8月12日付米
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』:「中国当局に連行された大学教授の安否への懸念が増大」
約2週間前に中国当局によって連行された孫文広(ソン・ウェンカン、84歳)老教授について、同氏が元所属していた山東(シャントン)大学の同僚ら150人余りが、公開書簡でもって同大学に対して、同氏の安全確保と早期解放を図るよう訴えた。
公開書簡に署名した王淑君(ワン・シューチュン)氏は8月12日のVOAの取材に対して、かかる当局のやり方は無法、野蛮で、かつ憲法違反の行為であると非難した。...
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8月12日付米
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』:「中国当局に連行された大学教授の安否への懸念が増大」
約2週間前に中国当局によって連行された孫文広(ソン・ウェンカン、84歳)老教授について、同氏が元所属していた山東(シャントン)大学の同僚ら150人余りが、公開書簡でもって同大学に対して、同氏の安全確保と早期解放を図るよう訴えた。
公開書簡に署名した王淑君(ワン・シューチュン)氏は8月12日のVOAの取材に対して、かかる当局のやり方は無法、野蛮で、かつ憲法違反の行為であると非難した。
また、同氏は、習近平(シー・チンピン)国家主席もこの事態を知れば、快く思わないだろうとも語った。
VOA含めた国際メディアの度重なる照会に対して、中国当局はもとより、山東大学の幹部も無言を貫いている。
一方、米国務省報道官は先週、孫氏の安否について懸念を抱いているとした上で、中国に対して、表現・集会の自由を禁ずるという人権侵害を続け、また、人権擁護を求める活動家・弁護士・ジャーナリスト等を違法に拘束することを厳しく非難すると表明している。
孫氏は、長い間中国政府の政策に批判的な行動をしてきており、1960年代の文化大革命の時代に逮捕されている。また、毛沢東(マオ・ツォートン)を批判した罪で、1978年には禁固7年の有罪判決を下され服役していた。
なお、今回の孫氏の連行は、習国家主席宛の公開書簡で、貧困で喘ぐ多くの国民を顧みず、同国家主席がOBOR構想の下、アフリカにバラ撒き外交をしていると批判したことが背景にあるとみられている。
一方、同日付ドイツ『DW(ドイツ通信)』:「ドイツ人留学生、人権問題の映像制作で中国から国外退去措置」
中国の名門の清華大学(1911年創立の北京在の国立大学)に留学していたドイツ人留学生のデイビッド・ミサール氏(24歳)は8月12日、中国当局から滞在ビザの延長を拒否され、国外退去処分に遭った。
ジャーナリズム専攻の同氏は今年初め、人権問題で拘束・投獄されている中国人弁護士らに関わるミニ・ドキュメンタリー・フィルムを制作していた。
同氏は当局から、これ以上政治問題に関わらないよう2度警告を受けていたが、中国の社会や政治状況をもっと知りたいとして、その活動を止めなかった。
それが直接の理由となったのか、同氏が所属するゼミの教授から許可を得ていたものの、中国当局から突然、冒頭の措置命令が下されたもの。
中国では、2015年に強化された取り締りによって、300人以上の人権活動家、弁護士などが逮捕され、多くが国家転覆罪等の名目で長期刑を受けている。
国境なき記者団による「2018年世界報道の自由度ランキング」では、中国は対象全180ヵ国中176位にランクされる程評価が最低である。
*参考:1~5位 北欧、45位 米国、67位 日本、180位 北朝鮮
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8月7日付米
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』:「米政府、VOAが生放送でインタビュー中に当局に連行された中国大学教授の安否について懸念表明」
米国務省報道官は8月7日、VOAが8月1日に生放送でインタビューをしていた際、当局によって連行されてしまった孫文広(ソン・ウェンカン)元大学教授の行方について、懸念を抱いていると発表した。
同報道官は、中国当局が表現・集会の自由を禁ずるという人権侵害を続け、また、人権を求める活動家・弁護士・ジャーナリスト等を違法に拘束していることを厳しく非難すると言及した。...
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8月7日付米
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』:「米政府、VOAが生放送でインタビュー中に当局に連行された中国大学教授の安否について懸念表明」
米国務省報道官は8月7日、VOAが8月1日に生放送でインタビューをしていた際、当局によって連行されてしまった孫文広(ソン・ウェンカン)元大学教授の行方について、懸念を抱いていると発表した。
同報道官は、中国当局が表現・集会の自由を禁ずるという人権侵害を続け、また、人権を求める活動家・弁護士・ジャーナリスト等を違法に拘束していることを厳しく非難すると言及した。
孫元教授は先月、習近平(シー・チンピン)国家主席に公開書簡を送り、国内の貧困層を救済せず、アフリカ諸国にバラ撒き外交を進めていることを批判していた。
なお、中国批判の急先鋒であるマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出の共和党議員)も、中国当局による言論の自由他への弾圧について厳しく批判するとともに、孫元教授の速やかなる解放を訴えた。
一方、8月8日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『AP通信』配信):「キリスト教取締り:中国政府が教会を破壊し聖書を押収」
中国におけるキリスト教取締りが威力を増している。
当局によって、教会が打ち壊され、聖書などが押収されている。また、中国国内でキリスト教徒が最多の河南省(ホーナン)では、布教活動を監視する新法が制定されている。
中国では、1982年に制定された憲法で宗教の自由が認められているものの、毛沢東(マオ・ツォートン)以来の権力者となっている習近平国家主席が、全土に“中華思想(注後記)”を徹底させる一環で、特にキリスト教取締りを強化する方針を進めてきている。
これは、キリスト教徒が、共産党員を遥かに凌ぐ勢いで増大していることが懸念されたものとみられる。
また、分断主義がはびこらないよう、新疆(シンチアン)ウィグル自治区のイスラム教徒を厳しく弾圧している。
更に、中国国営『環球時報』によると、今年7月下旬、仏教徒の多いチベット自治区において、夏休み期間中に児童は“如何なる宗教的活動”にも参加しないことを誓わされている。これは、当局が敵視する、チベット仏教の精神的支柱のダライ・ラマ14世の影響力を削ぐことが意図されている。
なお、同メディアは8月7日、全国の宗教機関に対して、中国共産党の進める社会主義に同化させる運動の下、新法に基づき中国国旗を掲揚することが求められると喧伝している。
(注)中華思想:中華の天子が天下 (世界) の中心であり、その文化・思想が神聖なものであると自負する考え方で、漢民族が古くから持った自民族中心主義の思想。
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