アメリカのジョー・バイデン大統領がテレビ演説やオンライン会議を、実際のホワイトハウスではなく、ホワイトハウスの執務室などを再現した撮影セットで行っていることが判明した。これまでの大統領のようにホワイトハウスを使用しないのはなぜなのか、ネットで疑問の声が上がっている。
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『インデペンデント』によると、バイデン米大統領が6日、ホワイトハウス執務室を再現したものの、本来の執務室の窓からは見えるはずのない満開のローズガーデンが映し出された撮影セットで演説を行ったことが、ソーシャルメディア上で話題になっている。
執務室のレプリカセットは、本物のホワイトハウスから通りを隔てたアイゼンハワー行政府ビル内に設置されており、バイデン大統領が最近行った新型コロナワクチンのブースター接種や世界的なコロナウイルスのサミットなど、様々なイベントや写真撮影の演出に使用されているという。...
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『インデペンデント』によると、バイデン米大統領が6日、ホワイトハウス執務室を再現したものの、本来の執務室の窓からは見えるはずのない満開のローズガーデンが映し出された撮影セットで演説を行ったことが、ソーシャルメディア上で話題になっている。
執務室のレプリカセットは、本物のホワイトハウスから通りを隔てたアイゼンハワー行政府ビル内に設置されており、バイデン大統領が最近行った新型コロナワクチンのブースター接種や世界的なコロナウイルスのサミットなど、様々なイベントや写真撮影の演出に使用されているという。
最近のテレビ演説の際は、窓からの景色が、秋のワシントンDCの現実を反映するように更新されていなかったことが視聴者の注目を集めた。
保守派の司会者であるベニー・ジョンソン氏は、なぜ大統領が「実際のホワイトハウスから通りを隔てたところにある偽のホワイトハウスのセットを使う必要性があるのだろうか」と問いかけている。
トランプ前大統領の元上級顧問であるスティーブン・ミラー氏は、バイデン大統領が正式な演説をする際にはホワイトハウス内のテレプロンプターでしか台本を読むことができないからではないかと推測している。「バイデンがテレビ会議で、イーストルーム、キャビネット、オーバル、ルーズベルト、シットルームなどの実際の部屋ではなく、この奇妙なバーチャルセットを使っているのは、撮影しているカメラの画面から直接台本を読むことができるからだ」とツイートしている。「ホワイトハウスは、バイデンが実際には台本通りの文章を読み上げているだけであるにもかかわらず、普通にやりとりをしていると錯覚させるために、この奇妙なセットを用意したのだろう」と付け加えている。
ホワイトハウスセットが組まれているサウスコートオーディトリアムは、これまでオバマやトランプなど歴代大統領も使用してきたが、今回のようなホワイトハウスのレプリカセットは現政権が設置したものである。
米『ワシントンエグザマイナー』によると、パンデミック以前はホワイトハウスやアイゼンハワー行政府ビルの会議室で、さまざまな参加者と直接会ったり、オンラインで政策会議が頻繁に開催されてきたりした。これらのイベントは、外国の指導者との気候サミットから、地元企業の幹部との経済会議まで多岐にわたる。しかし、現在はコロナの影響のためにオンラインで開かれることが多く、報道陣の取材が入るため、イベントごとにセットや背景、旗などが準備されているという。
元ホワイトハウス・イベント・ディレクターのジョシュ・キング氏は、撮影セットの使用は、最新の「PoliOptics」と呼ばれるものであり、政治を光学と組み合わせることで最大限の視覚的説得力を出すことができると説明している。
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トランプ政権下の米軍トップが、米中間緊張が高まる最中、2020年10月及び2021年1月に中国軍トップと内密電話をした際、“米軍が中国に対して奇襲攻撃を仕掛けることはない”と越権行為と取られかねない会話をしていたとして物議を醸している。そしてこの程、当人が米議会上院の公聴会で、自身はあくまで米国に忠誠を尽くしていることと、当該電話についてトランプ政権幹部も承知済みであると証言している。
9月28日付
『Foxニュース』:「ミリー氏、米国に“絶対的な”忠誠を尽くしているし、中国との電話会談についてトランプ政権幹部も承知済みと証言」
マーク・ミリー統合参謀本部議長(63歳、2019年就任)は9月28日、報道されている内容と全く異なり、自身は米国に“絶対的な”忠誠を尽くしているし、また、中国軍トップとの電話会談についてトランプ政権幹部も承知していることだと強調した。
同議長が、議会上院軍事委員会の公聴会に出席した際に、冒頭で述べたもので、同委員会は、同議長が2020年10月及び2021年1月初めに交わした、中国の李作成連合参謀部参謀長(リー・ツオチェン、67歳、2017年就任)との“機密”電話会談の内容について問題視して同議長を招請していた。...
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9月28日付
『Foxニュース』:「ミリー氏、米国に“絶対的な”忠誠を尽くしているし、中国との電話会談についてトランプ政権幹部も承知済みと証言」
マーク・ミリー統合参謀本部議長(63歳、2019年就任)は9月28日、報道されている内容と全く異なり、自身は米国に“絶対的な”忠誠を尽くしているし、また、中国軍トップとの電話会談についてトランプ政権幹部も承知していることだと強調した。
同議長が、議会上院軍事委員会の公聴会に出席した際に、冒頭で述べたもので、同委員会は、同議長が2020年10月及び2021年1月初めに交わした、中国の李作成連合参謀部参謀長(リー・ツオチェン、67歳、2017年就任)との“機密”電話会談の内容について問題視して同議長を招請していた。
この問題は、『ワシントン・ポスト』紙のボブ・ウッドウォード編集委員(78歳、名誉職)及びロバート・コスタ政治部記者(35歳)が今月初めに出版した共著「ペリル(差し迫った危険の意)」の中で、ミリー議長が李参謀長と最初に電話会談した際、南シナ海における米軍の軍事演習の機会を捉えて中国を攻撃する可能性があることを事前に知らせたと暴露している。
更に同著は、2回目の電話会談の際には、米軍が攻撃体制に入る場合、中国側に事前連絡するので奇襲攻撃とはならない、とまで言及していたと述べている。
かかる記載もあることから、同議長は、米軍に勤務して43年になるが、“米国、米国民及び米国憲法に対しての自身の忠誠は、これまでもこれからも一切変わることはない”と強調した。
その上で同議長は、“中国側との軍人トップ同士のコミュニケーションは、国防総省ガイダンスや対話方針に沿って行われており、核兵器を保有する大国間での軍事衝突や戦争等を回避する上で非常に重要な手段だ”と言及した。
更に同議長は、2020年10月30日及び2021年1月8日の両電話会談とも、前者は当時のマーク・エスパー国防長官(57歳)及び後者は当時のクリストファー・ミラー長官代行(55歳)それぞれに“事前及び事後報告済み”だとも付言した。
すなわち、最初の電話はエスパー長官の指示に従って行い、2回目の電話については、中国側から12月31日に電話会談の要請があったことから、国防総省アジア太平洋政策担当補代理が“下準備を行って1月8日に設定した”ものだとコメントした。
そして、同議長は、“李参謀長との電話会談終了後速やかに、マイク・ポンペオ国務長官(57歳)及びホワイトハウスのマーク・メドウズ大統領首席補佐官(62歳)に事態報告した”とし、“その後、引き続いてミラー国防長官代行との会議に出席し、同様に事態報告した”とも言及している。
一方、前述の暴露本「ペリル」に記載されていたもう一つの問題、ナンシー・ペロシ下院議長(81歳、民主党)との1月8日の電話会議の内容について、ミリー議長は、1月6日の議事堂乱入事件発生に頭を痛めたペロシ氏が、“精神的に不調を来しているとみられるトランプ大統領が、核兵器使用命令発出の可能性について質問をしてきた”とした。
その上で同議長は、“核のボタンの取り扱いは大統領のみが命令できるものではあるものの、命令発出から実行までにはいくつものプロセス及び担当高官が関わっているので、彼の一存で核兵器使用が可能となることはない”と説明したという。
なお、同議長が公聴会において証言することになった背景には、ミラー長官代行等からのミリー議長辞任要求の声が上がっていたことがある。
同長官代行は、ミリー議長に“中国側との内密な電話会談を指示したことはない”とした上で、“同議長の前例のない、恥ずべき業務命令違反行為”を断罪し、同議長は“即刻”辞任するべきだと主張している。
しかし、ジョー・バイデン大統領(78歳)は、ミリー議長に信頼を置いていると発言している。
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