道では、「オーストラリアカリキュラム評価および報告機関(ACARA)」が試験の再考を行う意思を示しているという。
レ・ペールマン教授によると、綴り字を正しく評価せず、より難しい語を使うとより高得点が取れるという。例えば例を「示す、表す」という場合、より簡単な「show」を使うより「demonstrate」を使う方が高得点になり、評価者には簡単な語から難しい語までのリストが配布されている。
ACARAの会長は、「子供たちは高得点を取るために難しい語句を使っているとは考えれない。教師たちは発展的な言葉を教えようとしているのだ。この批判はしっくりこないとしている。」とする。
レ・ペールマン教授が皮肉で書いた「ナプランテストの作文で高得点を取る方法」の中で、学生たちにこうアドバイスをしている。「難しい綴りの字を暗記して、答案に沢山書こう。」「同じ語を繰り返し書いてもいい、意味については深く考えない。」「綴りに自信がなければ、書かない方がいい。」「繋ぎ言葉を入れよう。(しかし、加えて等)」「名詞には数個の修飾語をつけよう。」最後に、「ナプランテスト以外ではこの方法は使わないように。」と皮肉っている。
同日付英国『メールオンライン』 は「ナプランテストはオーストラリアの学生の”作文力を落としている“、高得点を得るコツ」との見出しで以下のように報道している。
ナプランテストは、子どもの可能性を狭めていると教育界の重鎮が指摘。レ・ペールマン元MIT教授は、毎年実施されるこのテストを批判。「私がこれまで詳細を検証した外国のテストの中で最も良くない10~12種類のテストに入るものだ。難しい語句を使う事に重点を置きすぎ、考えを伝える作文を書くという点を軽視している」と指摘する。その評価基準では、より難しい語句を使うとボーナス得点が加算される仕組み。
同教授は、英語圏の作文評価基準は往々にして、より正確で簡潔な語句を選択する方向性にあるのだが、このテストの評価基準だと、学生の作文力は弱くなってしまうとしている。
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