米国務長官、ASEAN地域安保フォーラム外相会議の主要議題は北朝鮮及び南シナ海問題と明言【米・タイメディア】
マイク・ポンペオ米国務長官は、8月2日から始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域安保フォーラム外相会議出席のため、バンコク(タイ)を訪問する。出席に当って同長官は、北朝鮮非核化と南シナ海領有権問題が主要議題となると明言している。既報どおり、韓国外相は同会議において、日韓貿易問題での韓国支援を取り付けるべく図る模様であるが、米国はもとよりASEAN外相説得は容易でないとみられる。
7月29日付米
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』:「ポンペオ国務長官、東アジア外相会議での主要議題は北朝鮮と南シナ海問題と表明」
8月2日に開催される、ASEAN地域安保フォーラム外相会議に出席するマイク・ポンペオ国務長官は7月29日、出発前の会見で、同会議での主要議題は北朝鮮と南シナ海問題だと明言した。
同長官は、7月31日午後にタイに向けて出発するとした上で、先週の北朝鮮による短距離弾道ミサイル発射は、同会議に出席する北朝鮮代表と米朝協議を行うに当って、障害とはならないと表明した。...
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7月29日付米
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』:「ポンペオ国務長官、東アジア外相会議での主要議題は北朝鮮と南シナ海問題と表明」
8月2日に開催される、ASEAN地域安保フォーラム外相会議に出席するマイク・ポンペオ国務長官は7月29日、出発前の会見で、同会議での主要議題は北朝鮮と南シナ海問題だと明言した。
同長官は、7月31日午後にタイに向けて出発するとした上で、先週の北朝鮮による短距離弾道ミサイル発射は、同会議に出席する北朝鮮代表と米朝協議を行うに当って、障害とはならないと表明した。
同長官を後押しするように、国連軍代表は、米朝協議によって、朝鮮半島の非核化に向けて邁進するという姿勢を評価するとコメントしている。
メディア報道によれば、北朝鮮の李容浩(イー・ヨンホ)外交部長(外務大臣相当)はバンコクで開催される同外相会議には出席しないという。
ただ、その場合でも、代理人の出席は過去に行われてきているため、米朝間協議はバンコクでも行われる可能性は高い。
一方、米国務省のモーガン・オータガス報道官は7月29日、『VOA』のインタビューに答えて、北朝鮮問題に関わる米同盟国と緊密に協議していく意向だと語った。
同報道官はまた、直近の中国による南シナ海人工島からの対艦ミサイル発射実験、更には、ベトナムと中国間の睨み合いに触れて、米国として大変懸念しているとも言及した。
なお、ベトナムは先週、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島周辺で中国公船による一方的な地質調査を増強していることに対して、“すぐに退去”するよう求めたが、そのまま睨み合いの状況になっている。
7月30日付タイ『バンコック・ポスト』紙:「南シナ海問題及び貿易紛争が今回の東南アジアサミットの主要関心事項」
今年のASEAN地域安保フォーラム及び東アジア外相会議は、議長国のタイで8月2日から3日まで開催される。
タイ政府高官によれば、ASEAN10ヵ国の他11ヵ国の外相が一堂に会し、のべ27度の会議が予定されているという。
ただ、今年の同会議においては、ASEAN以外の大国の外相、すなわちポンペオ国務長官、王毅(ワン・イー)外交部長(外相に相当)、及びセルゲイ・ラブロフ外相の動向が大きな関心事となっている。
すなわち、目下上海では、米中通商代表同士による通商交渉が正に進められている中、米中両外相がタイでの東アジア外相会議に出席することになる。
また、先週の韓国『聯合(ヨナプ)ニュース』報道によると、北朝鮮の李外交部長は今回の外相会議に出席しないというが、ポンペオ国務長官は7月29日、米朝間でのワーキング・レベルの協議を再開する用意があると明言している。
更に、南シナ海では、中国船によるフィリピン漁船沈没事件、また、ベトナムの領海内での石油・天然ガス開発への中国による妨害行為が発生しており、この件についても、今回の外相会議で避けて通れない重要議題である。
なお、今回の東アジア外相会議には、上記の他、豪州、インド、日本、韓国、及び欧州連合(EU)外相も出席する予定である。
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脱北高官;北朝鮮は制裁を逃れてあらゆる手段で石油製品密輸を続行と証言【米メディア】
日本が発表した、韓国に対する半導体材料品の輸出管理強化政策(メディアで散見される「輸出規制」は誤った表現)に対抗するかのように、この程韓国側が、日本こそが制裁対象品を北朝鮮に輸出していると、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会専門家パネルが指摘していると言い出した。しかし、この問題以前に、明らかな制裁破りとなる、精製石油製品の違法取引(瀬取り)に韓国船が深く関わっていると、脱北した北朝鮮の元高官が証言している。
7月13日付
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』:「脱北高官、北朝鮮は国を挙げて制裁逃れと証言」
脱北した北朝鮮の元高官が、北朝鮮は軍と経済を保持するために必要な石油を確保すべく、多くの地域に国が支援した戦略拠点を構えていると証言した。
朝鮮労働党39号室(注後記)所属の外国為替トレーダー元締めであった李英浩(イー・ヨンホ)氏で、金正恩(キム・ジョンウン)委員長ら幹部のための外貨獲得に当る部隊を率いていた。...
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7月13日付
『ボイス・オブ・アメリカ(VOA)』:「脱北高官、北朝鮮は国を挙げて制裁逃れと証言」
脱北した北朝鮮の元高官が、北朝鮮は軍と経済を保持するために必要な石油を確保すべく、多くの地域に国が支援した戦略拠点を構えていると証言した。
朝鮮労働党39号室(注後記)所属の外国為替トレーダー元締めであった李英浩(イー・ヨンホ)氏で、金正恩(キム・ジョンウン)委員長ら幹部のための外貨獲得に当る部隊を率いていた。
しかし、2014年に金委員長が叔父の張成沢(チャン・ソンタク)氏を粛清して間もなく、李氏は家族と共に脱北した。
そして李氏は先週、『VOA』のインタビューに答えて、北朝鮮は国連安保理事会の制裁を逃れるため、瀬取り含めて、禁輸製品確保のためにあらゆる所に国が支援する戦略部隊を配置していると証言した。
具体的には、2017年12月に国連安保理事会採択の制裁No.2397によって、年間50万バレル以上の精製石油の輸入が禁じられ、そのため北朝鮮が必要とする数量が25%以下に抑えられている。
しかし、実際には、2018年では263度の瀬取りによる違法取引で、378万バレル、輸入上限値の7.5倍余りもの精製石油を確保しているという。
この違法取引に関わっているのが、韓国や香港企業が運行するタンカーである。
例えば、韓国船籍タンカー“ルニス”は、2017年から2019年4月までの間、韓国から27航海で合計16万5,400トンもの精製石油製品を運搬している。
そして、そのうち、2018年4月以降の期間では、シンガポール向けに12航海したことになっているが、シンガポール港湾局によれば、同船は2018年4月以降シンガポール港に来ていないという。
そこで、米財務省の調査では、東シナ海海域で北朝鮮タンカーに精精油を横流ししているとみられている。
更に、釜山(プサン)港で昨年10月に差し押さえられた、同じく韓国船籍の“P-パイオニア”も、2017年9月に東シナ海で2度、北朝鮮向けに軽油を違法取引した疑いがある。
李氏によれば、このような瀬取り取引を行うため、北朝鮮は各地に戦略拠点を設けているので、これを取り締るために、韓国政府含めた西側諸国が頻繁に船舶検査を実施すれば、瀬取り等の違法取引はもっと防げるはずだという。
(注)朝鮮労働党39号室:北朝鮮の外貨獲得機関。朝鮮労働党の財政経理部であり、朝鮮労働党中央委員会政務局に所属。麻薬密売、通貨偽造、偽造タバコ密売等の不法活動を指揮する金正恩委員長直属の機関。1974年に金正日総書記が、権力基盤固めに使う外貨を稼ぐ機関として設立。
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