中国半導体メーカー、米政府の対中輸出規制政策強化に対抗して米人技術者を全員解雇【米メディア】
バイデン政権は、中国を貿易上でも競争相手とし、特にIT分野での技術漏洩や移転に神経を尖らせている。そしてこの程、米商務省(1903年設立)が対中輸出規制をより厳しくする方針を打ち出したことから、まずアップルが中国半導体メーカーにメモリーチップを製造委託する計画を反故にした。そこで、これに対抗するように、当該中国半導体メーカーが同社の米人技術者全員を解雇するに至っている。
10月25日付
『Foxニュース』は、「中国メモリーチップメーカー、米人従業員を全員解雇」と題して、中国半導体メーカーが、米政府の対中輸出規制強化に対抗して、同社の米人技術者を全員解雇したと報じている。
中国のメモリーチップメーカーはこの程、米政府の輸出規制強化方針に鑑みて、同社技術部門にいる米人従業員を全員解雇すると発表した。
湖北省武漢市本拠の長江メモリー・テクノロジーズ(YMTC、2016年設立の国有企業)で、米政府の対中輸出規制強化政策の一環で、アップル(1976年設立)がYMTCに対するメモリーチップ製造委託する計画を反故にしたことに対抗したものとみられる。...
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10月25日付
『Foxニュース』は、「中国メモリーチップメーカー、米人従業員を全員解雇」と題して、中国半導体メーカーが、米政府の対中輸出規制強化に対抗して、同社の米人技術者を全員解雇したと報じている。
中国のメモリーチップメーカーはこの程、米政府の輸出規制強化方針に鑑みて、同社技術部門にいる米人従業員を全員解雇すると発表した。
湖北省武漢市本拠の長江メモリー・テクノロジーズ(YMTC、2016年設立の国有企業)で、米政府の対中輸出規制強化政策の一環で、アップル(1976年設立)がYMTCに対するメモリーチップ製造委託する計画を反故にしたことに対抗したものとみられる。
本件の事情通が英国『フィナンシャル・タイムズ』紙のインタビューに答えて、米人従業員に退社を勧奨するのは、“会社自身にとっても、また米人従業員のリスクに鑑みても必要な措置”だと言及している。
解雇となった米市民及び米永住者は何人いるのか不明だが、同事情通によると、すでに数人の米人従業員が帰国しているという。
米商務省は今月初め、先端コンピューターチップを入手したり、スーパーコンピューターを開発したり、また、高機能半導体を製造する技術に中国がアクセスする道を制限すべく、対中輸出規制を更に強化していく方針であることを表明している。
同省は、中国がこれらチップ・スーパーコンピューター・半導体を駆使して、大量破壊兵器を製造したり、軍隊の意思決定スキームの正確・迅速化したりする恐れがあるからだとしている。
同省は更に、かかる方針は米国の国家安全保障及び外交政策を擁護するためのもので、同盟国やパートナー国とも連携した上で進めているとする。
同省のアラン・エステベス次官(産業安全保障担当、2022年就任)は、“我が国の脅威となる周辺環境は常に変化しており、同盟国等と十分連携して、中国によって引き起こされている様々な事態に対抗すべく、政策を随時見直していく必要がある”とコメントしている。
中国は、旧型の半導体を製造するメーカーを精力的に育成しているが、ほとんどの高機能スマートフォンやその他IT機器に使用される高性能チップの製造はできない状況にある。
そこで、米政府としては、中国がこれら高性能チップや部品製造技術にアクセスできないよう、制限を加える方策を強化してきている。
同日付『ロスアンゼルス・タイムズ(LAT)』紙は、「米政府、中国向け米半導体技術の輸出制限方針」と詳細を報じている。
バイデン政権はこの程、米企業が中国向けに半導体チップを輸出することを“違法”とすることで、米半導体技術が中国に流失することを厳しく制限する方針を発表した。
マサチューセッツ州在のフレッチャー・スクール(1933年設立の私立外交大学院)のクリストファー・ミラー准教授(30代半ば)の『LAT』への寄稿文によると、バイデン政権は、中国が半導体技術を高度化していくことが米国の安全保障等の点でマイナスになると判断している、という。
ドナルド・トランプ前大統領(76歳、2017~2021年在任)が、中国通信機器大手メーカーの華為技術(ファーウェイ、1987年設立)に制限を加えたように、ジョー・バイデン大統領(79歳、2021年就任)は、中国の全コンピューター企業に対して制限政策を取ろうとしている。
すなわち、高性能コンピューター用のメモリーチップ等の高度な技術を中国に流失させないようにしたものである。
同准教授によれば、過去10年、米国はコンピューター技術の中国軍への流失を止めることに失敗してきており、そこで、高性能のミサイルやレーダー製造のための最先端技術を徹底的に管理することが肝要だと判断したものだとする。
具体的には、たとえ民間企業向けとは言え、一度中国側に輸出されてしまうと、米政府の監視が届かないことになってしまうため、イランや北朝鮮に対して制裁しているのと同様、全ての高性能半導体技術の輸出について、目を光らせることにしたものであるという。
かかる方針の下、アップルは直近で、中国国有企業のYMTCへのメモリーチップ製造委託契約を反故にし、中国外のメーカーに乗り換えざるを得ないとの決定を余儀なくされている。
同准教授は更に、“もし米政府の強化政策が奏功すれば、中国側は高性能半導体部品等を自前で製造するまでに少なくとも10年はかかるとみられる”とコメントしている。
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米司法省、トランプ前大統領の機密文書等隠蔽容疑に関わり側近従者を更に審問【米メディア】
既報どおり、ドナルド・トランプ前大統領(76歳、2017~2021年在任)は、2021年1月6日発生の議事堂乱入事件を扇動した嫌疑や、退任後に不当に機密文書等を私邸に持ち込んだ容疑で取り調べられている。そしてこの程、米司法省が、同前大統領から直接指示を受けて、押収前の秘匿文書等を保管庫から別の場所に移したとされる側近を更に審問することになった。
10月24日付
『AP通信』は、「米捜査当局、トランプ別邸マー・ア・ラゴの家宅捜査に続いて側近を更に事情聴取」と題して、連邦捜査局(FBI、1908年設立の司法省傘下の捜査機関)がドナルド・トランプ前大統領のフロリダ州在の別邸を家宅捜査した事態に関し、同前大統領から事前に、機密文書等の一部を別の場所に移動するよう直接指示を受けたとする従者について、FBIが更に事情聴取することになったと報じている。
FBIは今年8月初め、ドナルド・トランプ前大統領が退任後、不当に機密文書等をフロリダ州の別邸に持ち出した嫌疑で、同邸を家宅捜査した上でかなりの数の機密文書等を押収した。...
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10月24日付
『AP通信』は、「米捜査当局、トランプ別邸マー・ア・ラゴの家宅捜査に続いて側近を更に事情聴取」と題して、連邦捜査局(FBI、1908年設立の司法省傘下の捜査機関)がドナルド・トランプ前大統領のフロリダ州在の別邸を家宅捜査した事態に関し、同前大統領から事前に、機密文書等の一部を別の場所に移動するよう直接指示を受けたとする従者について、FBIが更に事情聴取することになったと報じている。
FBIは今年8月初め、ドナルド・トランプ前大統領が退任後、不当に機密文書等をフロリダ州の別邸に持ち出した嫌疑で、同邸を家宅捜査した上でかなりの数の機密文書等を押収した。
同捜査の事情通によると、司法省が更に、同邸において機密文書等を移動させている姿が監視カメラに捉えられた側近を事情聴取することになったという。
同事情通は匿名を条件に『AP通信』のインタビューに答えて、当該人物は既に一度審問されていた従者のウォルト・ノータ氏(39歳、2017年より雑用係として勤務、2021年フロリダ州私邸に異動)で、FBIは更に、家宅捜査前に当該文書等を移動させようとした経緯について事情聴取する意向であるという。
本件について、司法省はコメントすることを控えているが、これまでの報道によると、同省は、前大統領による国家防衛に関わる情報の不当な所有や捜査妨害等違法行為の嫌疑について、捜査を進めている。
捜査妨害容疑については、FBIが今年の8月初め、裁判所からの家宅捜索許可証を得た上でフロリダ州在の別邸を捜査した際、機密文書等が同邸の保管庫から別の場所に“移動されて隠されようとした”疑いがあることが判明していた。
同省は今年5月、トランプ側に対して、ホワイトハウスから持ち出した機密文書等を返還するよう求める召喚令状を提出した。
これに基づき、FBIが6月3日にフロリダ州別邸を訪れ、38種類の文書等が入った封筒を回収したが、その際トランプ弁護団に対して、次の通知があるまで、同邸に残された機密文書等を納めた箱を保管庫で厳重に保管しておくよう指示していた。
しかし、FBIは後に、更に隠匿した機密文書等があるとの嫌疑が高まったとして、8月8日に同邸を家宅捜査することとなり、その結果、超極秘と記された機密文書等を含めて100余りの文書等を押収している。
なお、『ワシントン・ポスト』紙が今月初め、ノータ氏の名前を初めて記載して、トランプ従者である同氏がトランプの明確な支持に従って文書が入った箱を移動させた旨FBIに証言したと報じている。
また、『ニューヨーク・タイムズ』紙も10月24日、捜査当局がノータ氏に再び事情聴取する旨報じている。
同日付『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「捜査当局、機密文書等の取り扱いでトランプ側近を厳しく取り調べ」と報じている。
連邦捜査局は目下、トランプ前大統領が不当に持ち出した機密文書等の取り扱いについて、国家安全保障に反する行為があったことを立証すべく総力を挙げている。
具体的には、まず、フロリダ州別邸の保管庫にあった当該文書等を、同前大統領の指示で移動させようとした側近の証言を取ろうとしている。
その対象となっているのが、ホワイトハウス及びフロリダ州別邸で同前大統領の身の回りの世話をしていたノータ氏(グアム出身の元海軍兵)で、別邸の監視カメラに彼の行動の一部始終が映っていることから、同前大統領を裏切ることになっても真実を証言させようとしている。
もう一人が、強烈なトランプ信奉者であるキャッシュ・パテル氏(42歳、弁護士)で、トランプ政権下で、クリストファー・ミラー国防長官代行(57歳、2020~2021年在任)の首席補佐官を務めていた人物である。
同氏は現在、トランプ前大統領から指名されて、前大統領の保有文書等の取り扱いについて、米国立公文書記録管理局(NARA、1935年前身設立)と種々遣り取りする代理人になっている。
従って、同氏は、同前大統領がホワイトハウスから別邸に持ち出した文書の詳細や、NARA及び司法省から文書返還を求められた際の対応について、深く関わっている人物である。
同氏は、8月初めにFBIが家宅捜査に入った際、同前大統領が、文書の機密性を解除した上でホワイトハウスから文書類を持ち出している、と公に表明していた。
司法省としては、ワシントンDC連邦地裁の大陪審の場で、証言させようと努めているが、目下のところ同氏は、米憲法修正第5条自己負罪拒否特権(注後記)に基づき、証言を拒んでいる。
そこで同省は、同地裁裁判長に対して、同氏を大陪審の前に出廷させる暫定命令を出すよう申し立てている。
(注)自己負罪拒否特権:米憲法修正第5条の4項の条項で、「何人も、刑事事件において自己に不利な証人となることを強制されることはなく、また法の適正な手続きによらずに、生命、自由または財産を奪われることはない」と定められている。
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